秋朝(しゅうちょう)の幻想
秋の日曜日の朝
休日ののんびりした朝おそく
やすらかな黄金の日の光につつまれて
家々と、町は
まだなかば眠っている……
それらが浅くあくびをするたびに
心地よい気だるさが
黄金の日の光の下で
ふわりふわりとただようようだ
やわらかい、秋の陽射しの下で
わたしの目の前で
黄金の海が波打っている
風に吹かれてそよそよと
きらきらと
やさしく、しかし、力強く
黄金の日の下で
黄金の海が
そよそよと
きらきらと
厳かに豊穣の時を告げている――
これはある秋朝に見たゆめ
秋朝に見たまぼろし
眠たい秋朝が寝ぼけ目のわたしに見せた
幻想の光景……




