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忘れてしまいたい・・・  作者: naomitiara-tica
5/15

罠に落ちるまで

この作品は、すべて妄想であり、創作です。

のこのこ駐車場に行った私を男はすばやく自分の車に引き込み、酔いが覚めるまで一緒に居て欲しいと頼んだ。


『いつもチヤホヤされているように見えると思うけど、けっこうみんなしたたかなんです。僕から新しい情報貰おうともろに必死なんだよね。』

当然、マネージャーに気に入られれば、契約率の高そうなリストや金持ちのお客の紹介を貰えることも多い。

リストも貰って、うまくいけばちょっとイケメンと遊んじゃうか?てなそんな感じだろう。


私はせせら笑った。

『情報欲しかろうが何だろうが、これだけいつも女性が群がってるマネージャーも初めて見ましたわ、みんな擬似恋愛楽しんでるんでしょうね?』


すると意外な答えが返って来た。

『擬似恋愛じゃなくて、本物の恋愛が生まれるかもしれないじゃないですか?』


ああ、こいつ、今までちやほやされ過ぎてけっこうガキなんだ・・・案外マジな恋愛なんて経験ないのかも?なんて思ったら私は少し男が可愛いなんて思ってしまったのだ。


『佐藤チーム長、今日はクレーム対応しなくちゃいけないから、明日、仕事終わったら食事につきあってくれませんか?営業所の悩みもいろいろ出てきて・・・。佐藤さんいつも淡々と仕事しているから逆に相談しやすそうだなって前から思ってたんですよ。』

私がちょっと考えていたら、男は素早く私にキスをして、酒臭い舌を絡めてきた。私に食事を断らせないようにしたんだろう。。。。くそっ


私の口を封じたあと、何回も何回も抱きしめて噛み付くようにキスして来たので、私は妙に落ち着いてしまった。営業所のほかの女達にむくむくと起る優越感。女って本当に馬鹿な生き物だ。


こりゃ明日食事行ったら、最後まで行っちゃうだろうな・・・なんて思いながら男をそっと放して車を降りながら私はちょっと困ったように答えた

『マネージャー、奥様も待ってますよ、私も結婚してるからって、奥様や、営業所のみんなに恨まれるのは私なんですからね?』


『じゃ、今度の土曜日の休日出勤の時、営業同行って形で横浜に出かけない?新車も来るから、乗りごこちも試したいんだよね?』


と、何だか子供っぽい提案をされて、お嬢様育ちの嫁は早々とご実家の軽井沢の別荘に避暑に出かけてしばらく居ないと言うし。。。

弱い私はやっぱり断りきれなかったのだった・・・

ちょっと日常を抜け出して遊びたい気持ちも確かにあった。

そう、その時にはすでに男の手中にいるとも気が付かずに・・・

あれま、キスもしてドライブもとなるとどうにかなってしまうのは時間の問題ですね?

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