Ⅵ、疑問
≪如月 雷華≫
あの後、僕は勝手に部屋を抜け出した事と屋上に行ったことについて、看護師さんにめちゃくちゃ怒られた。
まぁ、適当にやり過ごしたけど。
「ハァ……」
溜息が胸に溜まって零れ落ちた。
病室は嫌いだ。
白っていうのが、何か憂鬱になる。
そういう所、理解してほしいなァ。
…。
暇だな。
ちょっと、考える。
華月ちゃんは、本当に病気なのか。
もしかしたら、人体実験の実験台なのかも知れない。
何故そう想ったかって?
だって星歌先生って奴が「--の発現」見たいな事を言っていた。
その事に琉李先生って人がキレた。
だからなのか。
彼女はあんなに儚い笑顔を見せた。
そして、人が入ってくる音に怯えていた。
でも…。
何故、この日本でそんな事が許される?
法律とか人権とか、僕は良く知らないけど、駄目な気がする。
違法か?
まさか。
だって琉李先生は優しそう。
でも星歌って奴は、そういう事やりそうだし…
「あーー…」
よく解んない。
頭の中がぐちゃぐちゃに成って、眼が廻る。
今日はもう駄目だな。
「寝るか…」
電気を消すと、闇が部屋を覆った。
後は眠りに墜ちようとする肉体に心体を委ねて僕は眠りに墜ちた。