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短歌・俳句・川柳を詠んでいく  作者: 窓際の箪笥
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8

噛み千切る 短い爪は 足と指 剥いだ皮らは 何処へいった


(かみちぎる みじかいつめは あしとゆび はいだかわらは いずこへいった)


本を買う 軽い財布に 絞められて 助けておくれと 叫ぶと同じに


(ほんをかう かるいさいふに しめられて たふけておくれと さけぶとおなじに)


軽口や 一つ叩くと 一つ敵


(かるくちや ひとつたたくと ひとつてき)


降りしきる 時雨はまるで 赤子かな そうと思えば 我も同じで


(ふりしきる しぐれはまるで あかごかな そうとおもえば われもおなじで)


夕立の 瓦穿つ音 逞しく その健気さは 私には無い


(ゆうだちの かわらうがつね たくましく そのけなげさは わたしにはない)


珈琲の 苦い薫りに 誘われて フラリと入る 純喫茶店


(こーひーの にがいかおりに さそわれて ふらりとはいる じゅんきっさてん)


猫舌に 染みる豚汁 夏の空 暑い日の中 お前は特異


(ねこじたに しみるとんじる なつのそら あついひのなか おまえはとくい)


新月夜 暗愚な私 迷い道 摩天楼さえ 闇に紛れて


(しんげつや あんぐなわたし まよいみち まてんろうさえ やみにまぎれて)


食卓の 消えた蠟燭 憂る遺影


(しょくたくの きえたろうそく うるいえい)


夜8時 過ぎた電車は 先々と


(よるはちじ すぎたでんしゃは さきさきと)


見ていれば 上の方へと 急ぐ人 何故そこまでに 身を削るのか


(みていれば うえのほうへと いそぐひと なぜそこまでに みをけずるのか)


浮く私 何をやっても 朧気で 足の踏み場は 何処にあるのか


(うくわたし なにをやっても おぼろげで あしのふみばは どこにあるのか)


白い紙 追う締切と 沈む艫と


(しろいかみ おうしめきりと しずむろと)


白い壁 触れれば手には 白い粉 それはどうにも ぽつんと一つ


(しろいかべ ふれればてには しろいこな それはどうにも ぽつんとひとつ)

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