第34話 異世界探訪オーク編 前編
※異世界探訪オーク編は第23話より未来の話になります。
マリノ視点
◇
私は今異世界に来ています。
獣人の異世界エルフ異世界と来て今度はオークの異世界だ!!
知恵のある生物だからか意外と文化は似るようでオークの異世界も見た目はがっしりな豚獣人っぽいだけで建物なんかは意外と何処も変わらない気がするね。
ただオークはデカいので建物も何もかもスケールがデカい。
ご飯は若干味の繊細さが無い大雑把な料理が多いけどオークの畜産技術は確かな様で肉汁したたるビーフを使った料理がとても多かった。
肉料理は良いね〜心が豊かになるよ!
私はオーク界の王都にある中規模な宿屋をメインの諜報拠点として活動を行っていた。
姿はオークの皮をいい感じに弄った雄豚を装ってるよ!
「ブダインさん今日夜は私暇なんです。
宜しければ一緒にご飯食べませんか?」
そう私を誘って来るのはこの宿屋の看板娘豚さんのマリアさん
私の造形したこの豚皮はオーク視点でイケメンらしくこんなお誘いがしょっちゅう来るから困るね。
好意を持ってくれるのは嬉しいけど残念ながら私の好みの範疇にオークの女性は入らない。
「すまないねマリアさん。折角のお誘いだけど今回はかなり長く旅に出る予定なんだよ。
また王都に帰ってきたらここに泊まるからその時に皆で飯を食べよう」
勿論そんな予定は無い。
王都を出たら帰る気はないからね。
ちょっと心苦しくはあるけど私は私の用事を優先するスライムなんだ!
さらりとキザなポーズを取って颯爽と宿屋を後にする。
「ブダインさん私……私待ってるから!」
なんて事を帰り際に言うから振り返り、そしてマリアさんに近付いた。
「マリアさん貴方は綺麗な方だ。
私を待つなんて勿体ない事をしないで欲しい。
私に貴方は勿体ない存在だよ。
そして私は貴方に幸せになって欲しいんだ。
でもそこに私の存在は無い。
今度あった時は貴方の素敵な家族と出会える事を楽しみにしてるよ」
二度と来ない私を待ってくれるなんて可哀想過ぎるからね。
ちゃんとした豚生を生きて貰う為、私の罪悪感を減らす為に決別はちゃんとした。
後ろから啜り泣くマリアさんの声が聴こえたけど良い思い出だったと思って貰うしか無いね。
と言うか宿屋の飯処でご飯食べた時に話をしていた位なのに何処でそこまで入れ込まれたんだろう?
恋愛弱者の私には何も分からなかった。
まあ、そんなこんながあり目的地に到着
そう私は今本屋さんに来てます。
王都の様々な本屋を回り続けこの店が最後なの
◯キュウビ
マリアは良いれんあいができるとヨイのう
◯ドリー
異世界とは言え恋愛事情は変わりませんね
◯ハク
そんな事よりオーク世界の料理本を買えるだけ頼む
リリファに食べさせる新作料理の良いアイデアが出るかも知れぬからな
◯リリーファ
私はハク様の料理何でも好きですよ
◯マリサ
私はどのジャンルの本も好きですがその世界の創作物語を見たいですね〜
恋愛モノも好きですよ
◯チヒロ
衣服関連の本お願い致します。
出来れば色々な奴見たいですね。
◯マリナ
お金はいっぱい有るだろうけど魔道具高いからそこそこにしなよ。
路銀無くなったら冒険者ギルドで稼ぐからって余裕は必要だと思う
私はこの世界の貨幣はちゃんと持ってる。盗んでるわけじゃない。
敵地で悪い事したらオーク神様判定による悪判定で行動範囲が狭くなる可能性あるからね。
私にはエルフ世界でオークを蹂躙した時に手に入れたお金がある!
向こう世界はエルフ界での出来事だからセーフ判定な訳!
盗みや略奪と違わない??
ノンノン
エルフ世界で手に入れたオーク貨幣は正当な私への報酬なの!
