余猛
「久しぶり」
リアと呼ばれた誰かは一段と深くした笑みを向けて呼ぶ。
「ユーリ」
「...なんで...」
ユーリと呼ばれた、今までリアと名乗っていた者はそれだけ呟いた。
「どういうこと?」
「ウチがリア」
「...オレのほんとの名前はユーリ」
「...?」
「...なんで?」
「いろいろあってさ」
困惑するルカとレタにそう言ってユーリはラズに目を向ける。
「なんで教えてくれなかったの?」
「気づいていなかったのか?」
「...。...まあいいや。キミたちはなんでオレたちと協力しないの?」
ルカたちは黙って成り行きを見守った。ラズが目線をずらし、ユーリもリアを見る。
「そうは言ってもねー。あとはエル次第」
「「...」」
「で、次はウチらは次はネウラに行くから」
視界からリアとラズの姿が消え始める。
「それじゃ」
3人は止めようとはしなかった。
「...何やってんだかね」
体が動くようになって、スォーツカの町に戻りながら、ユーリは説明した。
「リアは双子の姉。すごい省略すれば、死んだと思ってた」
「「...」」
「町は大丈夫そうかな」
「壁はそんなに壊れてないし、怪我人も思ったほど多くないみたい」
「ここの人たち避難がはやいんだよ」
「地下は少し心配ではあるけど、アタシたちがいたところでそれは変わらないしね」
「行くのかネウラに」
「その前にマホたちと連絡とらなきゃねー。どうしよう」