第29.5話 異世界探訪エルフ編 閑話
マリノ視点
ある日の戦場にて
◇
「行くよリリファちゃん!!!」
〈はい!〉
私はオーク軍に[ヘラクレス]で突っ込んで行く
勿論【神聖魔法:盾:鏡】を使って敵の遠距離攻撃を弾きながらだよ
敵砲撃魔道具による集中砲火は何も意味は為さない
魔法の雨を光り輝きながら強引に潜り抜けるそれは正に神の雷の様だった。
音の壁を突破し白魔銀の鎧がギシギシ言ってるが衝撃波程度でこの鎧も繋いでる銀の筋肉も弾ける訳が無いの
音速のダメージは無視ながらこちらに向かって行軍しているオーク軍の司令付近に挨拶がてらダイナミック着地!!
【増幅】【神聖魔法:放射:矢】
響く爆裂音と同時に放たれる眩い光線の魔法。
爆風は周囲のオーク軍を吹き飛ばし光の矢が四方に拡散し肉塊へと変えていった
勿体ない勿体ない!
まずは【魂縛】で周囲のオークの魂が消えないように固定
上空に只の【神聖魔法:放射】をぶっ放した。
簡易太陽的な物だよ
着弾時のは攻撃目的の全方位ビーム
今回のこれは攻撃目的じゃない
上空に眩い光を作り出し影を作り出す目的の魔法なの
勿論目的はオークの肉体の回収。
白魔銀鎧のそこかしこに付けた蟲眼で周囲を視認し【闇魔法:闇穴】で死体をホイホイ入れていく
夜ならこんな手間かけなくて良いんだけど昼間はこうした方が確実なんだよね。
全ての死体は私の物だよ!
「【翻訳】ほらほら!オークさん達先程までの威勢はどうしたのかな〜?」
オークを煽ってみる
戦に誉れを持つ系の気性っぽいから簡単に釣れてくれて有り難いね
リリファちゃんが先程の衝撃でちょっと目を回してるけど私の肉銀糸の衝撃吸収能力は伊達じゃない!
銀肉糸で可愛いほっぺをパチパチして覚醒させる
「リリファちゃん大丈夫?イケる?」
〈だっ大丈夫です!〉
【宿主】でリリファちゃんの能力使えるけど、リリファちゃんはリリファちゃんで私と別にスキル発動出来るから本気出すなら二人で息を揃えた方が遥かに強い!
「それじゃ行くよ!【神聖魔法:剣】×4だ!!」
〈サポート致します!【光波】にて周囲の残存オークの数を把握しました!その数凡そ2000匹です!〉
〈【光転換:魔力】を発動します!マリノ様が対応出来なかった攻撃は私の方で【神聖魔法:盾】で対応します!安心して討伐なさって下さい!〉
5年も獣人界で引きこもってたから鈍った身体に喝を入れるつもりで最近は近接戦闘を多めで敵に挑む事を増やしてる
オーク軍の中に入り込めば下手な遠距離魔道具は使い辛いだろうしね
四本の光剣を放射状に構え
「推して参る!!!!」
使い方あってる?
分かんないけど格好良さそうな言葉を私は口に出した。
向こうに伝わらないけどね
◯マリナ
アニメでこう言うシーン見た気がする!
◯ドリー
鎧しか作ってませんでしたが最近は剣も作りたくなりますね!
ヘラクレスは魔法の光剣メインだから使う機会無さそうですけど
◯ハク
もう少しリリファに優しく動かさんか
◯キュウビ
マリノーかっこうええのじゃ
◯チヒロ
こう言うのも悪くないですね
◯マリサ
格好良い姿を全て記憶中です。アーカイブを観たい方は何時でも言って下さい
私は【瞬歩】で一瞬にしてオークに肉迫
左右の光剣で両断
肩より生えた一対の腕で【武技:飛舞刃:幻刃】を同時に使い周囲に刃の嵐を作り出す
オークは幻の刃に翻弄され光剣で膾斬りにされ飛び交う武技の刃に身を削られていった。
そんな中響き渡る怒声
「ブゴォォォォ!!!!!!」
おっと一際威勢の良いオークがいるね!
