表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ダメ男ホイホイ 転生する

何だかすごく最悪な夢を見た気がする。




いや、夢じゃない。過去の出来事だ。




頭がズキズキする。




ゆっくりと目を開けると目に映ったのは見知らぬ天井だった。




あれ、私は車に轢かれて…





そうだ、クソ男たちの走馬灯を見たんだ。





いや待って、私あのまま死んだんじゃ…




いやでも、生きてる?!




それよりもここどこ!?





ガバッと起き上がるとさらに頭が痛む。




思わず頭を抑えて目を閉じると





「お嬢様!!!」



どこからか女性の大きな声が聞こえてきた。



声のする方へ目を向けるとそこには、


目を見開いたメイド服姿の女性が立っていた。







どこかで見たことある人だな…








それよりお嬢様って?







私が混乱していると、その女性はこちらへ駆け寄ってきた。







「お嬢様!お目覚めになられたのですね。すぐに旦那様と奥様、お医者様に伝えて参ります!」




口早に告げるとくるりと180度周り扉に向かっていく。





「ま、待って!」






事情を聞きたくて、追い掛けようとする私に彼女はこう言った。




「リリアナお嬢様、すぐに戻りますので安静にしていてくださいませ!」



リリアナお嬢様?




意味がわからず口の中でその名を繰り返す。




リリアナ…



リリアナってまさか!!



以前ハマっていた恋愛シュミレーションゲームに出てくるリリアナ・ヴァレンティーナ!?




そんな、有り得ない。




そう思い部屋にあったドレッサーに駆け寄る。



美しいブロンドの髪にツンとつり上がった瞳、その瞳は深い青色で宝石のよう。




間違いない。



顔つきは幼いが、その容姿は間違いなく




男好きで、それが人のものでも厭わない。欲しいものは手段を選ばず手に入れる。





社交界の毒婦として名を馳せた悪役令嬢リリアナ・ヴァレンティーナだった。



「嘘でしょ…」



腰が抜けその場にへたり込む。



リリアナはどのルートに行っても必ず破滅する。

国外追放、男に刺され死亡、男に騙され破滅etc.



つまり、ろくな死に方をしないのだ。






有り得ない。




信じたくない。





ふらふらとベッドに戻り腰を掛けて途方に暮れていると、バタバタと足音が聞こえてきた。




「リリアナ!!!」



リリアナの両親と白衣を着た男性が部屋に入ってきた。




この現状を受け入れられずただただぼーっと診察を受ける。





「特に問題は無いでしょう。念の為に2~3日安静にして問題が無ければ今まで通りの生活に戻って大丈夫です。」




そう告げると医師は部屋を出ていった。




どうやらリリアナは足を滑らせて頭を打ち気を失っていたようだった。




「リリィの綺麗なお顔に傷が付かなくて本当に良かった。」





リリアナの母は私の頬に優しく手を添えて目元に涙を浮かべていた。






その手はとても温かかった。





父はゆっくり休みなさいと声を掛けてくれて、



それからまだゆっくり休んだ方がいいと言い皆が部屋を出て行ったため




また部屋に1人きりになった。





これから私はどうすればいいんだろう。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