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水筒の 水面に映る 我の顔 情もなしに 虚ろになりけり
(すいとうの みなもにうつる われのかお なさけもなしに うつろになりけり)
虚ろなる 我の瞳の 奥底に 留まり消えぬ あなたの光
(うつろなる われのひとみの おくそこに とどまりきえぬ あなたのひかり)
憎らしき 頬の面皰と 底の音 濁った音に 去りゆく他音
(にくらしき ほおのにきびと そこのおと にごったおとに さりゆくたおん)
無味の空 水を飲み干し 見上げては 涙の滲む 目元の隈よ
(むみのそら みずをのみほし みあげては なみだのにじむ めもとのくまよ)
光無き 瞳の奥に 映る彩 穢れた色など 混じる訳無く
(ひかりなき ひとみのおくに うつるあや けがれたいろなど まじるわけなく)
耳の奥 響く爆音 痛む耳 止めること無く ただ逃げるだけ
(みみのおく ひびくばくおん いたむみみ やめることなく ただにげるだけ)
シャーペンに 入る力と 空の音 私の心 折れた細い芯
(シャーペンに はいるちからと からのおと わたしのこころ おれたほそいしん)
現実に 流す涙も 枯れ果てて 水に溺れる 私は何か
(げんじつに ながすなみだも かれはてて みずにおぼれる わたしはなにか)