第12.5話 閑話 悪い事はしない方が良いよ
※今回は残虐でキツイ表現がかなりありますのでご注意下さい
シリアスな話はこの回で終わります。
◇
〈はよー金もってこねーから……こんな痛い思いをするの分かっとるんかぁ???〉
〈おい!〉
〈おいぃ!!〉
〈黙って良いって言ってねーぞおい!〉
〈…………ごめんなさい…………ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめん……な……さい……〉
〈うるせぇうるせえぇ〉
〈うるせーよ!!〉
〈てめぇは謝るしか出来ねえのか??〉
〈てめぇは俺に金持ってくるだけでいいんだよ!!!それで………いつ………………………………………〉
……
……
◇
私達の目の前には酷い暴行を受け事切れている女性の遺体があった。
暴行してたクズは殺した事に気付いて逃げたよ。
マリナが覚えた【追跡】スキルでもうマーキングしている
何時でも奴は処分可能だ
……
……
随分と酷い事されたんだね
私達は遺体の前で合掌する……
まあ私達はあなたの身体を利用する為に来たからあのクズと大差ない気もするけど仇はとってあげるよ
しかし今時こんなDVクズいるのかね
『姉さんに教えて無かっただけで【地獄耳】全開の時こんなの良く聞こえてたよ?』
「そうだったの……気付けなくてごめんね」
『謝らないで。聞き慣れすぎて気にしない事にしたから』
『私は姉さんが傍にいてくれるだけで大丈夫だよ』
私は女性を優しく包み込む様に肉の膜で包みこんだ。
私達の大切な“身体”だ。これ以上の損壊は許せない
私は肉体を解いて女性の内部へと侵入
脳を取り込んで【保存】これは最近手に入れたスキルだよ
お姉さんの記憶を探る。【保存】能力でお姉さんの人生、その全ての記憶をそのまま私の物とした。
あのクズは探索者なのか。
配信端末を置いて行ったのは助かるね
さて、ちょっとだけ身体を治して通報しようかな
あのクズと決別したと言う世間的な事実も必要だ。
「す……みません……カレシに暴行されて……」
「はい……はい…………場所は……」
その後は警察を招き入れて被害届けを出した。
クズをやるタイミングは今じゃないかな
怨恨の線で捜査線上に出やすくなるし
アリバイ工作も必要だ
勿論やるのはダンジョンの外
ダンジョン内だとメアリー回収されて蘇生されるしね
それで現代の借金奴隷落ちでもアリではあるが自分の手で殺りたい気持ちは強い
『姉さんあまり入れ込み過ぎないように、その人の人生は姉さんの人生じゃないんだから』
「分かってるよ……ただこの身体を私達は活用して色々して行くんだからお礼のつもり」
「死んでるんだからお礼も糞も無いけどね」
この女性の名前は
浜崎アリー
年齢23才
ボコボコに殴られ腫れていたから分かり辛いけど一重で切れ長の目の和美人って感じの女性だ
交友関係は狭く友人はいなかったらしい
父は探索者で既に亡くなっていた
母は父が死んで数年後を追い掛けたと言う
それで唯一話を聞いてくれたのはあのクズだった見たい
持っていたスキルは【忍耐】
我慢し過ぎだよ
死ぬまで我慢する事無かったのにね
宝生マリノ・マリナは浜崎アリーをもう一人の“私”として生きて行く予定
探索者として国内二十五箇所
いや新宿が増えたから二十六箇所あるダンジョンを色々探索していく
まずは探索者として協会に行って登録から始めるかな
クズが戻って来るとダメだし引っ越しからしないとね
その前にまず入院かな?
この手の問題を助けてくれる非営利活動法人に連絡取って貰ってお任せするしかないかな
◇
あれから二ヶ月経った
最初の一ヶ月は入院。
正直モンスターとバレないかハラハラした
まあ肉体の大部分はアリーさんそのままにしていたから大丈夫だったんだろう
退院したらアリーさんの肉は取り込んで私達と入れ替えたよ
アリーさんは真面目な人だったから色々な事務的手続きをぶっちして私達のやりたい事をやるのは微妙だと考えた。
仕事の退職とかやるべき処理が多くて結構大変だったよ。
入院中は今後のダンジョン生活でやるべき事や戦い方等色々調べたりして過ごしていた
これはこれで悪く無い休暇だったと思うね
探索者アリーは剣メインのスタイルで行こうと思ってる
アリーさんは高身長だから剣って感じがするんだよね
和装っぽい見た目の装備で攻めるのも良いかも知れない
クズの配信端末使いたくないけど探索者なりたてが新品を使ってるのも変な意味で目立つと言うしね
色々準備も終わったし転居もした。
探索者試験もサクッと終わった!
アリーさんはクズに探索者試験対策に付き合わされてたらしくその辺りの知識もあって余裕だった。
あのクズは
〈俺はビッグになる今は苦労かけるが必ずお前を幸せにしてやる〉
とか言うタイプのクズだった見たいだ
探索者ランクはF、実力が無さすぎて今も下から二番目の落ち零れ
まあそのクズも今日終わる予定だ
と言うかもう私が捕まえているし
案の定クズは警察から逃げた
所詮はF級の雑魚あっさり警察に捕まってたよ
でも私の手で殺りたいので勾留中に掻っ攫ってきた
既にそこそこ殴って楽しんではいるよ
今からが本番なんだからそんなに泣かないで欲しいね
◇
◇
◇
…………
…………
……
ぁ……ぅ゙…………
「久しぶりね。クロウ」
…………
「喋れるかしら?無理よね」
…………
「もう歯と顎を砕いてるんだし」
…………ぁ……
今度は思いっきり腕を踏み砕く
「あまりリアクションしないのね。それはそれでつまらないわ」
…………ぁぁ…………
肉糸を使い【再生】してやる
そして次は膝関節を踏み砕く
ぁ……
ぁぁ……ぁぁぁ………………
「そんな顔しないでクロウすぐ殺しはしないから。安心してよ」
肉糸を使い【再生】してやる
「恋人に会えたのに何も言う事はないの?」
今度は急所を踏み砕く
ぁ…………あ゙…………
ぁぁ……ぁあぁ…………
「大丈夫私達二人でゆっくり話しましょう」
…………ぁ……
肉糸を使い【再生】してやる
……………………
「私達は話し合う時間が足りなかっただけ」
…………………………
肉糸を使い【再生】してやる
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…………………………
………………
……
◇
『姉さんちょっとノリノリ過ぎない?』
「いや思ったよりクズ甚振るの楽しくて」
クズはまだ生きてる。気負う事なく色々やれる実験体として最適だと思うから生かすことにした
あのクズが「殺さないでくれ」と言ったから殺さないであげてる
私優しいね
『しかし、あのグチャグチャな状態で【保存】効くんだね』
『エグくて流石に私でも引くよ』