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なんとかなるから
「トワ、今なんて?」
視線がトワに集まる。トワは集団から少し外れたところにいた。
「我々は旅を続ける」
「...意味がわからない。話を聞いていなかったのか」
困惑の声が上がった。
「師匠」
イヴが前に出た。
「まだ終わってません」
「長居しすぎた」
「もう少しいてもいいはずです」
「あとは自分はいなくてもいい」
「...。...そうですか」
イヴはトワのそばに立った。
しばらく他の者とのやりとりがあったが、トワが気を変えることはなかった。
「じゃあさ、イヴ」
呼ばれてイヴは振り返った。
「エルに会ったら伝えてくれない?さっきの話」
「わかりました」
禁域を目指す。敵の願いを止められなければ、世界は変えられる。
「約束します」
「じゃあまたね」
「...あれでよかったのか」
「...さあ」
二人は既に見えなかった。
めでたしめでたし
ってわけ




