表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/13

第一章 蘇る怒りのスライム(前半)

深夜の森に、一つの銀色の影が音もなく滑るように進んでいた。


「……この森、ダークウルフが多いって噂だったけど……いないな。まあ、今の俺にはちょうどいい」


転生直後より比べて、悠人の姿は少し変わっていた。幾度も殺され、蘇る中で、彼の肉体は少しずつ「進化」していたのだ。


【スキル獲得:精神耐性 Lv5】

【スキル獲得:痛覚抑制】

【称号:蘇りし者】


さらに、悠人には他のスライムにはない特異な能力が備わっていた。


「スキルコピー……この力があれば、奴らの力を奪える。あとは、力を蓄えて……一人ずつ“狩る”」


彼が最初に狙ったのは、“レオン”という若き冒険者だった。


筋骨隆々で、剣術にも優れた男だったが、悠人を「経験値袋」と呼び、笑いながら斬り殺していた記憶は鮮明だ。


レオンは今、町の傭兵団に所属し、酒場で豪遊していた。


「次の依頼? 楽勝だって。あのスライムで一気にLv20まで上がったからな!」


その夜、レオンの部屋には音もなく何かが忍び込んでいた。


銀色の滴が、天井から静かに垂れ――


「が、あ……!?」


悲鳴が響くことはなかった。メタルスライムに進化した悠人は、新たに得た【神経毒生成】スキルで、レオンの動きを一瞬で封じたのだ。


「久しぶりだな、レオン。俺を覚えてるか?」


床に倒れたレオンの耳に、確かに“声”が届いた。スライムのはずの存在が、言葉を話したのだ。


「お、前……は……!」


「ようやく思い出したか。俺は……お前に百回は殺された。だから、これから百回――お前を殺す」


復讐が始まった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