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忘れてしまいたい・・・  作者: naomitiara-tica
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浮かれた日常

この作品は、全て妄想であり、創作です。

男と身体の関係が出来てから、男は毎日のように退勤前に電話して来るようになった。支社会議や私が営業中の時はメールを入れて来た。嫁の別荘や、自分の実家に帰った時は必ず、キーホルダーや、ちょっとしたお土産を買って来て、そのマメさには感心するものがあり、もっとも電話が途切れる事がしょっちゅうあるようになって、男の心変わりにもすぐに気が付いたものだったが。


私は当時、成り行き上ではあったがみんなが狙っている男を手に入れて有頂天だった。そう言う時、自分の営業成績も良かったりするものだ。私の浮かれた明るさがお客様にプラス思考を呼び起こすのだろう。入ったアポは全件のように契約成立、しかも高額の大口契約に結び付き、そこからまた金持ち筋のお客の紹介が次々に入った。


毎日毎日、ボロキレのように這いずり回り、土日も惜しみなく働いた。夫は海外赴任、1人息子は部活のテニスに夢中で、それを良い事に、息子にお金だけ多めに渡して、仕事のみに忙殺された。


一件でも多く契約を上げる。それが喜びであり、興奮だった。成績が上がると男が喜ぶ。佐藤チーム長はウチの営業所の自慢だと男が朝礼で発表する。思うように契約のあげられなかった他の営業連中が悔しそうに、かつ羨望の眼差しで見る。それが快感だった。


そう言う関係になってからよく2人で祝杯をあげた。一流ホテルだったり、その辺のホテルだったり。ビールやワインを飲んでよーく営業所の愚痴を言い合ったものだ。ついでに嫁の悪口も良く聞かされた。なんでも、元モデルだと言うお嬢様上がりの嫁はいつまでも妻にはなれないらしく、実家が大金持ちで、居心地も良いのだろう、すぐに実家に帰る。まぁ、だからこそ私たちは良く遊んでられたのだ。嫁は実家だし、私の旦那は海外だし。つまりお互い家庭にもマンネリ化して来たダブル不倫ってやつだ。


しかしそんな馬鹿げた関係が長続きするはず無いのだ。多様な落とし穴に、次々に私は落ち始めた。

さて、浮かれた私はどうなって行くのでしょう?

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