パスワード探しの旅 1
図書館の位置は変わってないらしいだ。
相変わらずに正門近くのグラウンドのポールがすぐ見える校舎の1階だ。
全ての廊下の構造がぽっかり空いている学校の中
唯一図書館に行くためには一つのガラスドアがある。
それをすぎたら、三つの室内があるが、その一つ目が図書館だ。
ガラスドアすぐ雨にはおやつと飲料の自販機、自動返納機器が設置された。
「高校の時はいちいち手作業だったのに。」
私が覚えている世界も私も変わってしまったと思ったら悲しくなった。
荒木で作られたような図書返納の箱は未だに閉じられている。
箱から近い右のドアもいつも閉められていて、左のドアで出入していたが。
「これは変わってないな。」
中央パソコンがあるカウンター席を中心に左にはドア、右には閲覧席。
配置はそのままだが、少しずつ変わっている。
「どうやらコロナ19の影響で座席を分ける臨時の保護壁ができたせいかな。」
保護壁は私すらウィルスと感じるのかな。
過去に行く旅を止められた気分だった。
私は机に座って、中央パソコンをつけた。
パソコンにはパスワードがかかっていたが慌てない。
「確か、ジャンダルクを英語で入力すると」
「できた!」
私は図書委員としても活動していたため、パスワードを知っている。
パスワードは4年が過ぎても変わっていない。
変わっていないこともあると思ったら少し安心した。
ここまでは順調だった。
そしてホーム画面。
ホントに、
「1」というファイルがある。
クリックしてみたが、ファイルは開かない。
日記は消えたが、パスワードには少し心当たりがある。
しかし、実際パスワードを入力しようとしたら、様々な疑問にぶつかった。
パスワードは単語なのか、それとも文章なのか。
文章なら助詞一つでも間違えたら誤答になるのか。
そもそも、高校の時「作った一番大切なこと」
そんな主観的なことをどういう基準で決めたのか。
そう考えたら「世界で一番神秘的な小説のアイデア」も微妙だ。
そして決定的な疑問。
なぜ「Novel Novel」はなぜパスワード付きのファイルを直接送らずに、ややこしく図書室のパソコンに入れておいたのか。
全てはパスワードをといたら、はっきりするかも知らない。
そう考えたら私は高校時代に作ったことを思い出し、入力し始めた。