同居人に要注意
テストやら大会やら何やらで投稿遅れました…
もし楽しみにしていた方がいたら申し訳ないですが次の投稿も遅れそうです。m(._.)m
適性試験も終え、俺達は割り振られた部屋へと向かう。
部屋の広さは四人の寝る場所がギリギリある程度だが修学旅行のようで楽しい。
なんせ俺には修学旅行の楽しい思い出など何も無いのだから。俺と同じ部屋ってだけでこの世の終わりみたいな顔してる班員がいないだけで楽しいのだ。
そしてその班員だが、俺を含めて三人、俺、うながみさん、ミラ、だ。
もうわかってるかもしれないかもちろん俺達はあまりものだ。
俺とうながみさん持ち前のコミュ力を遺憾無く発揮しオドオドしていた。そこに「余ったところに入る」と言っていたミラが入ってきたわけだ。
当然会話など全くない。いつも一人で引きこもっていたから静寂などなれていたと思ったが人がいるとそういうわけにもいかない。
ミラはただぼーっとしているがうながみさんなんから明らかに気まずそうな顔をしている。
こんな時にトランプとかUNOとかぱっと作れたらなぁ。
【スキル、創造主を獲得】
ん?なんかゲットしたっぽいんだけど?案内人説明頼む…。
『説明と言われましてもフィーネの強い思いが(ry』
いやいや、スキルってこんな簡単に獲得できちゃダメでしょ?もっとこう、仲間と血のにじむ努力の果にとか、仲間のピンチで新たな力が開花する、とかじゃないの?
ちなみにどんなスキルなのん?
【スキル名:創造主】
【効果:あらゆるものを創り出せる、命あるものは不可能】
え、なんでも創れちゃうの?これはいわゆるチートスキルなのでは?特にこの「作る」じゃなくて「創る」ってとこがチート感出てるよね。
あれか、俺がトランプとかUNOとかぱっと作れたらなぁって思ったからなのか?
『多分ですけどこんな簡単にスキルを獲得できるのも私のおかげだと思いますよ?だって私、この世界ができた時から色んな人の頭の中に飛び回ってますし、今まで存在していたスキルはすべて知ってますから!』
なるほど、つまり案内人のスキル補正と創造主のチートスキルでこれからどんどんスキル創り放題ってことなのか!?
スキルのことをよく知らないままスキルを創り出すスキルを得てしまったがいいのだろうか。
しかし得たスキルを使わない手はない、創造主って名前だしトランプやらUNOを想像すればいいのだろうか?
トランプ、トランプ、トランプ…。
手に魔力的な何かが溜まっている気がするぞ。開放するために少しだけ力む。
「ん!」
すると煙とともにトランプが出てきた。
おぉ、原理はよくわからんがこれで話しかけることが出来るぞ!
「うながみさん、ミラちゃん、トランプやる?」
話題ができれば俺は強いぞ。
「フィーネちゃんトランプなんて持ってきてたの?」
「いやぁ、持ってきたっていうか、創った?」
俺がトランプを創ったと言うとうながみさんは不思議そうな顔をしていたがミラはなにかに気づいたようだ。
「スキル?」
別に何も悪いことはしていないのだがぎくりとしてしまった。
「うん、えっと創造主?っていうスキルがいつの間にか出来ていて…なんでも創れるらしい」
「なんでも創れるの?」
俺がなんでも創れると言うとミラが少し食い気味に問うてきた。アレッ、なんか怖いんだけど。
「うん、まだトランプしか創ったことないけどなんでも創れるって書いてあったよ?」
俺の言葉を聞き今度は何故か黙り込んでしまう。
俺とうながみさんはミラの意図が読めず再び気まづい沈黙が流れる。
ミラは言葉を絞り出すように喋り始めた。
「えと…パ、パジャマ着ないと寝れない…」
ぱじゃま?ぱじゃまってあれか、あれの事だよな?着ないと寝れないっていうことは俺に創れということかな?
