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僕が望んだ夢は  作者: 島柄長
1/1

初めまして、島柄長と申します。


この小説は初めて書いた物なので、指摘があれば是非コメントでお願いします。


タグのいくつかは、これから書いていく予定の内容のため、つけさせて頂きました。

僕は、変わらぬ退屈の日々に飽きていた。


変化を求めていた。


空から降ってくる美少女とか、特別な力とかいうものに憧れていた。


変わらぬ退屈な日々。このつまらない人生を本としたら、数ページにもならないだろう。


そんな日々なんて、早く終わればいいと思った。




いつもと変わらない学校。扉を開けると、自分の前の席で腕を組んでいる男がいた


「......阿田氏、今週の⚪︎術海鮮読んだ?」


「...ああ...読んだよ...」


「感情めちゃ薄くなってるじゃ無いですか...」


「赤ちゃんこそ...」


「阿田氏もですか…やはり六条先生の封印は応えますよねぇ」


「ああ...最強の先生で、あの人をどうにかできる漁師なんて同じ特級漁師の豚骨ぐらいでしょ...」


「まさか親友の夏野菜の体を乗っ取って利用して封印するとは...」


赤ちゃんと呼ばれる隣でオタク談義に花を咲かせる男は、赤夜という数少ないオタク友達だ。うちの学校はこういう文化を好む人間が少ないからなぁ。大切な友達の一人だ。おかっぱ頭にメガネのヒョロガリなのだが、性格は良い奴だ。


〜〜〜♩


「おや、予鈴がなってしまいましたか。うむ、惜しいですがしばしの別れですね。」


「いや赤ちゃん席俺の前でしょ」


「ふふ、まあそうですけどね?」


いつまでも駄弁っていると、ガラガラと扉が開かれる音がした


「あ゛ーい朝の朝会始めるぞー」


「朝の朝会......」


「おいそこぉ!聞こえてるからなー」


「せんせー酒でバカになったんじゃなーい?」


「うるせーよ」


やつれた担任の酒に焼けた声が教室を鎮めた


「起立!気をつけ!礼!」


「あー...今日は面倒くさいな...皆に知らせがありまーす。」


「今日転校してきた生徒がこのクラスに入ることになった。」


転校生!


「阿田氏聞きました!?転校生ですよ!?しかも阿田氏の後ろ窓際の一番後ろ空席!」


「うるさいうるさい...音圧がすごい...」


「いやいや!落ち着いてられmスカ!?」


「赤ちゃん本当に一旦落ち着きなよ」


赤夜は深呼吸を始めた


「スゥーー...」


深呼吸をする赤夜を横目に、担任は面倒臭そうに進行を始める


「入って良いぞー」


ガララッ


「お邪魔しまーすぅ...」


教室に入ってきた転校生は、恐る恐るといった様子で黒板の前に立っている


「ブフッ.......ごめんなさい。」


「阿田〜静かにしろ。いろいろ都合があっていきなりの転校になったらしい。伊吹だ。」


「皆んな〜仲良くしてやってくれよ〜」


教室の空気は冷えに冷え、声を上げようとする者はいなかった。その訳は、転校生の見た目にあった。


転校生は、ピアスにカラコン?などなんとなくいかつい見た目をしている


「席は〜...阿田の後ろでいいか。」


「っす...」


こちらに来る転校生の顔は、緊張でガチガチに固まっていた。正直めっちゃおもろい


「僕阿田。よろしくね」


「お、おう」


「あ、しまったプリント職員室に置いてきたか...めんどくさ...行ってくるか...」


「俺が戻るまで大人しく自習してろよ〜」


そう言葉を残して担任はプリントを取りに教室を後にした


「...ちょっと、阿田氏、何笑ってるんですか...!」


ヒソヒソと話しかける赤夜


「いや、めっちゃ他所行きな感じでしかもめっちゃ緊張してたじゃん?...だからついね?」


「あんな怖そうな人の顔見てよく笑ってられますね...!」


「いやいや...」


話している後ろで伊吹がカバンの中身を取り出しているのが視界に入った


「あっ」


「!.......なんだよ」


「それ、⚪︎術海鮮のウニ頭男だよね?」


「...知ってんの?」


よかった...思ってるよりもヤンキー寄りではなかったようだ。


「うん!なんならこいつもめっちゃオタクだよ。僕と同じでね」


できるだけ明るそうな人柄を演じて話しかける


「ふーん...なあ、推しとかいる?俺、父黒筋肉めっちゃ好きなんだよね」


「父黒ですか!伊吹氏も良い趣味をしておられますねぇ!」


それまで傍観に徹していた赤夜が急に水を得た魚のようにピチピチし始めた


「あ〜わかる。あのムキムキ感いいよね〜」


「...お前の好きなキャラは?」


「拙者ですか?」


「いや違う」 「アッ失礼」


「僕?......ん〜強いていうなら善人ナオヤかな。大切な家族を守るために自分の三歩後ろを歩かせる、っていう不器用な優しさが良いよね」


「あーわかる。仲間を大勢やられた時の『人の心とか、ないんか』って聞くシーンは泣いたわ。」


赤夜の犠牲のおかげでこっちに信用が揺らいだようだ。ありがとう。それしか言葉が見つからないよ。


この犠牲はいつか必ず...


