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最弱スキル紙装甲のせいで仲間からも村からも追放された、が、それは誤字っ子女神のせいだった!~誤字を正して最強へと駆け上がる~  作者: 空地 大乃
第五章 冒険者編~はじまりの章~

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第81話 本物の情報

 ジェゴブは言った。パルパルは信用できないと――リリパト族のパルパルはどうやら俺達の足元を見ているらしい。


 確かにこっちはギルド存続の為3日以内に50万オロを集める必要がある。だがパルパルに素材の買取を頼むと三分の一を取り分で寄越せという。これではとても間に合わない。


 だけど、こいつ他に一体何を隠しているというのか?


「お前は少し考えて物を言った方がいいでゴブりますね。こちらの腹を探るのも結構ですが、我々も時間がないのです。あまり情報を渋っていると――」


 ジェゴブの話に合わせるようにドヴァンが圧を強めた。これは脅しだな。いやあまりに聞き分けが悪いと本気でしめそうだけど。


「――チッ。お前それで本当にゴブリンか?」

「さて、実は自分でもよくわかってないでゴブりますよ」


 ジェゴブがなんとも優雅な佇まいを見せ答えた。そもそもゴブリンに見えないほどに紳士的でジェントルなゴブリン。それがジェゴブだ。


「あ~もうわ~ったよ。情報教えてやる。だが勿論それはただじゃねぇ」

「勿論価値ある情報ならしっかりと。ただしそれが本当だと判明してからですが」

「な、何だと! このオレっち相手に後払いで済まう気かよ!」

「テメェさっきからゴチャゴチャうるせぇんだよ! いい加減にしねぇとその舌引っこ抜いた後燻製にしてそのまま売っぱらうぞコラッ!」

「ヒッ!」


 ドヴァンが吠えるように叫んだ。これもう恫喝に近いな。凄い迫力だし。


 さしものパルパルも小さな体を更に縮こませて冷や汗をかいている。


「くそ! 足元見やがって。あぁわかったよ。だがな俺が教えられるのはこの町に流れの鑑定師が一人やってきてるってことだけだ」


 パルパルが観念したように答えた。しかし、流れの鑑定師だって?


「それってつまり、その鑑定師さえ見つければ素材の鑑定は問題なく出来る?」

「まぁそうだな。しかもその鑑定師どうやらドワーフの血が入ってるらしくてな。解体師としても優秀らしいぜ」

「おい! 本当かそれは!」

「ふん。取引に使用する情報に関してはウソをつかない。それがリリパト族ってもんさ」


 パルパルが鼻を擦って答えた。ジェゴブの顔を見てみる。顎をさすり考えているが嘘とは思ってなさそうだ。


「その鑑定師の名前は何でゴブか?」

「名前まで知らねぇさ」

「おい、そんな話信じろっていうのか?」

「いえ――パルパルはドワーフとは言わずドワーフの血が入ってるといいました。嘘をつくなら単純にドワーフとするでしょう。そこでわざわざ嘘をつく必要もない。ですので信憑性は高いと思います」


 そうか――だからジェゴブはさっきみたいにはなから疑ってはかからなかったんだ。


「とは言え名前もわからないのでは仕方ありませんが、まさかリリパト族の貴方がそのような中途半端な情報しか持ち合わせていないとはいいませんよね? それではリリパト族の名がなくかと思うでゴブが?」

「チッ。本当にいけすかねぇゴブリンだ。そうだな名前がわからないのは本当だ。しかしその鑑定師はどうやら女らしい。ドワーフの血が入ってるから小柄らしく眼鏡を掛けているって話だ」


 これは、大分絞れてきたんじゃないか? ドワーフの血が入っていて小柄な女の子、それでいて眼鏡だ。


「どうやら次やることは決まったな」

「あぁ。その鑑定師兼解体師を何としてもみつける。でも、その子流れなんだっけか? だったら……」

「なるほど。可能ならギルドに勧誘できると文句なしでゴブりますな」

「あ、そっか! 確かにそれだとギルド内で全て済むね!」


 ジェゴブとヘアは俺が言わんとしたことを察してくれたようだ。


 この情報思ったより貴重かも。だけど、問題はこの町のどこにいるかってことなんだよなぁ。






◇◆◇

side サウザンド

 

 ギルドであったあのカルタは俺の永遠のライバルになる男だ。そうに決まってる俺の勘がそう告げている!


 しかし依頼は簡単だったな。あっという間に終わらせて戻ってこれたぞ。全く近場の盗賊団を壊滅させるぐらいなんてことはない。


 二千人ぐらいいたが歯ごたえなさすぎだ。全くなってない盗賊団だ。俺の勘がそう言っているあいつらは失格だ!


「だからよぉ姉ちゃん。俺らとちょっといいことしようぜってことよ」

「――情報を聞かせてくれるのではなかったのですか?」

「いやいや聞かせる聞かせるって。ちょっとその体で前払いしてもらえばな」

「――騙したのですね。帰ります」

「おい待てこらここまで来ておいてそれはないだろう?」

「へへ、わりぃがこのまま返すわけには」

「俺の勘が告げいてる! 貴様らは悪人だとチェストーーーーーー!」


 そう直感だ。世の中直感が大事なのだ。だから俺は女の子を無理矢理連れて行こうとした三人をぶっ飛ばした! うむ。俺は正しいことをした!


「あの、ありがとうございました」

「はっはっは! 気にするな! 俺の勘が言っていたのだ! 困ってる女の子は助けろとな!」

「は、はぁ……」


 うん? 何か戸惑ってるような気がするが気のせいかな? しかしこの子眼鏡をして随分と小柄な子ではないか。これは俺の勘が言っているこの子もまた只者ではないと!

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