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第1話 転生したよ

 私達マリノ・マリナの双子姉妹は何をするにしても全て一緒だった。


 姉はマリノ妹はマリナ、横線増やしただけの適当な名付けしやがってと中学生の頃に親にキレた記憶がある。


 なんか懐かしい気持ちだ。クソみたいな思い出も今なら美しく感じ……


 いや、やっぱりクソはクソだね。


 一卵性の双子として私達は生まれ一緒に生きてきた。


 家は苦労しない位に裕福だったし、傍目から見ても見目麗しい美人姉妹と言って良いと思う。


 動画や配信活動もそこそこ順調(登録者数20万)だったし、スキル使った活動も順調で大儲けしてた。


 私達は希少なレアスキル持ちで怪我する事を危惧して主流のダンジョンアタック配信は出来なかったけどね。


 順調も順調、私達の人生は順風満帆だった。


 最後?全く覚えてないんだよね。


 曖昧だけど、でっかい地震があった様な気もするから


 たぶんそれで死んだんだと思う。


 死ぬのは嫌だったけどせめて私の半身と言えるマリナには生きて欲しかったな。


 でも正直一緒に死ねて嬉しくも思う。私達は一緒に生まれて一緒に死ぬ、最後の最後まで一緒だったんだよ


 目覚めた私達は驚き過ぎて暫く行動出来なかった。


 今のこの現状は何なのだろう。


「マリナちゃんこれどうなってるの?」


『私に言われても……こっちも聞きたいよ』


 私達は真っ暗闇にいた。


 目には何も映ってないけどお肌の感覚的?に周囲の形は何となく把握出来る見たい。


『「暗いね」』


『「でもマリナ(マリノ)がいるから心細くない」』


 状況はイマイチ分からない。


 分かるのは、生きて“は”いると言う事だけ。


「マリナの声が内から聞こえるんだけど何処にいるの?」


『マリノの声も内から聞こえるよ?』


 んー良く分からないな。


 転生?


 これは転生??


 web小説読んでたから、なーんとなく分かるけど多分転生だ。


 そうに違いない!そう考えた方が楽しそうだし。


『転生した時、マリノは神様とか天使様とか悪魔に会ったりした?』


「私は出会ってないよ?神様に会ってたらチート能力強請ねだってたよ」


 転生とかあるならチート能力色々貰えた方がお得だろうし私は是非ともテンプレ女神様に会いたかったよ。


『そうだよね〜』


「でも転生とか本当にあるんだね。今分かるのは周りに何もない位?」


 ダンジョン配信をよく見てたから何となく分かる。


 ここは多分ダンジョンだ。


 どこのダンジョンかは分からない。


 国内ダンジョンなら良いな。海外でもまあやる事は変わらないだろうけど


 異世界のダンジョンならお手上げだけど、それはそれで楽しそうではある。


 現状確認はこれ以上やりようもないし、手掛かりも無いならやる事は一つだよね。


「マリナ定番の奴やって見ようよ」


『アレね。分かった!ダンジョン内にいるんだからアレやるしか無いよね!』


 ダンジョンに入ってやる事と言ったらこれ。


 ベテランもルーキーもダンジョン探索者なら誰でもやってるアレだ。


『「ステータスオープン!!」』


 別に言葉に出さなくても見れるらしいけど、こう言うのはノリだ。


 マリナもノリノリで言い放ったよ。さすが我が妹。


 “ステータスオープン”これはダンジョン内でしか使えない魔法の言葉。外だと魔道具が必要なんだよね。


 ステータスって不思議な現象だ。眼が見えなくても、瞼をつぶっていてもステータスは分かるんだよ。


ステータス

宝生マリノ

種族:ピンク・スライム

スキル:【鑑識眼】継承 ノンアクティブ

    【捕食】【軟体】【同化】【分離】

宝生マリナ

種族: 吸血鬼[イコル] (同化率100%)

スキル:【地獄耳】継承 ノンアクティブ

    【吸血】【血液操作】

弱点属性:光


「マリナだけずるくない??」


『え?なんで?』


 ずるいずるいずるい!