ふむ、ミラのパジャマ姿か。
よし俺の魔力とミラのおみ足で取引だな。
そうと決まれば早速創ってやろう、ミラにはあのパジャマが似合いそうだな。
創造主を発動させ欲しいパジャマをイメージした。
すると先程と同様に煙とともにぽんっとパジャマが二着現れる。俺はもう二度目だから驚きはしないがうながみさんとミラは驚きながらも目を輝かせていた。
「はいミラちゃん、これで良かったかな?あとうながみさんのも」
ミラにはピンクと白のしましま模様のもふもふしたやつ、うながみさんには真っ白のもふもふしたやつを渡した。
二人は嬉しそうにパジャマをもふもふしながらこちらを見ていた。
「フィーネのパジャマは?」
そういうことか、女キャラにしといてなんだが女物の服を着るのは少し抵抗がある。
「私も着た方がいい?」と聞くと二人ともうんうんと頷いている。
着なければ呪い殺すとミラの顔に書いてあったので仕方なく創造主を発動させ俺用のパジャマを創り出した。
ちなみに俺用のパジャマは淡いピンクに白いボンボンがついたやつだ、想像力が乏しいためパジャマといえばもふもふしたやつしか思い浮かばないが可愛いから許してくれ。
下は何故かショートパンツにしてしまい足がスースーしてもじもじしてしまう。
うながみさんはミラには同じタイプのものを渡したのだが、 二人ともこれが当然とばかりに着こなしていた。
一方で俺はただもじもじしているだけだ、見る人が見れば愛らしいのだがそれどころではない。
とても恥ずかしいのだ、何なんだこの格好は、女子はいつもこんな恥ずかしい格好をしているのか?
俺がもじもじしているのを見てうながみさんとミラはごくり、と生唾を飲み込み「フィーネちゃん可愛い」「うん、可愛い」などと言いながらじりじりと近寄ってきてほっぺや足などを触ってくる。
あっ、これあかんやつや。
自分の貞操の危機を感じ自分が男であることを明かすことを決意する。
「ちょ、待って私ほんとは男だから!」
ふぅ、ふたりは唖然として動きも止まっている、作戦は成功だろう。
「フィーネちゃん?」
怒らせてしまっただろうか?
「…なに?」
「フィーネちゃんは女装男子?それとも男の娘?」
「僕はどっちでも構わない」
あるぇ!?全然効いてないぞ!?
うながみさんはもはや何を言ってるか理解出来ないしミラなんかは追い討ちをかけるように男でも構わないなんて言ってきやがった。
足や顔を貼っていた手がどんどんいけない場所へと伸びていく。
俺は男だから別にそんなところ触られても構わないはず、なのに…。
「ちょ、うながみさん、そこ、んっ」
「あれ?ちゃんと膨らんでるじゃん?嘘は、いけないよ?」
耳元で囁かないでくれ、鳥肌がやばい…。
うながみさんキャラ変わってない?っていうか誰か助けて!
すると、タイミングよくシャルロットが入ってきてくれた。
「お風呂に入ってないの、貴方達だけですわよ」
そうか、ここの風呂は大浴場で班ごとに時間で分けて入ることになってたんだっけ。
どうやら入ってないのは俺達だけらしい。
シャルロットっは怒り顔だが今の俺には関係なく天使のように思えた。
勢いよく入ってきたシャルロットにびっくりしたのか二人の高速が少しだけ緩む。
その好きを見逃すはずもなく俺は二人から離れシャルロットに抱きついた。
「うわぁん、しゃるろっとぉ(あの二人をなんとかしてくれそうだから)会いたかったよぉ…」
シャルロットはいきなり泣きついてきた驚いていたもののすぐにお姉ちゃんモード?に切り替わり俺の頭を撫でながら話しかけてくれた。
「よしよし、どうしたフィーネ?お姉ちゃんに話してごらん?」
ほんとのお姉ちゃんでもないのにお姉ちゃんに行ってごごらん?とか言えちゃうシャルロットにこっちも恥ずかしくなったがいまはあの二人の罪を報告することが先決だ。
というか俺とシャルロットの絡みをみてうながみさんが鼻血を噴射して倒れていた。
そんなうながみさんを一瞥し、シャルロットにこいつらの罪を教えるべく向き直る。
「えっとね、うながみさんとミラちゃんが私を襲おうとしたの…あ、襲うって言っても怪我とかさせられたわけじゃないけど、性的に?」
こいつらの罪を教えてやるとシャルロットがぷるぷると震えているのがわかった、相当お怒りのようだ。
「貴方達、お風呂の前にちょっとそこへ座りなさい?」
声は穏やかだが目は笑っていなかった。
ミラは無表情だったがうながみさんはあはは…と乾いた笑を浮かべていた、ざまぁみろ。
シャルロットのお説教が、三十分ほど続いた後、俺は念願のお風呂タイムだ。
