弾作り
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ギルドでちょっとした話題になってるとは知らず桜児は商業区まで歩いていた、距離にして徒歩10分程だろう。
「この辺かな」周りを見ると色んなお店が並んでいる、食料品や雑貨だろうか。
「あ、どっか火薬とか売ってないかな、、、」
とりあえず目に付く雑貨屋に入ってみると店員が直ぐに近づいてくる。
「いらっしゃい、何かお探しで?」
(おぉ、頭に犬耳が!)初獣人だ。
この世界には人間以外も生活している、獣人族、妖精族、魔人族などなど。
残念ながら目の前の獣人は男性だが早く女性を見てみたい。
「お客さん?」
またトリップしてしまった「すいません、火薬って有りますか?」
「火薬ですか、、、あまり使われない物なので量はありませんが多少なら」と言って裏へ店員は下がる。
確かに魔法がある世界じゃあんまり使い道はなさそうだ。
「お待たせしました。申し訳ないですがこれで全部ですね」小さな小袋を持って再び現れる。
「試したい事があるだけですから、お幾らですか?」
「銅貨1枚です」
「じゃあ貰います」
お金を払い店を出る、、、これで弾が作れるはず。
全体的に物価は安いと聞いていたが確かに安い気がする。トリアーデが用意してくれた路銀は金貨3枚、銀貨10枚、銅貨50枚だったが、これかなりの間持つんじゃないかな。
呼子さんは、、、あれだな。道の真ん中で宿空いてまーすと叫ぶ女の子を見つける。
何と無くエーラさんに似てる気がするから間違いない。
俺は近づいて「大葉亭の人ですか?」と聞く、すると女の子は「はい!ご宿泊ですか?」と元気よく返してくれた。
実は、、、とエーラさんから貰った紙を渡すと女の子は受け取るが見た後首を傾げる。
「すいません、あたしまだ字は読めないんです」と申し訳なさそうにションボリする。
こっちは裕福な貴族や商人しか学校いけないって教わってたな。学校にいく人か仕事上必要な人以外なかなか覚えてないらしい。
「大丈夫だよ。宿まで連れてってくれてそれを女将さんに渡してくれるかい?」
「わかりました、こっちです」と俺の袖を引っ張る。
大葉亭は呼び込みをしていた所から一本路地を入った所にあった。
「お母さ〜ん、お客さん連れてきたよ!後これ手紙だって」
「こら、お客様でしょ。手紙?」女将さんは
女の子から手紙を貰い目を走らす。
「エイジ様で宜しいですか?」
「はい、エーラさんに紹介されてお邪魔しました」
「ようこそいらっしゃいました。ご宿泊がご希望と言うことですが何泊予定でしょうか?それと本来なら一泊朝食付き銀貨2枚ですがエーラから朝食抜き銀貨1枚でとお願いされましたのでそちらでよろしいですか?」
エーラさん、宿を聞いた時から朝飯はギルドで食べさせる気だったみたいだな、何にしても安くなるなら助かる。
「それでお願いします。一応3日分お支払いしてもいいですか?」俺は腰の小袋から銀貨3枚を取り出し女将さんに渡す。
「ありがとうございます、ではお部屋は2階の1番奥の部屋へどうぞ。食事ももし必要なら言っていただければ用意は出来ますので。後体を拭くようのお湯も必要ならお呼び下さいね」
女将さんから鍵を受け取り2階奥へすすむ。部屋を開けるとエーラさんの言うとおり綺麗に整ってる感じでシンプルさが光る。
家具はベッドとテーブル、椅子が二脚のみ。
俺はマントを壁に掛けテーブルへ向かい早速あれを試す。空間からベレッタと拾ってきたナイフと火薬を広げる。
とりあえず今回のベレッタの弾はオーソドックスな9×19mmパラベラムを使うモデルにした。パラベラムの語源は「Si Vis Pacem Para Bellum」…(平和を望むならば戦いに備えよ)というラテン語のことわざが由来らしい。
弾も本来と違う所がある、鉛や真鍮が無い為弾頭、弾芯、薬莢全て鉄になる。比重的には鉄の方が軽いから変化はあるかもだがとりあえずは作ってみよう。
右手にナイフ、左手に火薬を握り目を閉じ頭の中で9×19mmパラベラムの構造をしっかりイメージし魔力を注ぎながら拳を合わせると淡い光が集まりぽこぽこ弾が溢れてくる。
「こんなもんか、、、」出来た弾の数は34発、丁度マガジン2個分。
「最初だからとりあえず試しとしては良しとしよう」余ったナイフで投げナイフ数本とマガジンをもう一つ作り計二つのマガジンに出来た弾を込める。
桜児は自分の武術、魔術と銃を合わせて新しい形の武術を作ろうと思っていた。もちろん細かいすり合わせは必要になるだろうが大まかな型は頭の中で出来ていた。
「これでうまくいったらもっと火薬を集めるか魔法で何とかするか考えなきゃな」
今の時間は、、、まだ夕方だな、ちょっと外をぶらっとしてみるか。
ベレッタとマガジンは空間にしまい投げナイフは腰ベルトにさし刀とマントはせずに女将さんに鍵を預け街へ出る。
さて異世界を堪能しようー
念願の弾が完成しました。世の中まだちゃんと鉄薬莢はあるようですね。