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Ⅷ、小雨

≪如月 雷華≫


昨日から降り続ける小雨は、僕を陰鬱にさせるのにぴったりだった。

唯でさえ、調子悪いのにな。


雨は、嫌いだ。


何故かって?

其れはあの日を思い出すから。


「つ、付き合って…下さい」


少女は少年に思いを打ち明ける。


「悪いけど…僕は、君を好きにはなれないんだ」

2人の間に微妙な空気が流れる。


先に動いたのは少女。

打ちのめされた表情を浮かべる。


「そ…んな…」

少年は悲しそうな笑みを浮かべると少女に言葉を掛けようとした。


しかし、少女は眼に涙を浮かべると走り出す。


「あ…!待って!」

少年は追いかけようと手を伸ばす。


その手は少女に届かず、少女は道路に飛び出した。


「…サヨナラ……雷華先輩。」


雨の中、彼女は笑っていた。

そして、笑顔の彼女を車が撥ね飛ばした。


赤が少年の前に散る。

其れはまるで花の様に、広がった。


狂ったように踊る、少女の身体。

死の舞踏は少年の心に深い傷を付けた。


「――!!!」



「…」


嫌な思い出のページを開いてしまった。

あの時の少女は、即死。


全て、僕の所為なのに…

彼女は、僕に罪悪感を植え付けた。



そして、僕は償いとして、あの時の映像を思い出しては、一人罪悪感に苛まれる。




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