オークはエルフ世界を長期に占領していたのでオークの世界の貨幣を流通させていたんだよね。
それが今裏目に出てるんだよ。
私はそのお金で王都の良い魔道具や技術関連を買い漁り、皆のお土産を買い漁り、そして今日からオーク世界を旅行するのだ!
皆のリクエストに合わせた書籍をうず高く積み上げ店主の居るカウンターへと置いた
「店主、一先ずこれらの書籍を買いたい。
魔導躰や魔道具や魔術関連の技術書等もあるだろうか?
最新の物と古文書等もあるなら買いたい。
古文書は本の状態が悪くても問題無いよ」
そうシブい声で伝える。
相手はおっさんオークだからイケ豚効果なんて無いけどね。
あいよっと奥にある古びた書物をこちらに見せてくる
どれがどれくらい価値あるかなんて分からないから取り敢えず【鑑識眼】で見る。
ランク表記って本当便利だよね〜
私に一切分からないモノの価値も測ってくれるって本当助かる。
店主が見せてくれた書籍でランクが高い奴を全部買ったよ。
今日も良い買い物が出来て私はホクホクだ。
◇
本屋巡りが終わり王都でやってたスパイ活動も一段落
オークの戦術的な奴はキュウビさまの神肉パワーで凄くなった【地獄耳】で全部聴こえてた。
【透視】【千里眼】×【鑑識眼】を使って視覚的な情報も全てが筒抜け。
それを【霊信】でリリーファに垂れ流し
もうコレだけで戦況は変わったよ。
スパイの仕事自体は潜入して早々にやる事無くなったレベルだった。
◯マリサ
全てを私が記憶していますのでアーカイブを見たい場合はリリファちゃん言って下さいね
◯リリーファ
凄すぎです……
マリノ様が敵じゃなくて本当に良かった
マリサ様その時はよろしくお願いしますね
って恐れ戦かれたよ。
そんな感じで暇を持て余した私は【魔導躰】の実験がてら色々肉体を弄っていて遂に気付きました。
むしろなんで今まで気付かなかったのか。
自分の間抜けさが悲しい……
【鑑識眼】は魂由来のスキル
そして【透視】【千里眼】はモンスター肉体由来のスキル!
そう!
この世の生物には魂のスキル
そして肉体のスキルがある
そして重複して組み合わせる事が出来る!
目玉に付けるスキルは一つだけとかそんな先入観でやってたけど魂由来の【鑑識眼】×肉体由来の【透視】この組み合わせで普通に両方の性能を持ったスキルが使えたの!!
発見した時は感動で震えたね!
肉体改造の新たなステージが開かれた瞬間だったんだよ!
ただ欠点が無い訳じゃない。
肉体由来のスキルは眷属化見たいに共有出来ない事
その肉体のみに適用されるって事だね。
後強いモンスターは数がいないからマリナや眷属の皆に良いスキルパーツを全員分組み込むのが難しいって点だよ。
機尋見たいに個体差が激しい場合御目当てのスキルは二度と手に入らない可能性もあるんだよね
そこをある程度補完するのが【魔導躰】の技術
そんな訳で私は王都を旅立ち良いスキル持ちのモンスター探しの旅に出る事にしたのです。
オークの世界はオーク殺しは犯罪係数が上がるけどモンスターは殺しても問題無い。
むしろ善行???
だから私はオークの世界でモンスターハンターになる事に決めたの!
冒険者登録して銭も稼いで一石二鳥の冒険の始まりだ!!
「と言う訳でモンスター狩りに行ってくるね〜」
◯マリナ
マリノの事理解してるからオーク世界で色々やる事は分かってはいたけど無理せず程々に気を付けてね
◯リリーファ
こちらはお任せ下さい!
◯ドリー
装備製作に使えそうなのがあれば宜しくお願いしますね
「マリナママの言う事はちゃんと聞きますから〜
リリファちゃんそっちはよろしくね。
ドリーお土産期待していいよ!」
さて観光と狩りに出発侵攻!




