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忘れてしまいたい・・・  作者: naomitiara-tica
8/15

第2の女

この作品は、全て妄想であり、創作です。

『マネージャー、前回の契約の件なんですが』

と私が言いながら髪を右耳にかける。

OKなら男がチョコレートの匂いのするタバコを吸い、ダメな時はセブンスターを吸う。

これが私達の逢瀬のサインだった。だいたい月1ぐらい。多くて2回。


加えてマネージャーが、打ち合わせと言う名目で『佐藤チーム長、ちょっと隣のコーヒー行こう』の時はだいたい夜の相談だったが。


女子トイレでその話を聞いたのは、最近、男のセブンスターが続き、コーヒーも誘われないなぁと、思っていた矢先だった。


女子同士のトイレでの会話だ。

『ねえ、マネージャーって、よーく営業所で携帯で誰かと話ししてるけど、あれ絶対女だよね?いつも1時間は話してない?』


『私、この前、しらばらくれて近くで聞いてたんだよね?そしたら、昨日はあれからすぐ帰ったのかとか、車の鍵がどうとか、聞こえたけど?』


『え?嫁かな?毎日電話で喋るほどに熱々の夫婦の気もしなくない?』


『とにかく次に会う約束してた気がするけど?』


私は知らんぷりしていたが、内心穏やかではなかった。なぜなら私はそう言うわけで、営業に這いずり廻ってるので、営業所に殆どいたためしがない。帰って来るのは契約書を持ち帰る時ぐらいなので、特に昼間の男の様子など知らないし、長電話も初耳だった。


『私、佐藤チーム長かな?って思ったことあるんですけど、先週のチーム長研修の時もマネージャー、喋ってたから違う女性なんだろうなって。マネージャーって何から何まで佐藤チーム長に、相談してるじゃないですかぁ』


と、若い後輩が意地悪そうに私の反応を見た。どうやら私と男の関係を多少、疑ってるらしい。


『違うわよう〜。佐藤チーム長は仕事一筋で、火遊びなんて興味ないですもんね?』


チッ、余計なお世話だっつうの。

でも、この際そう思わせといた方が良さそうだ。


そう、私が営業で格闘してる頃、男は他の女に触手を伸ばしていた。はたしてその女はテレアポチームいちの美人だった。なんでも旦那がヤクザもんで金を入れないらしく、生活に困っているらしい。テレアポの成績も良いので頑張れば高給を望める営業チームに入れたいがどう思う?とこの前ホテルで相談されたばかりだ。成る程ね。


私がなぜその女が相手だと分かったかと言うと、男が珍しく車の話をしたからだ。今の車は高級車じゃなくともキーリモコンで鍵がかかるんだねとか、なんとか。最初意味不明だったが、テレアポの例の女が、

『この前出かけたら夜暗くて、車どこに停めたかわからなくなっちゃったんだけど、キーリモコンのおかげでガチャっと音がして助かったのぉ』と

トイレで喋ってたからだ。つまり女の車で遊んでたんだろう。

今思うとあれは私にわざわざ聞かせてたに違いない。

私と男の関係を疑って、挑発してたんだな?


私は血の気が引くのが分かった。

さて次の女の影ですね?

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