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天地の変  作者: 匹々
元一の章
16/55

迂論

「まさかそちらで先に合流するとはな」

「...すみません」

マホが言うと、メオが謝る。軍の制服を着て眼鏡をかけている。

単独で北のオズファでの調査をしており、その帰りで会う予定だったマホとはすれ違って西にいたルカと鉢合わせになった。

「まあいい。荷物を置いてこい」

メオが部屋を出ていくとカラットと戯れていたルカがマホに言った。

「メオだけのせいじゃないと思うけど?」

ルカはメオと面識があった。

「マホも予定にない行動をとったでしょ?」

「まあな。連絡がうまくできていなかったというのもある」

「...いつもそんな調子なの」

横からリアが口を挟む。

「そうでもないが。そちらの進捗は?」

「...後で話すよ」

メオが部屋に戻ってきた。


まず樹暦7年に、この世界の外から別の存在が侵入した。今では悪魔と呼ばれている。悪魔はこの世界――しようとしたため、人間との間に戦争が起きた。敗れた悪魔はどこかに封印された。

「どうして悪魔が入ってきたの?」

「当時の科学者がこの世界と別の世界をつなごうとしたらしいです」

「戦争の直後にね。本当にろくでもないことするよね」

それ以来、ごくまれにだが異質な力を持って生まれてくる子供の記録がある。

「悪魔のこともわかっていないからな。これにもいろいろな話がある」

「悪魔の欠片が散らばっていてそれが混ざっちゃったから、とか、悪魔が気に入った子供に一方的に契約を結んだ、とか。まあこっちは封印されてるはずの悪魔がどうやんだって思うけど」

「本来あってはならないような力。それで悪魔の力と呼ぶ者もいる」

「他の生き物とも意志疎通ができたりね。ここまでは有名な話だよね」

「...俺は知らない」

「話したことなかったっけ?」

「まあ知ってても信じてないって人のほうが多いだろうからね」

「ああ、アタシたちは実例を知ってたってだけで」

ルカが言いながらメオを見る。

「これはエルから聞いたことだが、やつの仲間にはその力を持つものがいるらしいな」

「...知ってたなら先に教えてよね」

「悪かった」

「でもごくまれじゃないのか?そう何人もいるものなのか?」

レタが問うとルカとマホが顔を見合わせて肩をすくめる。

「それはオレたちにもわからない。少なくとも記録で見つかるのは100年一人かそれ以下くらいだけど。それで、そっちはなにがあったの?」

レタとイヴが遺跡での話をした。

「普通の魔物なら相手が目の前にいて放っておくようなことはしないんだけどな」

「ぼくたちは見たことありますけどね。バフスの前で」

「じゃあ竜もおかしかったと?最近目撃されている魔物のように」

「それはどうだろう。資料を見てもどれも竜を討伐したって話はないし、他の魔物ならありえないようなことも」

「そういわれてみると、フフトナで見たときもただ飛んでただけだったな。町の真上を。こっちのも?」

「ああ。直接見たわけではないが、人里のすぐ近くで目撃されたが誰も襲われることはなかった。しかし」

「ヒルデリア遺跡は襲われた。同じ個体だとしたら不自然だよね。そもそも前に見つかってから今までどこにいたのかもだけど」

「竜の名前って種名じゃなくて個体名っぽいんだよね。流石に同じ形のやつは複数体はいないと思うけど」

「遺跡にいたやつらは?」

「1人はラズ。エルの仲間だな。悪魔の力の持ち主だ」

「ほかの二人とは、仲がよさそうにはとても見えませんでしたね。面識はあったみたいですけど」

「エルはいいとしてラズたちの目的がそいつらを止めること。じゃあそいつらの目的は?」


「雪は?」

「こっちでも少しだけ降ったよ。でもどこも積もるほどはなかったみたい」

「畑は場所によっては対策が必要そうだが、それほど深刻な話は聞いていないな」

読者の想像力を信じる

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