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Ⅶ、夢と現実

≪翠簾野 華月≫


「今日は…もう寝よう…」

特別病棟の一室。

私の部屋は角部屋。

私1人しか居ないけど、色々な器具があって狭く感じる。


ぱちりと電気を消して、眼を閉じた。


すく「おかあ…さ、ん?」

少女は変わり果てた母を見つめ涙を落とす。

「ねぇ、ね、ぇ…おか…ぁさ…ん」

必死に泣かない様と堪えるのが伝わる。

しかし、

「――此処に所有者が居るのか?」

「そうだ。子供が居る筈だ。そいつが所有者」

「親は大丈夫なのか?」

「ああ、殺した(・・・)

バタバタと足音が聞こえる。

少女は声に怯え、しゃがみ込む。

ドアが開く音がした。

「ひぃっ…お、かーさ…ん」

男達の声が聞こえる。

「居たか?」

「奥の部屋に居そうだ」

「どーこーでーすーかぁー?」

そして、少女を守っていた最後の扉が開かれた。

男が踏み込んできた瞬間少女は叫ぶ。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

そして、

見つけた(みぃつけた)

と言われた刹那、少女の背から白い物が現れた。

其れは、神話に在る天使の翼の様で、神々しく犯し難い物。

「…所有者から、発現者に、確定」

そして、少女は強いショックで気を失う。

翼は霧の様に消え去り、血に濡れた背中だけが残った。

「連れて帰るぞ」

「了解です」

少女は男達に連れ去られ、後には変わり果てた女だけが残った。


「っあ!」

此処は…

華月は考える。

「夢…?」

今、起きた事は夢だった。

余りにも生生しく、鮮明な記憶。



「もう…嫌だよ…」


ぽたりと落ちたモノ。

其れは華月の頬を伝ってシーツに落ちた。


窓の外は夜。

気付けば小雨が降っていた。



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