プロローグ2
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激しい光と熱にまかれ意識が飛んだ俺が目覚めたのは真っ白いただただ広い空間だった。
「ここは、、、あの世か」
何と無く死んだんだと認識する。きっと爺ちゃんも一緒に逝ったはず、俺は周りを見回す。
「っ!!?」
振り向いた瞬間、目の前に男?が立っていた。
余りの驚きで瞬時に後ろ跳びで距離をとる桜児。
(あり得ないぞ!俺が全く気配を感じないなんて)
「”あり得ない”なんて事があり得ないんだよ、桜児君」
中性的な整った顔から紡がれる声もやはり中性的。性別不詳だが背丈は180以上ある桜児と同じ目線だ、、、
「さて、何から話そうか、、、?とりあえず僕の名はトリアーデ、君達の世界では神と同意義の存在かな」
「、、、マジみたいだな。心を読んだみたいだし」
「物分かりがいいね。やはり君を選んで良かったよ」
「選ぶ?」
「説明しよう、僕の役目は次元世界の管理なんだよ。幾つもの世界があって君たちの地球の様に一つ一つに生命が居る、、、それぞれが色々な進化をしているけどね」
「何て言っていいか、、、ご苦労様です、神様」
「ふふふ、達観してるね。大概の人は取り乱したりするんだけど」
「そうですかね?で、選ぶってのは」
「あぁ、脱線してしまったね。それぞれの世界には世界たり得る為に”界素”と言う元が必要なんだ、これが足りなくなると色々とその世界に不都合がおきる、、、ひどいと世界が”崩れる”」
その後のトリアーデの話しを纏めると
一つの世界の界素が尽きかけている、と言ってもまだ何百年も先の話し。
界素を補充する方法はその世界と似た世界の最も繁栄している生命体を移動させる事。
似た世界が地球で人を1人送るだけで何千年も持つと言う事。
亡くなる人の中から俺を選んだ事。
「こんな所だよ。一応桜児くんには拒否権もある、、、ちゃんと数年後には地球でまた生を得る運命だしね、勿論記憶は無いけど」
「なるほど。ちなみに行くとしたらどんな世界なんですか?」
「んー、文明では遥かに地球より低いけどね。簡単に言えば、、、剣と魔法のファンタジー世界かな」
「え?あの地球のゲームみたいなですか?」
「そうだね、アレも今回の逆で向こうの人を移した時に彼が自分の世界を元に物語を伝えたのが始まりだから」
「な、なるほど。って事は地球より遥かに危険って事ですよね?」
「君なら平気さ。対人なら向こうでも遅れをとらないし僕からも魔法の力を授ける、君の知識なら色々な対応が取れるよ。とりあえず一つの世界を救うんだからその対価に自由に生きて構わない、、、どうだろう、桜児くん行ってくれるかい?」
人生17年、、、ただ武術に明け暮れた日々、まだ満足にその技術も使わず消えたくはない。
元居た世界よりもそれが役に立つならば、
もっと自由に自分の人生を楽しめるならば、
俺に断る理由はないー
「行かせて下さい」
トリアーデは笑顔を浮かべて一つ頷く。
「やはり君を選んで良かった。では一つ一つあちらの知識を教えるよ、そして君に授ける魔法もね」
「助かります」
トリアーデはゆっくりと話しを始めた、、、
桜児が新しく生きる世界[アドグリス]へ旅立ったのはこの話しから一週間後の事だったー