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サバイバル・ウォー  作者: うゆ
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第1話:案内人

ログイン方法は至って簡単。頭にヘルメットのような機械を装着し、リモコンでスタートのボタンを押すだけ。


リラックスした姿勢でないと身体が壊れてしまうので、必ず布団やベッドで寝そべりながらやるのが鉄則だ。


俺、柊弥生はそれを特にい意識する男で、変なアロマを炊いたり、家の鍵を何回もチェックしたりと万全の体勢で望む。


スタートというボタンを押すと同時に視界が閉ざされ、目を瞑った時のような真っ暗な空間が浮かぶ。


そしてその数秒後に視界に大きく緑色の円が浮かんでは消えを繰り返す。


『system, all green welcome to this world』


最後にようこそと言われ、暗転していた世界に色彩が戻る。しかしそこはゲームの中であり、俺は冷たいコンクリートの上で寝ていた。なんで寝てるのかはこの際追求はするまい。


「お待ちしておりました。No.221。貴方の個性プロフィールを決めます。ビジュアルルームがあります。目印まで矢印でお伝えしますので、そちらまでお越し下さい」


矢印に従い、大体100mほど先にある小ぢんまりとした洋服屋へと入る。外見からはただの服屋だったはずなのだが、中に入ればあら不思議、和服や中華服などのコアな部類もある。それにヘアスタイリストやメイクさんなど、色々といる。


ゲームならではの顔の造形などはできない仕様らしいが、これほど揃っているところを無料で使えるというのなら不満はない。


とはいえだ、基本である顔が同じ以上派手派手しい格好は苦手だ。だからといってダサい格好も嫌ではある。


最終的に髪色は黒と茶色のグラデーションで、先端側が黒だ。


そして上の服はロゴ無しの紺色のTシャツに防弾ベストと肘や肩に防弾パッド。下はジーンズに膝とくるぶしに同じく防弾パッド。


できるなら全身ガチガチにでもしておきたかったが、初期資金でそれは無理だ。服やヘアスタイル、メイクなんかは大したお金は使わないのだが、防御効果の高いものに関しては軒並み高い。


武器調達のための資金もあるため、資金の半分だけしか使っていない。個人的にもかなり半端な格好だってことはわかってる。


その格好のままで外に出る。パッケージの説明にあったように荒廃した都市が舞台となっている。錆びた車に地割れが起きたようなアスファルト。


立ち並ぶ街灯は十分とは言えないほどの間隔で光りが弱々しく放たれ、息絶えてしまっている街灯もい。


滅びの世界を見るのは嫌いじゃないが、未来を見ているようで何かゾクりとしたものを感じる。


街を観察していると、何か、変な奴がこちらに向かってくるのが見える。自転車に乗ったピエロだ。遠目に見えたはずがもう既に目の前にいた。


「やあやあ!こんにちわ。ぼくはピエロのピエールだよ。よろしくね。僕は君に伝えることがあるんだ。ついてきてくれるかな?」


唐突な自己紹介と有無を言わさずついてこいと声をかけられる。


恐らくはチュートリアルの案内役なのだろう。だとしても登場の仕方といい、キャラといいもうちょっと何かあっただろう。


「ピエール、質問はしていいのか?」


「君から質問をしてくれるのかい?それは嬉しいね!ただ質問はされているばかりでも、しているばかりでもつまらないとは思うだろう?だから、ぼくと交互にやろう。まずはぼくから。

君の名前を教えてくれるかい?」


遊びの精神が大きいピエールに少々翻弄されるが、要求通りに名前を教える。


「うんうん、君の名前は『K夜』か。いいね、格好いいよ!じゃあ次は君の番だね!ぼくに何を聞きたいんだい?」


「どこに向かってるんだ?」


「そうだね、ぼく達はこの都市の治安部隊として名高い『セイント』の駐屯地に向かってるんだ。そこで戦い方を教えてもらえるだろうね。それじゃあぼくの番だ。君のその名前、由来とかあったりするかな?」


なぜそんなことが気になるのか疑問だが、それを尋ねるにして


もまずは答えないといけない。というか、ちょっと恥ずかしい


のだが。


「簡単だよ。騎士のナイトの頭文字のKとその後に続く綴りが夜だからK夜、読み方はナイトでいいよ。思いつきだからな」


喋りながら歩いていると時間が経つのが早い。ピエールが言う目的地が既に視界に入っているのだ。


「ふむ、あれだね。ぼくはここまでだ。君に一つ、大切なことを言っておかなくちゃいけない」


ピエールは少し間を置き、口を開く。


「決して、この世界の住人たちにこの世界は『ゲーム』なんだって思わせちゃいけない。どんなことがあっても、誰一人教えちゃいけない。教えてしまったら、この世界は崩壊するかもしれないんだ。だから、絶対に教えないでくれ」


ピエールはそれだけ言うと踵を返して自転車を漕いでいってしまった。理由を聞く時間も無く、静止の声も無視して行ってしまった。


「とりあえず、あの建物に向かえばいいか」

短く区切って投稿し、モチベの低下を抑止しようと思っています!

とりあえず完走するまでは最低でも週1、良くて週2~3で投稿しようと思っておりますので

よろしければお付き合いくださいな

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