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天地の変  作者: 匹々
次寇の章
24/55

表書

一度イチオ島によって船を直し、改めてアルター島に戻った。捜索はされたが、やはりどちらの竜も行方はわかなかった。

リアが不意に目を止める。

「トワ?後ででいいから盾見せてくれない?」

「...」

「...今は話しかけないであげてください」

そのやり取りから目を逸らしてルカがレタに尋ねる。

「問題っていうのは?」

「今年に入ったあたりから、やたらとオズファが干渉してくるようになったらしい」

基国オズファは大陸でも特に影響力の強い国だ。裕国ニヒツは歴史が浅く国交においても消極的だ。

「それが?」

「それで、島に基軍の兵を置かせろと」

「はあ」

「...前にも似たようなことがあったな」

そう言ったのはマホだった。

「基軍の基地は国外にもいくつかありますね」

「ボーアのときは余裕がないでなんとかなったぞ。...だがそうか」

「ボーアは国が興って長い分、軍がしっかりしてますよね」

「ニヒツには国で軍と呼べるようなものがない」

「ボーアほどオズファから離れてるわけでもないし、そう無視はできないんだろうね」

「じゃあ認めれば?守ってもらえるわけでしょ?」

ルカが言うとレタが首を振る。

「...それぞれの島には自警団や邏師のようなものはあるし、ニヒツの環境は少し特殊だ。それに」

「善意だけではない。オズファの支配下に入ることになる。命令が断りづらくなる」

レタが小さく頷く。

「...それもある...どちらかというと、やり方が気になるんだ」

「と言うと?」

「レタ、いる?」

二人組が入って来た。一人はカク。

「あ、ヒョウ。久しぶり!」

「...ルカ。久しぶり。びっくりしちゃった」

「レタ、これ」

カクが手渡したのは封筒。

「...なんで俺に?」

議会が決めることのはずだと言っている。

「一応」

レタが封筒から紙を取り出して広げる。

「じゃあ戻るから」

カクは出て行った。

「...」

レタは黙ってそれをルカに手渡す。受け取って広げるとヒョウが後ろに回り込んだ。

目を通してルカが顔を上げるとレタと目が合った。

「...オズファから?」

「どう思った?」

「え?...なんだろう。急かされてる感じが」

答えると頭を触りながらため息をついた。

「...お前が言うならそうなのかな。...穏やかじゃない感じがする。しばらくこんな調子らしい」

「...ああ。...それは竜とかそこらの騒ぎで...よりも前からか」

「そう。焦る理由がわからないんだ」


ヒョウが帰った後でリアが訊いた。

「ルカはこっちの人たちと仲いいの?」

「そうだね」

「あっちこっち動き回る上に初対面でも距離ないからな。...ただでさえこっちは人が来ないから、みんな国の外はこういうのばっかだと思ってるかも」

「むっ。ヒョウはね、レタの弟だから。あそうだ、セツは?」

「さあ。忙しいんだよ」

「もう。...アタシはほら、一人っ子だから、ちょっと憧れちゃうな。兄弟仲がいいのっていいよね」

「「...」」

「...黙るところ?そこ」

「いいと思いますよ」

「でしょ!」

「こちらの人はあまり国の外に出ないんですか?」

「人によるが、まあほとんどそうだな」

「...えー...」

「...君たちは残るのか?」

マホが言う。視線を受けて最初にレタが答える。

「まあ俺はしばらくいたほうがいいかな。お前は?」

「私はそろそろ帰るよ」

「...まあそうだよな」

「忙しいもんね。アタシは残るよ」

「オレは...どうしようかな。とりあえず連絡だけしてこようかな、今」

そう言ってリアが立ち上がって部屋を出ていく。

「ぼくたちは残ります。いずれニヒツには来る予定だったので」

「...そうだったんだ」

リアがタダを持って帰って来た。

「ねえマホこれどうやって使うの?」

「...」

「だってろくに使ったことないんだもん」

「見せてみろ」

しばらく二人でやり取りする。

「...短い文章を送るだけならそう難しくないはずなんだが」

他の面々は黙っている。言うことがない。言えた口ではない。

「...ああ」

マホが思い出して言う。

「もうしばらくすれば、メオは来るかもしれない。しばらくオズファにいたから、なにかしら力になれるかもしれない」


しばらく画面を見ていたリアが口を開いた。

「残っていいってさ」

文章の中で上手く説明ができないから、そのためのページを作った方がいいな

歳の離れた兄弟は珍しい

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