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ぎょうちゅう検査!

掲載日:2026/05/28


※タイトルの通り、蟯虫ぎょうちゅう検査のお話です。

 ご不浄の部位のお話ですゆえ、深層のご令嬢、御婦人の方々は、お気をつけくださいませ。「まあ、はしたない!」となるやもしれません……

 しかし、寄生虫感染の早期発見、集団衛生の保持のためには大事な検査でもあるのです。なんとしても実行せんと、奮闘する母の記録です。


 あれです。皆さんもご存知、お尻ぺったんテープです。

 我が家の小さき御仁が、幼稚園から持ち帰った2つの神器。

「検尿」&「蟯虫」検査キット!


 少し前まで、検尿は苦労しましたね。

 おむつを履いていましたから。

 綿を仕込んで絞ったり、なんとか容器に採取しようと、盛大な事故が起こったり。

 でももう大丈夫。子どもの成長は早いのです。


「ふ。余裕だな」

 勝ちを確信しておりました。我が家の御仁は、すでにオムツはさようなら。自力でお着替え、排泄もできる、小さな一人前なのですから。



***


【DAY1】

『なにすんねん!』


 鋭い叱責とともに「ぱちん」と平手打ち。

 私、呆然としております。


 朝起きたら隣にすやすや眠る小さき御仁。

 一糸まとわない、生まれたときと同じやんごとなきお姿。

――はい、裸族です。

 彼は夜中に脱ぐのです。何度着せても脱ぐのです。母も頑張って、服飾文明の良さを語って聞かせるのですが、限界です。


「スッポニア・スッポン族」。そう命名した珍生物を、ぼんやり寝ぼけ眼でながめます。


(あ、今日検査だわ)

 枕元に置いたキットに、意識が浮上します。

 目の前には一糸まとわぬ――お尻。


(ちょうどいいわ)

 そのままぺったん。それでおしまい。

 昨年まではそうだったはずなのに。


「なにすんねん!」

 いつものカタコト喋りからは想像のつかない滑らかな日本語が、関西の訛りを色濃く放たれたというのです。

 ついでの平手打ちに、母は呆然と、手のなかのシールを片付けました。



***


【DAY2】

 母は悩みました。

 なんとか今朝はぺったん履行できたものの――このままでいいのだろうか。

 幼いとはいえ、立派な一個人。

 インフォームド・コンセント、すなわち本人の納得は大切だと思うのです。


 夜、母は子と向き合いました。

「これはね、ぎょうちゅう検査。お尻に虫さんの卵がいないか、調べるの」

「ぎょーちゅーけんさ」

「うん。だから、明日の朝も、ぺったんしていい?」

「いいよ!」

 なんと、快諾をいただけました。やはり納得が大事です。


 きたる決行の朝。 

 輝く桃尻。すやすや眠る呼吸音。

(いきなりはダメだよね)

 昨日の経験から、母も学んだのです。


「今からぺったんするからね」

 もぞもぞ動く小さき御仁。

 くるりと反対に寝返りました。


「ぎょーちゅー検査するからね?」

 再確認。くるりと反転。

 奴はしっかり夢の中。


(……仕方ない)

 事前通告はしたのです。これだけ寝てればいけるだろう。私は決行を決意し――


「閉まってる……だと!?」

 毎日夕方、2キロランニングを欠かさない小さき御仁。引き締まったその筋肉が、お尻をキュッと閉じるのです。


「いや、起きてるよね? ぺったんしよう?」

 再三の声かけに、奴めは転がり、尻を閉じ、挙句の果てに、布団の中へと潜ります。


 仕方ない。

 ここは実力行使!


――早朝からの大騒ぎ。

 それでもなんとか実行しました。


 結局頼れるのは己の筋肉のみ。


「ママ、おしりぺったんしよー!」


 私のお尻を標的に、セロテープ片手に追いかけてくる我が子から逃げ惑いながら、私は強く思うのです。


「パパにやらせれば良かった……」


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― 新着の感想 ―
今の時代に蟯虫検査を行う幼稚園があるとは珍しいですね。 確か文科省が義務を廃止していたはずですが、幼稚園の意向ですか? >スッポニア・スッポン族 一度噛み付くと中々離れないんですか?(すっとぼけ)
スッポニア・スッポン族は、天然記念物指定ですね 絶滅危惧種でもあるので、大事に育てたいところです(?) >インフォーム・ドコンセント ・の位置にドンデコルテを感じる
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