「吸血鬼とかかなり格好良いじゃん、マリナ美女だから転生してイケメン吸血鬼になってるに違いないよ。いいなあ〜」


 取り敢えず雑にボケてみる


『私マリノと同じ女だし同じ顔でしょ!』


『確かに吸血鬼は字だけ見ると格好良いけど、なんか感覚的に吸血鬼感全く無いんだけどなぁ』


「でもでもスライムよりマシでしょ??」


『ピンクスライムいいじゃん!ピンクだよ?』


 確かにピンクは好き。でも私にピンクは似合わないんだよなあ


「ほんとか〜??」


『ホント、ホント。本気まじマジ』


 転生してもこの中身が薄いやり取り出来るの安心する。


 一人じゃなくて良かった!


「いや、なんか勢いで丸め込まれる所だったけど普通に種族格差気になるじゃん!」


『まあ、だよね〜』


 正直私も吸血鬼が良かったけど、格差があってもマリナは私を虐めたりなんかしない。理屈じゃなくて魂に刻まれた確信がある。


 それでも……


「……なんか私だけ損した感じがするよ〜」


『私と違ってマリノは弱点属性無いしスキルも二つ多いじゃん』


「たしかに?」


「それと生前?のスキルも残ってるんだね」


『これは一応転生特典って奴?なのかな?』


 人間時代に授かって大活躍していた私達の自慢のスキル、これを継承出来たのは大きい、姉妹両方レアスキルだし。


 私マリノのスキルは【鑑識眼】


 妹マリナのスキルは【地獄耳】


 【鑑識眼】はweb小説でお馴染みの鑑定能力


 ダンジョンから発掘されたアイテムの鑑定はダンジョンから発掘される消耗品の鑑定アイテムを使うか希少な鑑定スキル持ちに依頼して鑑定して貰うかだ。


 私はそんな感じで食いっぱぐれる事無い最高のスキルで生きていたよ。


 マリナは【地獄耳】を活用して盗聴してインサイダー取引しまくってた。


「でも今はノンアクティブなのか〜」


 ノンアクティブなら何れはアクティブに出来るはずだけどこの超便利スキルを早く使える様になれるかが私達の生存率にも繋がるだろう……


 そんな事を思ってると身体が妙にムズムズし始めた。


 あるのか不明な五感?に集中すると身体の中でマリナがうにょうにょ動いてる感じがする。


 身体が自分の意志とは別に動き体が伸びてる事が分かる


『私が動いてもマリノの身体動くのね』


「変な感覚だよ。くすぐったいよ〜」


 私も動いて見る


「どうだ!」


『変な感じ〜ふふふっくすぐったいってば!!』


 ほれほれほれ!


 こちょこちょこちょこちょ


 こう言うのはノリと雰囲気だよ!今多分手が無いし


「まあステータス見て分かったけど、私達モンスターになったんだね。」


『夢なら良かったんだけどなあ、実は悪夢の中だったりしないかな?本体はちゃんと生きてて』


「あの大地震は間違いなくあったと思うし夢じゃ無いと思う。取り敢えず検証して今出来る事を把握して行動しよう。」


『そうだね。まあ今一番気になる事はステータスで見れた同化100%の事だよね。』


「スキルの【同化】じゃなくて?」


『両方かな。色々検証して行こうよ』


 双子だった私達は転生して一人?一匹?になった。


 一生一緒だった私達は同化して更に深く深く繋がったわけ。


 二人で一人なら恐れるものあらず、後は歩み出すだけだよ!

台詞はマリノ「」マリナ『』で差別化しています。

世界観の設定としては現実の世界と似たような歴史・言葉・地名・物語(Web小説含む)を持ちながら古くからダンジョンがある世界になっています。

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