ちなみに、シャルロットがうながみさんやミラにお説教をしている間、俺はシャルロットの後ろに隠れずっと抱きついて震えているふりをしていた。
俺の震えに気づいたシャルロットは微笑んだ後優しく頭をなでてからお説教を再開していた。
シャルロットの恐ろしいまでのお姉ちゃんパワーを見せつけりた俺らすっかりシャルロットお姉ちゃんのとりことなっていた。
きつく当たられたあとこんなに優しくされたら惚れるに決まってるだろ。
しかしそれはともかくとしてまずは風呂だ、きょ1日だけでずいぶんと疲れてしまった。
お風呂でゆっくりと温まりたいものだ。
そこで気づいてしまった。
ここに設置されている風呂は大浴場でみんなで入るものだ。そしてお風呂とは当然裸で入るものだ。ということはうながみさんや、ミラと一緒に裸で入るということだ。
服を着ていたのにあぁなってしまった二人とお風呂なんて敵の基地内を裸で匍匐前進しているようなもんだ。
やばいっ。
そう思うと俺の行動は速かった。
「シャルロットお姉ちゃん、一緒お風呂入ろ?」
俺は涙目になりながら上目遣いでシャルロットを見上げる。
【スキル、誘惑を獲得】
あれっ、なんかまた変なスキルが…。
ちなみにこの時点で再びうながみさんは鼻血を噴射し、ミラはまたもや無表情で、鼻血を垂れ流していた。
「…っ!そうね、あの二人共さと一緒にお風呂だなんて不安でゆっくりできないものね、何なら夜も一緒に…」
「流石にそこまでは迷惑かけれないよ、それにあの二人も反省してると思うし」
「それもそうね、でも何かあったらすぐ言ってね?」
シャルロットのお姉ちゃんモードの優しさに感銘を受けながら俺達は風呂へ向かった。
俺達はシャルロットと共に風呂場、つまり楽園へとやってきた。
楽園と言っても女の子たちは全員幼児体型なのだが、その中でもシャルロットとうながみさんは少し成長が早かったようだ。
控えめな俺とミラは惨めな思いをした。
恨めしそうな視線をシャルロットやうながみさんへ向けているのにも関わらず、我関せず、みたいな顔で悠々と風呂へ入っていく二人。
気にしているのは俺達だけだという現実を突きつけられたのだ。
早くこの惨めな気持ちもお風呂に流してしまいたいので、ミラと慰め会いながらも早速風呂へと突入する。
風呂は大浴場、と言っても狭いものだが、四人で入るなら全員が肩まで入れるくらいには広かった。
「はあぁぁ、気持ちいいわね、フィーネ?」
「はあぁぁ、うんお風呂最高だよぉ」
俺の隣ではシャルロットがおじさんのような声を出していた。
っていうかお前いつから俺の事フィーネ呼びになったんだ?朝のあれは何だったんだよ。
「そーいえばさー」
「んー」
「なんで朝あんなにつっかかってきたの?」
「あぁ、それは怖かったというか…」
「怖かった?」
「えぇ、フィーネが随分と真剣に私の事を見ていたものだから、なにか間違ったことを言ってしまったのでは、と…」
どうやらシャルロットが俺につっかかってきたのは俺のせいらしい。
「へぇ、シャルロットもそんな事心配するんだね」
ともあれ、俺とシャルロットの仲も良くなったわけだしよしとしよう。
「フィーネ、あの、もうお姉ちゃんとは呼んでくれないの?」
シャルロットがお姉ちゃんモードの顔になりそう聞いてきた。
「いや、あれは場の雰囲気というか、それにウェンディという本当の妹さんがいるわけだし私がお姉ちゃんって呼んでたら皆も混乱しちゃうでしょ?」
「そうかもしれないけど…」
おいおいそんな悲しそうな顔しないでくれよ。
シャルロットみたいに可愛くて包容力のある人なんてそうそういないだろう。お姉ちゃんになれるものなら是非ともお姉ちゃんになって欲しいものだ。
…そうだ。
「じゃあ二人だけの時なら」
「いいの?」
「うん、二人だけの時なら誰にも誤解されないと思うから…ふふっ、でも二人だけの時だけなんて、なんだかいけないことしてるみたいだねっ」
「はうっ!」
突然奇声を上げたかと思ったら鼻血を出して倒れてしまった。
そういえば俺誘惑とかいうスキル持ってなかったっけ。でも発動した覚えはないし…?
『面白そうだったんで私が発動しました!』
お前も発動させれるのかよ!いやその前に面白そうだったんでじゃねぇ!余計なことしかしねぇな!
いや、今はそれどころじゃねぇ、まずはシャルロットを風呂から引き上げないといけないな。
引き開ける時に女の子特有の部分を触ってしまってもそれは全くの不可抗力だ。ちょっと触れちゃっても不可抗力だからね?
ほんと、わざと触るとか絶対そんなことしないからね?
ふにっ
おほぉぉぉぉぉ!これがおっぱ---
そしてここで俺の意識は途絶えた。