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第14話 イレギュラー個体

「あらあら、これは可愛いお客様ですこと

憤怒のあまり真っ赤になってる様ですね」


喋りながら【鑑識眼】で分析している


ステータス 

種族:レッドゴブリン天 イレギュラー個体

スキル【爆炎】【高熱耐性】【光無効】【加速】継承

   【武器強化】

ドロップアイテム:真球の魔数珠【所持スキルからランダム】の効果を持つアーティファクト


「へぇ」

『これは私達と同じ存在ですかね』

『継承がありますし』


こんな数を継承出来るのズルい


転生者ってイレギュラー個体になるんだね

全部のイレギュラー個体は転生者なのかな


「イレギュラー個体なのに弱そうで良かった。これ倒していいのリスナーさん?」


◯ヒビキ  

 はよ逃げ帰還テレポーター近いから早く

 セーフティゾーンまでは入れへんから

◯イッセー 

 ここのイレギュラー個体はこの前馬鹿が討伐しちゃったんだよな。前のはここまで凶暴じゃ無かったはず

◯ラスト  

 保護対象にならないタイプのイレギュラー個体に見えますから倒して良いかと


「倒して良いらしいよ

赤いだけのゴブリンさん

何か言う事ある?」


◯ヒビキ  

 アリーちゃん何で煽ってるの?

◯マルトロ 

 なにこれ今来た産業

◯イッセー 

 こんな糞はえーゴブリン初めて見た

◯ヒビキ  

 なんか冷静に見てみるとちゃんと捌けてるし問題無さそうやな でも油断大敵やで


「皆様ありがとうございます。

何分(なにぶん)初ダンジョンなので生かすべきか分からなかったので判断に困りまして

皆様を信じて倒す事にします」


次はもっとマシな存在に生まれますように


心の中でそう思った


絶対私達ピンクスライムやレッドスライムより生き残りやすいスキル構成だろコイツ


恵まれてて速攻死ぬなんてバカ


最初の一撃で倒せなかった時点でこのゴブリンは逃げるべきだったね


私達なら逃げてた


見逃す位はしてやっても良いつもりでゆったりと戦闘してたのに最後まで逃げなかったお前が悪い


『【闇魔法:虚影】』


虚影は偽りを見せる


太刀筋をほんの少し狂わせて見せるだけ


やる事はただそれだけ


幻術なんて大それた技じゃないよ。そう言うのは好みじゃない


ただの錯覚?錯視?


間合いをちょっと狂わせる程度の丁度良い技


既に血吸の鉄剣の刃はレッドゴブリンを突き刺していた


『【吸血】』


……


……


……


『すっごぃぃ!こんな美味しい血存在するのね!』


なんか内のマリナが滅茶苦茶興奮してる


そりゃ魔力味覚も共有だから美味しさも共有出来てるけどさ


身内が興奮しすぎるとなんか引いちゃうアレが出たよ


「皆様心配おかけしました。

無事イレギュラー個体討伐完了です!

それでこの死骸はどうすれば良いですか?」


◯ヒビキ  

 本当にあっさりと倒したな有望すぎるで

◯マルトロ 

 なんて美しい 結婚して下さい

◯イッセー 

 ナンパ禁止だぞ

◯ラスト  

 死骸は自由だよ。だいたい素材と魔石にバラして終わり


「じゃあ折角初イレギュラー個体なので持ち帰って飾ります」


◯サシミン 

 変わった趣味の子だね

◯ヒビキ  

 小さいから持ち帰りは楽だろうけど所詮はゴブリンやで?


「いいんです!記念品なんですから」


「それではそろそろ配信を終了しますね

乙アリー」


こうして私達の浜崎アリー初配信は多少邪魔が入ったが無事に終わった



「マリナスキル増えてたでしょ?何が増えたの」

『流石姉さん、何も言わなくてもやって欲しい事をしてくれて嬉しい』


「かなり血を抜いて【保存】したけどまだ蘇生可能かな?」

「まあ暴れたら殺すだけだし」


そう本来悪性イレギュラー個体は生きてダンジョンを出れないダンジョンブレイクが起きない限り


いやぶっ刺した時は本当に殺すつもりだったし【吸血】した時も殺すつもりだった


なんか思いついちゃったんだよね


身体がその時動いて【保存】してた


気になったら検証したくなっちゃう(たち)なの


『新しいスキルは二種類【血魔法:血判】【真血魔法:眷属】だよ』

『詳細は………………………………』


……


……


「なるほど凄いスキルだ。今回試しに眷属やってみる?」

『他にもっと使えて優秀そうなモンスターいそうなのにこれで良いの?頭悪そうだよ?』


「大きい奴は持ち帰り辛いじゃん。私達お金はあるけどマジックバッグ使うのは段階を踏んでいかないと」

『お父さんの遺品扱いで良くない?』

「ん……確かにそうとも言える」

「でもマジックバッグに入るサイズは限りがあるよ。ましてやイレギュラー個体なんて想定外の大きさかも知れない」

「あとやりたい事があるんだよね」


『やりたい事ってどんな事なの?』


ニヤニヤな雰囲気を出して私は言った


「直ぐに分かるよ」


◇ 


◇ 




常に靄がかかってた思考が今はなぜかクリアだ


私は死んだはず


それは間違い無い


死んだ


でも身体は起きたがってる


そんな微睡みの中で不意に声が聞こえた


『「おはよう

聴こえるかい?

喋れる?

そもそも生きてる?」』


なんだこれ


私生きてる?


「あ゙あ゙ぁい゙いぃギギギででるうぅ……え゙ぇお゙お゙お゙お゙お゙!?」


声が思う様にだせる?


ガラガラしてるけど


なんか身体がちょっと痛い


『「全身弄ったからね元レッドゴブリンに見えない今は短髪の少女だと思うよ」』


『「改めておはよう私は宝生マリノ・マリナ

今は浜崎アリーと名乗ってる」』


「????」


意味が分からない


でもなんか落ち着く


ちょっと前まで身体が言う事聞かなかったのに


解放されたのか清々しい


「わ゙だじば、ぞぐ長エ゙ル゙ダードワーブの゙孫ドリーでず」


『「これは予想外の回答……

転生対象はここの世界以外もアリなのね」』


『「人間が想像できることは、人間が必ず実現できるって奴?いや違うか実現するまでもなく存在していたんだし、まあ兎も角」』


『「ドリーあなたは私達の眷属となりました。これから共に生きて行きましょ!」』


とても安心する


その優しい手を私は手に取った


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