表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

奴隷化!?契約

不思議な人形を家にもって帰った晶。

「・・・・・・」

うわぁ・・ありえねぇ・・。

晶はそう思った。

今、晶が見ている光景は・・人形が食べ物を食べている光景であった。

しかも!

冷蔵庫の中身全部であった。

ありとあらゆる食べ物が食べつくされている。

あの小さい体によく入るな、と思ったほどだ。

だが、

「ちょっと、待て!!」

「なによ」

「なに〜?」

「ボクん家の食いもん全部食うきか!?」

それを聞いた長い髪の人形は、ギロリと晶を睨んでから、また食べ物に眼を移し、言った。

「あら、失礼ね。あなたが一日食べる量は取ってあるわ」

たった一日かよ・・

晶は何気、心の中でつっこんで見た。

「心配ないよぉ〜せめて、一週間分は残しておくから〜」

はぁ〜〜〜〜〜・・

ボクの命は一週間で尽きるのか・・

「そうそう。晶、紅茶を持ってきてちょうだい」

「はぁ?なんでボクが・・・」

「晶、紅茶を持ってきてちょうだい」

長い髪の人形はなんて睨むのがうまいのだろう。

晶は言われるままに、動いた。

寒いといえば、ストーブをつけたり、紅茶のお代わりを持ってきたり・・・。

これは完全に「奴隷」だ!

しかし、これがずっと続いていたわけでは無い。

「晶」

長い髪の人形は言った。

「前に、「契約」って言ったわよね?」

「ん?あぁ、言った言った」

「今から、契約やるから」

「え?」

おいおい。まてまて。スットプ!

話の展開が速すぎないか!?

その理由ぐらい説明しろよ!

「契約の理由。戦いが始まるからよ」

「え・・?何の戦い?」

晶はベッドに座りながら聞き返す。

「アリスドールの願い実現のためのゲーム」

長い髪の人形は、深刻な顔で言う。

「願いなんか有るのか?」

晶は「人形の願い」など有るのか、だんだん聞いてみたくなった。

「あるわ。わたしたちは、人形として生まれ、人形として生きてきた。それもただの人形じゃない、「命ある人形」で。わたしであれば、人間になりたいとか・・」

「ひなはお菓子をいっぱい食べたい〜〜!!」

そういいながらも、食べ物をほおばる人形。

「あれは・・願い?ていうか、もう食うな!」

「・・・・・・・一応、願い」

長い髪の人形は続けた。

「願い実現のためには、戦いに勝たなくてはいけない。その戦いが今始まろうとしているの。それも、今までの戦いより大きい戦い。なにしろ、7体の人形が一揆に目覚めたんだから」

「・・動いてる人形が7体もあるのか?」

「えぇ」

部屋には、しばらくの沈黙が流れた。いや、お菓子を噛んでいる音だけははっきり聞こえるが。

「分かった。契約でも何でもやってやろうじゃん。ただ、条件がある」

「条件?」

「いい」といわれたときは輝いていた顔が、「条件」という言葉を聞いて、一揆に曇り顔になった。

「その条件っていうのは・・・?」

長い髪の人形が真顔で聞く。

そうとう、契約というのをしてほしいらしい。

「条件とは・・・」

「条件とは・・?」

長い髪の人形は息を呑んだ。


「アイツをどうにかしろ」


「へ・・・?」

晶が指差した先には、お菓子をほおばっている人形がいた。

長い髪の人形は拍子抜けだったらしく、肩の力を抜いた。

「・・・それで・・いいの?」

「家の食料品がなくなるよりマシだ」

晶は仁王立ちで立ったまま言う。

「分かったわ。ひなぎく、やめなさい」

長い髪の人形は言う。

「ふぇ〜?いいはん、へふに〜。へっ?あひるひ(えぇ〜?いいじゃん、べつに〜。ねっ?アイリス)」

「ダメよ」

「ひあ!(いや!)」

長い髪の人形――アイリスは叫ぶ。

「ひなぎく!」

「ひや!(いや!)」

ひなぎくも負けてはいない。

「そう、じゃあしょうがないわね」

アイリスは何か呪文を唱えた。

その瞬間、あたりを青い花びらが覆った。

「・・・アイリスの花・・?」

「そうよ。さぁ・・・ひなぎくを抑えて!」

青い花は、一瞬のうちにひなぎくを覆った。

しかし、ひなぎくも負けてはいない。

中から、オレンジ色の花びらが見えた。

「・・・ひなぎく・・?」

「・・・あっ!」

突如、アイリスが叫んだ。

「え?」

「あそこにお菓子のお店が!」

「えぇぇ!!?ひな行く〜〜〜!!!」

馬鹿だ。

んなもん、あるわけないだろ。

まぁ、すべて食いもんが消えるよりはマシか。

「おぉ!おいしそうなもんがいっぱい売ってるぞ!」

まるっきり、棒読みだが、ひなぎくに余計行かせたくした。

ひなぎくは花びらの渦の中にいて、外が見えない。そのため、無いとしても言っておくと後が便利になった。

そして、「おいしそう」コールを続けること、三分。

とうとう、ひなぎくが花びらを弱め外へ出ようとした。

「いまよ!」

アイリスが叫び、アイリスの花びらは、あっという間にひなぎくを押さえた。


「わあぁ〜ん!うそつき〜!!」

ひなぎくは泣いているが、最後に食べていたガムをまだ食べている。

「これで、いいのね?」

「あぁ・・まぁ、いいんだけど」

「じゃっ、始めるわよ。シールド展開!魔方陣「解」!」

その瞬間、青いわけの分からない言葉が刻まれた、魔法陣が現れ、その周りから青い光で立体状の半円が出てきた。

「契約者・アイリス・晶!」

その瞬間、アイリスの体が宙に浮いた。

「うわっ・・」

そして、アイリスは晶の目の前で止まると、晶に近づいてきた。

そして、

ちうっ・・

とキスをしてきた。

「!!!!!!!!!!!!????????」

晶は、驚きで声も出せない。

え?え?えぇ?

ボク、人形にキスされた!?

アイリスは、なんでもないかのように、普通にしており、静かに床に下りた。


――契約完了。


どこからか声がした。

その瞬間。

グアァッ!と重力で床にへばりついた。

「契約お疲れさま!次ひななの!」

そして、また、次はオレンジ色の光に包まれた。

アイリスのときと同じ事を繰り返した。

また、「契約完了」という声がした。

その瞬間。

ゴンッゴンッと晶の頭に何かがぶつかった。

「な・・なんだ?これ」

それは、よくある宝箱のような箱であった。けれど小さい。

開けてみると、それは、薄い青のかかった透明な指輪と、薄いオレンジのかかった透明な指輪であった。

「これは・・・契約の指輪。壊さない限り、どこにおいてあってもかまわないわ。ただ、誰かに取られたりでもしたら、わたしたちがゆるさないけれどね」

「はい」

ということで、晶はその指輪をチェーンに通して、いつも身につけていた。

家の食費・・大丈夫か?    IN 晶

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