見た所他のオークより1.5倍位デカい
重そうな大剣を軽々と振り回して強さアピールしてるよ
◯マリナ
油断しない様に
◯ハク
リリファを怪我させるなよ
ちゃんと分かってますって!
【鑑識眼】で観察
ステータス
ブゴウン
種族ノーブルオーク
【剛力】【頑強】【大剣術】【身軽】【冷静】【自己再生】【先読】【毒耐性】【麻痺耐性】【魔導躰:武技:裂刃】【魔導躰:豪火】【魔導躰:雷躰】【魔導躰:地沼】
ほうほう
流石に見た目通りの強さだね〜
【魔導躰】を【鑑識眼】で更に注視
【魔導躰】
ノーブルオークが開発した魔導技術
肉体に魔石を組み込み魔導銀糸と魔石刺青にて擬似的にスキルを再現する事が可能
研究により多種のスキル再現が可能もなっている。施術の際に死を覚悟する程の激痛を伴う
本来肉体に発生するスキルより威力・精度は劣る
魔導躰って地位や身体の強さで施術回数が変わるんだけどこいつは中々偉くて強いやつ見たい
オークはこの【魔導躰】の施術回数を誇る文化があるんだよね
四つも付けてるの初めて見たしこれは傷付けずに殺したい
「リリファあれはレアな奴だよ!可能な限り無傷で殺すから!!」
〈マリノ様正気ですか!??〉
しかし失敗したかな
強い奴にこんな良い魔導躰持ちいるなら司令をいきおいで殺したの勿体なかったかも知れない。
偉い奴って大体周りを強そうな奴で固めて威張り散らかしてるイメージあるし
後悔後に立たずって奴だね。
次の戦場は着弾点を変えることに決めた。
〈マリノ様オークが来てます!!!〉
今は目の前のオークに集中。
でも周りの雑魚に邪魔されると嫌なのでもう一度魔法を放つ
【増幅】【神聖魔法:放射:矢】×16
広範囲に光の爆弾をバラ撒く
強そうなオークには【神聖魔法:護】で保護
生物に聞き取れるか不明な高周波の音を出しながら魔法が発動した
周囲が閃光に染まる
私達の[ヘラクレス]にも勿論光の矢は向かってくるよ
無差別攻撃だしね
でも私達大丈夫!リリファちゃんの【光転換:魔力】で吸収無効化出来るからね!
周辺は阿鼻叫喚の地獄絵図
死にかけオークが量産出来たよ
目の前のオークは怒り狂ってるけど何か変わるわけじゃない。
周囲のオークより死ぬのが遅くなってるだけなんだしね
「さて仕上げをしますか〜」
〈救済者様やりましょう!エルフの世界の為に!〉
とは言ってもやる事はそんなに無いよ
【神聖魔法:封】で身体の動きを止め
[ヘラクレス]肉銀糸を伸ばしてオークの身体に注射針の様に挿し込む
そして【吸血】&【保存】でフィニッシュ
後は事後処理だね〜【神聖魔法:放射:矢】で全部のオークは戦闘不能になってるから後はひたすら地味な作業
「戦うのは好きなんだけど事後処理って本当に大変だよ〜」
〈マリノ様後少しの辛抱ですよ。ハク様が美味しい料理を作って下さってます!!〉
「白姉さまの料理技術最近凄いからねぇ〜
調味料は地球から送ってもらうし味付けは完璧!戦闘後は栄養溢れるご飯にお風呂!後少しで終わりだしご飯の事思うとヤル気出てきたよ〜」
◯ハク
今日はホワイトシチューと草原猪圧力煮とマジック野菜サラダだ。
地球から取り寄せた焼きたてパンも豊富にあるぞ
リリファのお風呂は私に任せマリノは飯を先に食え
◯ドリー
白様のお母さんっぷりに磨きがかかってますね
◯キュウビ
ぼせーなのじゃ
「白姉さま優しい〜
それじゃ人に戻って御馳走食べようっと」
今日も良い感じに暴れられた!
明日もまた良い感じの戦場あれば良いな〜
―備考―
この話は31話を書いた後に戦闘回が書きたくなって挿入した形になります。
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