瞑通
「どうする?」
「何が?」
リアの問いに視線が集まった。
「...わたしは戻って隊長と合流するつもりです」
ルカとレタは顔を見合わせる。
「...話を聞いた限り、ここしばらくのオズファの動きは敵の策略だったと考えることができる。本当にそうなら、これ以上悪化することもなさそうだし、今はニヒツを離れても問題ないと思う」
「アンタは?」
ルカの視線を受けたリアは顔を伏せる。
「...どうだろう。正直、行ったところでできることがないと思うんだ」
「...ああ」
「今は知りたいことが多い。オズファも気にはなるけど、今は国の人たちがしかるべき対処をしてくれると思うから、後でいいかな。...ただ、竜のところへ行ったとして、何かがわかるのかなと思ってさ」
「...俺たちは優先順位は違うが...言いたいことはわからないでもない」
「リアは知りたいんだね」
「いつもそう言ってるじゃん」
メオが小さく首を振る。
「あの仮面の連中なら、我々がどこに行っても接触はしてくると思いますが」
すると両目を伏せ眉根を寄せて首を捻る。
「リア」
ルカが再び名を呼ぶ。目線を上げる。
「怖い?」
「怖くないと言えば嘘になるけど、たいした問題じゃない。それは皆もそうでしょ」
「ならいいじゃん」
「?」
「少なくともここでじっとしてるよりはよくない?」
「...。...そうかもね」
少し考えてリアがため息をつく。
「...今の会話は成り立っていたんですか?傍から見ていてもわかりませんでした」
「オレも説明しろって言われたら無理かな。イヴ、キミたちは?」
「この国に残っている理由はないと思います」
「...価値観が...」
レタが小さく呟いたがルカが軽く首を傾げたほかは誰も反応しなかった。
「決まりですね。問題は、誰がどちらに向かうかでしょうか」
メオ、イヴ、トワの3人はスェトナ北西のピャチューシでシュロと会った。
「メオ、久しぶりだな」
「お久しぶりです。覚えておいでとは。こちらはイヴとトワ。旅人です」
「話は聞いている。向軍穹隊長シュロだ」
「よろしくお願いします」
「早速ですが、マホ隊長はどちらに」
「案内しよう」
マホは竜による被害の対処に当たっている。
「立場上は援助なのだが...まあ助かるな。おかげでこちらは捜索に専念できる」
「見失ったのですか?」
「詳しい話は後でしよう。それにしてもマホとは会う度に驚かされるな」
早足で歩きながらシュロが言った。それについていきながらメオは答える。
「ご迷惑をおかけしております」
「そうだとしても貴方が謝ることではないが。それに面倒ごとに巻き込むのはお互い様だろう。私が言いたかったのは、会う度に変わっているということだ。未だに努力をやめず、上を目指している」
「やめられないのほうが近い気がします。いったいどこを目指しているのか」
「それ本人には言わないんですか?」
「そうだな。それはそれで面倒なことになりそうだ」
ルカ、レタ、リアの3人はカッハゴ中央を目指す。
「なんでオレもカッハゴなの」
「いやなの?」
「ここすごい乾燥しててさ」
「着いてから言われても」
「言ったって」
「まあ来ちゃったものは仕方ないから」
こちらは被害が出る前に被害を最小限に留める方針を決めた。
「それより俺は連絡手段のほうが問題だと思う」
これを引っかからずに読める人間は




