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異世界転生したのはいいけど、音楽が無いんですが!?~クラシック?いいえ、アイドル育成します!  作者: Y
ちょっと待って。音楽を作ろう

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13/13

12.ちょっと待って。報連相は大切です!

そうは言っても、私が魔法やら何かを作る度に大人は頭を悩ませているし、騒いでいるのも知っている。しかも、私は分かりやすくピアノに文字か絵を書いて楽譜も一緒に配ろうと思っているし、これから多分この異世界には無かったものを沢山作ろうと思っているから悪目立ちしても困る。しかも、それを勝手にやると思われて監視が付くのも面倒くさい(※もう護衛が付いてます)。


何度も言うが、私が目立ちたいわけじゃない。

よし!それならやることは1つ。報連相はしっかりしよう。


物を使わずとも魔法で似たものが作れるのは分かった。

じゃあ、作りたいものは山のようにある。


ピアノは弾けるしロマンだから意地でも作ったけど、音楽はピアノだけで出来ていない事の方が多い。でも全楽器に触れたことなんか当たり前だけど無い。検索機能が頭の中で出来ると言えど、無い知識を引き出せるかは怪しい。

特に、ギターとベース。

カッコイイ!と思ったことはあるけど、触れたことは無い。


この異世界でピアノだけのアイドル曲だけなのも悲しい。いつか作るし、自分の頭の検索機能がちゃんと使えたら、練習して覚える。だけど今は甘んじて頭の中で曲をイメージして作るしかない。


あぁあ、やりたいことがいっぱいだぁあ。なんて考えていると商業ギルドの職員の方々が見えた。

今お日様は、てっぺんに差し掛かる少し前、11時頃だ。


取り敢えず、作ったものを見せたいけど今すぐに報連相しないといけないものは1つだ。

スピーカーと言っても伝わらないけど、遠くの人に声を届ける魔法を使っても良いかどうか。


まあダメって言われても困るけど


今日は初めてということもあって、ギルドマスターも来てくれてる。


それなら上に確認しますなんて事は起きずに今すぐに答えが出そうだ。

ギルドマスターに相談しようと思い、見つめると伝わったらしく父親の名前を呼んだ後、私の名前を呼んで2人だけにしてくれた。


「遠くまで音を届けるための魔法を使いたいんですが、ダメですかね?」


ギルドマスターは私がきちんと報連相したことに驚いたように軽く目を動かしたような動作の後、ゆっくりと口を開いた。


「遠くまで声が届くものなんて見たことも聞いたことも無いさねぇ。

けど、お前さんは、あいどるって言うものを作りたいんだろ?」


その問いかけに首を縦に振る。それを見たギルドマスターは悩むような表情を一切見せることなく、目線を向けた後に言葉を続ける。


「お前さんが歌って踊っているのもギルドで、そのぴあの?って言うのを弾いているのも聴いたが、演劇よりも聞き取りにくいだろう。特に声の方が」


あの一瞬で、そこまで初めて見たものを理解したんだ。


敵に回したらダメな人だ、回す気ないけど。


「使ったら、お前さんが関わっているのはすぐに分かるだろうが、必要不可欠なのも分かる。最初が肝心だからねぇ、更に必要だろう。」


何が言いたいんだろう?

商人だったら分かるのかな?なんて考えてみるけど、全く分からない。

私が、ポカンとしてるのが分かったのか、ギルドマスターは楽しそうに笑った後に、何かを考える素振りを見せ、少し声を小さくして意味を教えてくれる。


「使うのは構わないけど、見えない所に発動すること。約束できるね?」

「分かりました」

「いい子だ。ぴあのも歌も聴いたことが無ければ、どのくらい聞こえるかなんか分からないんだ。何処から音が出てるか分からないようにすれば良い」

「…あの、今日は歌わないです…」

「あいどるを作りたいんだろう?」

「私がアイドルにはなりたくないので」

「…成程。なら早めに歌う人を育てないと、取り返しがつかなくなるよ」

「慎重に選びたいんですけど…」

「演奏すればするだけ、ぴあのだけで広まって広めにくくなるんだ。最初が一番関心を集めて広がるからね」

「どうしたら…」

「こっちでも人を探しては見るが、何をしても人が立ってなきゃお前さんが歌ってると思うだろうね」

「ですよね…」

「人を見つけるまでは、四の五の言わずに歌うしか無いだろう。慎重に選びたいなら、なおの事」

「分かりました」

「今日は歌える曲を入れてるのかい?」

「少し変えてみます」

「それが良いだろうねぇ。お前さんが大きくなってからやることを見越して、同じくらいの年齢か下の子で居るかどうか、こっちでも探してみようかね」

「ありがとうございます」


お礼を言うと、目をゆっくりと閉じた後、頭に優しく手を添えてくれた。

優しい手だ。前世では撫でられたことが記憶を遡っても殆ど無い、その優しい手に涙が出そうになる。この異世界の人たちは心地良くて温かい。


「ちなみに、私が住んでいる辺りまで音を届けるのは」

「…今回は諦めるんだね」


ちぇ、仕方ないかぁ。そう肩を落とすような仕草をわざとすると、ギルドマスターの目の奥から家族と似た優しさを感じた。


書き溜めは一旦終了です(今書いてる話はあるけど)


今年の投稿は多分終わりかと思います。この作品に出会ってくださった皆様に感謝を

良いお年をお迎えください

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