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天地の変  作者: 匹々
次寇の章
19/55

地の匂い

一人で軍府に向かったマホはシャグと出会った。

「おかえり。随分降られたね」

「来ていたか。まさにバケツを逆さにしたような降りかただった」

マホがカッパを広げながら言う。裾が泥に塗れているのを見て顔をしかめる。

「...服も膨れてるじゃん。カッパ着ててそれなの?」

「まともに呼吸ができなかった。風が強かったのもあるが」

「...なにがあったの?」

「竜が出た」

マホが答えると、シャグが奇妙な顔をした。


部屋で待機していた6人に戻ってきたマホが伝える。

「今朝、タグルで竜が出たようだ」

軍には情報が入って来ていた。タグルは大陸の東側。そこで、突然竜が現れた。

「被害は?」

「対峙した現地の衛師に怪我人が多数」

「やっぱり歯が立たなかったんだ」

「そのようだな」

「今のところ死者は出ていないと聞いた」

大きく丸い形の四足の竜。悲竜トウヨイの特徴と一致した。しばらく衛師隊と交戦したのち、突然姿を消しその後は消息不明。

こちらで消えた妬竜も捜索はされたが、付近では見つからなかった。妬竜が消えた後、7人の周囲のごく狭い範囲にだけ大雨が降った。すぐに止んだが、そのせいで7人は状況の確認がその場でできなかった。

「ほぼ同時に複数の竜が出たことになりますね」

「ますますわからないね。何が起こっているんだろう」

「記録を見ると、今までこの程度の被害で済んでるのも変なんだけどね」

「ただ、あれが街へ来たら、本当に壊滅させられてもおかしくない」

「はやく何とかしたいところだが」


「レタの肩はまだ治らないのか?」

「...」

「今は平気なの?」

「全然だな」

「傷は塞がってると思うんですけど。少し痕が残っているくらいで」

「今までは別に動かしても問題なかったんだけどな」

「ところでルカ、シャグはわかるか?今日こちらに来たらしいが」

「...あー...」

「何度か同じ授業も受けたはずだが」

「えっとね、会えばわかると思うんだけど」

「逆に今思い出せるのは?」

「メオでしょ、ミヤでしょ、マホでしょ」

「...」

「...以上」


二日後、妬竜の目撃情報があった。

裕国ニヒツ。ボーアの北の森山地帯の先、大陸北西の国。

歩き続けたまま♪

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