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第42話 いってきます!

「せっかく作ったのに磁力ミスリル装甲の活躍機会があまり無かったな〜肝いりの新要素だったのに〜」


 そう私は一人ごちる


『マリノ仕方無いよターチちゃんの攻撃を装甲で受けようものなら私達肉体が吹き飛ばされて細切れになってたんだし』


◯ドリー

 じっくり作った装備より突発的な発想を元に即席で作った物の方が出来や性能が良いとか製作する上では良くありますよ

 マリノ様の思い付きで作られたゴッドハンドが有ればこそあそこまでスムーズにターチを鎮圧する事が出来たのです。

◯ターチ

 ドリーの幻痛マジ痛かったよ!

 今迄生きてて呪われた時よりキツかったし!


 自然にファミリー内の【霊話】に混じってるターチちゃんはあの黄金太刀魚もとい緋緋色太刀龍だよ


 神力魔力スタミナが切れるまでボコして最後は日本の霞ヶ浦辺りに着水する様に調整したんだよね。

 だって全長10kmの巨大生物を収める良い感じに近くて広そうな所、地理に疎いから他に思い浮かばなかったし。


 極力周囲に迷惑かけない様に気を付けて着水しリリファちゃんの【神聖魔法:封】で動きを封印。

 ぶっちゃけ神力魔力スタミナ切れてるから必要無かったかもだけど一応やって貰った。


 そしてリリファちゃんと呪の解呪が出来ないか試行錯誤したよ。先ずは意思疎通しないとダメだと思い私はミスリル含ませて魔力伝導率高めた神肉芽を鼻っぽい穴から挿入して埋め込んだよ

 全身金属だから無理かなと思ったけど案外上手く行って意思疎通可能になった


〈痛い!痛い!痛い!もう暴れないから許して!呪でとても痒かったから身体掻いてただけなの!暴れないから許して!!〉


 これが地球そして人類の危機の真相!


 話を詳しく聞いてみると呪が猛烈な痒みを生み出し、痒みを軽減させる為に身体を周囲に擦り付けていたら気付けば様々な世界を滅ぼしていたらしい。

 性格は無垢な子供見たいだけどやって来た事はえげつない。でも呪でキツイのは本当見たいで今も痒みで頭が狂いそうなんだと。

 【幻術:痛】の痛みで多少痒みが薄れて来てるのかギリギリ思念が復活したらしい。


 この厄介極まりない呪の原因

 それは大昔にキュウビ様が滅ぼしたは良いが反撃を受けて呪で苦しめられていた元凶と同じ邪神にターチちゃんも負傷させられ呪われていた見たい。

 世間は狭い。本当に迷惑な事しかしてない邪神が居たもんだよ。

 キュウビ様は生だから呪の侵食が早く、ターチちゃんは肉体のほぼ全てが神金で出来てるから侵食が遅かった見たいだね。


 そこからも結構大変でした!

 体内に侵入して侵食箇所の切除したりと滅茶苦茶忙しい。

 キュウビ様見たいに【再誕】する程深刻じゃ無くて良かったよぉ。

 流石の私でも神様二人産むとか大変過ぎるしね!


 無事に呪の源を切除したら懐いてくれた見たいだよね。


〈マリノ本当ありがとっ!大好きー!あと黄金太刀魚ちゃんって呼び方嫌だから名前つけてよ〜〉


「分かった!ちゃんと名前付けて上げるね〜

 太刀魚っぽいからターチ!どうかな!?」


〈ありがと〜!ターチ!ターチ!ターチ!

 素敵なヒビキだ〜〉


 凄い喜んでくれた。何かこっちも嬉しくなるね!

 これが私がターチちゃんに名前を付けるまでの流れだよ。


◯キュウビ

 名付けとはキョウコな絆をウミだすのじゃ〜

 マリノーわかってて付けたのかの〜

◯ハク

 母様マリノは何も考えてませんよ


「え?なになに?名前付けるのダメだったの?」


◯ハク

 まあ構わないぞ

 今の儀式でマリノとターチは魂が繋がったのだ

 神としての格はターチが遥かに格上だがマリノは名前を付けた以上、正しくターチを導いてやる必要がある。子供でこの強さだ悪神になられては世界の秩序が乱れるからな。

 今回は様々な要因が絡み合って運良く鎮め治す事が出来たが本来ターチの力は殆どの神が対処不可能な位に強い。全盛期の母様でも封じる事は出来ても倒す事は不可能なレベルなんだ。


◯キュウビ

 ワラワもまだまだ子供じゃからなせいちょーの余地はあるぞ


「キュウビ様の他にターチちゃんが新たに私の子供になった様な物と考えればいいんですよね!?

