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今、俺は非常に絶望しているのである。
ルーさんからもらったこの世界の文法書を見ているのだが、それがもうなんともわからないことだらけなのである。
なんだこれ、「~する」が変な文字に変換されている・・・。
「ルーさん、この文法書くれたのはありがたいんですけど、マジでわからないっす。なんですかこれ!アラビア語でも見てるレベルなんですけど!!」
「じゃあさぁ、交渉しよっか。」
「交渉?そんなホイホイ覚えれる魔法なんてあるんですか?」
「あるに決まってんじゃん。」
「まぁ、そうですよね。自力で覚えるしか・・って、あるのかよ!?!?」
「だ、か、ら、交渉なんですよ!せっかく異世界にきて最初にやることがこの世界の言語の習得!・・・なんて面倒くさいことなんてしたくないでしょ?」
「いや、あるなら先に使ってくれよ。」
「普通にそんな魔法をかけてあげたらもったいないでしょ?」
そんなことをルーさんは自信満々に言う。
いや、あるならあるでこのもらった文法書は何なんだよ。
「交渉って、どんなものが望みなんですか?ま、まさか!俺の貞操を・・・!」
それはそれでルーさん美人だし、なし崩しに奪われても悪くはないか・・・?
「私見る専だから、やる側にはあんまり興味ない。」
「あ、あっそう。」
ちょっとでも期待してしまった俺は痴女なのか?!
いや、それはそれで俺がまだ男であるという証明になることだ・・・この気持ちは大事に持っておこう。
「私が望むのはねぇ、」
少し間を空けてルーさんはこう言った。
「女の子口調にしてほしいな。」
「なんか構えていたよりかは楽そうでよかった。」
「もうちょい際どいの言ってもよかったんだけどね、じゃあそっちに・・・
「いや!こっちでいいです!こっちがいいです!!」
女の子口調か、どういうのが女の子口調なんだ?
俺の頭の中では『~ですわよ~。』とか、『おほほほ。』みたいなお嬢様みたいなやつしか出てこなかった。
「じゃあ、やってみるけど・・・。いくよ?・・おほん、こんな感じの口調でよろしいかですわよ?」
なんかちょっと緊張しちゃって、口調が気持ち悪かった気がする・・・
・・・・
次の瞬間、
「そんな口調じゃなーーーい!!!!!!!」
少し興奮気味なルーさんがこっちに寄ってきて、俺は結局一から女の子口調というものを教えられることになったとさ。
めでたしめでたし・・・
・・・・
って!そんなわけないよね?!何なの?!恥じらいをもってとか、仕草を付け加えて、とか!なんか口調じゃないやつも言われてるような気がしてんだけど?!?!
意気揚々とルーさんは俺に指示を出す。これがルーさんの本性・・・なのか?
もはや早口のオタクじゃねぇか?!?!
「それじゃあ、やってみよっか!『私はルーさんのことが好き』ってね。」
なんか注文増えてない?まぁ、いっか。言うだけだし。
そして俺は少し恥ずかしげにしながら・・・って、なんかほんとに恥ずかしくなってきたかも!
これってプラシーボ効果なのでは・・・?
「ルーさん、わたし、ルーさんのことがす、す、しゅ、しゅぴです。」
か、噛んだー!!!!
俺は内心でこんなことを言ってしまったという恥ずかしさと噛んでしまった気恥ずかしさが混ざって近くの家具に隠れようとした。
・・・が、ルーさんのほうが先に全力ダッシュで違う部屋の中へ行ってしまった。
「言わせてても、やっぱ、は、ず、か、し、いーーーー!!!!!」
俺はそれを見て急に冷静になり、あっこれ、自分より大げさな反応を見ると自分の気持ちがいったん覚めるアレだ、そう、アレだ。
「もぉ、やった側が恥ずかしくなって逃げるなんて情けないですね~。」
よし、今度は俺がルーさんをからかってやろう!なんてことを思いつつ、ルーさんが逃げ込んだ部屋に入ると・・・・
・・・・
「ぎぃやあああああああーーーー!!!!」
俺はルーさんの顔を見た途端倒れたのであった。
「フラッシュバックが!!フラッシュバックがーーーー!!!!いやああああああ!!!!!」
さっき冷静さが一気に解け、恥ずかしさの絶頂を俺は今迎えたのであった。
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