「わかってる〜!ねね、伊吹くん家どこらへんなの?」


「俺の家は...H区。」


「僕もH区!僕Y番地に住んでるんだけど、今日一緒に帰ろうよ!赤夜もH区だから三人でさ?」


「それは良い提案ですね!拙者も同意です!」


「ん、いいな。...なあ、さっき笑ってたよな?なにが面白かったんだ?」


「エッ とね、その、あれだよーあれ!そう!伊吹くん最初めっちゃ緊張してたじゃん?」


「まあ、結構な」


「ガチガチに固まった動きしてたからさ、なんか面白くて...」


「ふーん...まあ、いいや。仲良くしようぜ。赤夜?も」


「ああ!なんたる光栄か!ありがたき幸せ...」


「ははっ、くるしゅうない...」


「伊吹くんノリ良いね」


話していると、あっという間に時間は過ぎた。担任は戻ってきたし、授業も終わった。


昼食はもちろん3人で食べた。赤夜は購買でパンを買っていたが、阿田と伊吹は弁当を持ってきていた。


昼食後の休み時間に、僕たち三人は集まって話していた。


オタクの会話を楽しんでいると、複数の女子がこちらに近づいてきた。


「ねーねー、伊吹くんってさ、なんで転校してきたのー?」


僕の嫌いな人間だ。大した信頼関係もない癖に平気で人の心を踏み、押し入ってくる。


「あ?んなもんなんでお前に話す必要があるんだよ」


「え〜?怖〜い。ねえなんでそんな奴らとつるんでるの〜?伊吹くんイケメンだから絶対モテるのに〜」


この執拗い女は采女うねめ本当に一応でしかないが幼なじみだ。あわよくばこんなのよりも清楚な幼なじみが欲しかった。


「うっせえなさっさとどっか行けよ」


「え〜ヒド〜い笑」


采女は去っていったが、伊吹の曇った表情は晴れないままだった。


今日の終わりを告げるチャイムは、空を茜色に染めた。





僕と赤夜は、伊吹くんとLINEリネの番号を教え合い、いつでも連絡を出来るようにしていた。


夕日を浴びながら帰路を歩く僕達は、阿田の放った話題について話していた。


「伊吹って、コンタクト入れてるよね?」


「…キッショ。なんで分かるんだよ。」


「うわでたメロンパン!てかモノマネ似すぎでしょw」


○術海鮮の話をする時は彼も笑って話してくれた。


「カラコンしてる理由はさ、結構真面目なんだよね」


「何それ?真面目って似合わないね」


「るっせぇわ。真面目でいい所なんてあんのかよ。で、カラコンしてる理由はこれなのよ」


伊吹は、カラコンを外して見せた


「なぬっ!?これは!まるでhunta-huntaのトロピカの緋の目では無いですか!」


「はーすごいね。目が真っ赤」


伊吹の瞳は、虹彩が、血の色のようなとても珍しい物だった。


「俺、アルビノなんだよ。」


「へー…珍しいね!あれ、でも伊吹髪黒いじゃん」


「そうですな。拙者らの目には綺麗な黒髪に見えるのですが。」


「これは目立たないための努力。髪染めてんの。」


「ふーん…大変だねー」


「随分軽く返事すんな…お前は…」


これは性格からだからなぁ


「いやいや、これでもちゃんと考えてるからね?」


歩いていると、ふと赤夜が止まった。


「むぅ、もうここまで来てしまいましたか…阿田氏、伊吹氏、拙者はここで別れとなります。」


「赤夜こっちの方なんだな」


「ええ、伊吹氏達はY番地ですが、拙者はY商店街の方に住んでいますので。」


「そっか、じゃあ、またな。」


「また明日、お会いしましょう!」


「またね〜」


手を振りながら見送ると、赤夜は足早に去っていった



僕たちの住むY番地には、公園がある。ブランコや滑り台位しかないが、子供の遊ぶ声が耐えない場所だ。


だが、夕方となると人も少なく、ほぼ居ないと言っていい程だった。


僕らは、2人でブランコに腰掛けると、少しの間沈黙を侍らせた。


その沈黙を破ったのは伊吹だった。


「あのさ。もし。俺が人間じゃないってなったら、どうする?」


「変な質問だなぁ………うーん…」


悩みに悩んだが、今の自分の状況ならこうするだろうという結論が出せた。


「もっと仲良くなるかな!」


伊吹は顔を顰めた


「……なんでか聞いてもいいか…?」


「…伊吹なら、言ってもいいかな」


「僕、最近の毎日に飽きちゃってたんだよね」


変わらない生活。


「なんて言うか、ずっと続いてる事が、これからもずっと変わらないって、なんかつまらないって思ったんだ」


夢を、見たかった。


「僕の日常を壊してくれそうだから、伊吹とはもっと仲良くなりたいな!」


オタクのみんなが夢見るような


「ははっ、なんだよそれ…」


空想的な、夢を。















「伊吹が、亡くなったそうだ。」


「……ぇ」

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