 今までと変わりませんよ〜」


◯キュウビ

 そうじゃそうじゃワラワと同じ様に接すれば自ずと善神のまま育つじゃろて 


「じゃあ是迄と同じ様にいっぱい神力や魔力集める必要ありますね!

 異世界で悪い奴ら倒して行けば良いだけですよ〜」


〈私も斬りたい〜マリノ私を振って振って〜!

 あとマリノ達みたいに着飾りたいよ〜〉


「ターチちゃんは甘えん坊だな〜でへへ私が腕に縒りをかけて綺麗にしてあげよ〜」


『マリノそんな安請け合いしていいの?ドリーに作って貰った方が良く無い?』


「ターチちゃんは私達からのプレゼントが欲しい見たいだから私が作るべきだと思うんだよね。マリナも私から貰った初めてのプレゼントは今でも大事にしてくれてるでしょ?同じ様にターチちゃんに作ってあげようかなと。ドリーに習う所からだから旅立つのは暫く先になるだろうけどね〜」


『確かに!!マリノが納得行くまで練習していいよ。暫くはダンジョンブレイクも無いだろうしね。私達じゃ空間断裂治す手伝いは無理みたいだし』


◯チヒロ

 私は地球を治すの面白いから気にしないで下さい。

◯マリサ

 空間裂傷の箇所は全て把握してます。マリノとマリナはゆっくり身体を休めてて良いですよ。後旅立つ時は私も分神で付いて行く予定ですから!

◯リリーファ

 私は白様がいる所が私のいる場所ですから


『私もマリノと行きたい気持ちはあるけど地球の神様になっちゃったから地球が治って安定するまでは見守る予定だよ。マリノ【霊信】楽しみにしてるからね!』


そんな感じでターチちゃんの着飾るミスリル合金の装飾技術を高める為試行錯誤


一年目 ミスリル合金を練り上げる技術をひたすら突き詰めた


二年目 合金を好きな形に作れはするがターチの力を制御出来ず壊れる日々だった


三年目 スランプ 何も成果無し


四年目 ターチの神魔力を吸収還元する技術を開発し無事次のステージに辿り着く


五年目 ターチの神魔力結晶化に成功し合金に練り込む事に成功

そしてとうとうターチの服?が完成した!


 私はまだまだ時間の感覚が人間よりの様で結構時間費やしたつもりだったけどターチちゃんからは一瞬だった見たい。


 長く生きるならこの感覚を合わせるのが大事とキュウビ様と白姉さまは常に言ってくるね。


◯ドリー

 たった五年でここまでの高みに至るとは流石としか言えませんね!


 ドリーのお墨付きの力作だよ。

 準備万端!


「ターチちゃんお待たせしたね!さあ行こう!」


〈やった〜斬りまくるぞー!〉


◇ 




 さあ!旅立つ時が来たよ!


 ここは新宿ダンジョン最上階の庭園に植えた世界樹の挿し木前。


 ここから私扮するヘラクレスと白姉さまは【闇穴】で異世界に旅立つんだ!

 勿論ターチちゃんも背中に装備してるよ


 ヘラ様は喋れない設定なので配信を見てくれている全世界のリスナー達への別れ言葉は全部白姉さまにお任せしてる。


「アリー・ドリーそしてマリノ・マリナ貴方達には大変世話になった。光とも再開出来、新たな友人のターチに出会えた。ターチに関しては呪われていた事ではあったがこの世界に多大な迷惑を掛けてしまった事をターチに変わり私が謝罪する。

 アリー・ドリー・マリノ・マリナの尽力によって人への被害は抑えられた事は本当に素晴らしい結果と言えるだろう。私がこうして人類の皆と遺恨を残す事無く別れ旅立つ事が出来るのも貴方達のお蔭だ。本当に感謝する。

 そして人類皆、君達は私の友人だ。これが最後の別れでは無い。だからこそ敢えて言おう!」


 少しためて


「行ってくる!!!友人達よ、また会う日を楽しみにしているぞ!!!」


 そう人類に告げ私ことマリノ・白姉さま・リリファちゃん・そしてマリサとターチで旅立った。


 色々あったけど地球は楽しかったな〜!!

 次の世界も面白いといいね!


 いってきます!!

これでマリノ達の話は一旦終わりです。拙作にお付き合い頂きありがとう御座いました。

 まだ広げる余地は色々ありますが、思い付いた時に短い話を追加するかも知れません。

  


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