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第9話 少女は食いしん坊

 陽翔達は少女が乗ってきていた馬車に乗せてもらいギルドのある街へと戻ることにした。街につく頃にはすっかり夜になっていた。


「陽翔!起きて!ついたって!もう。おら!!」


 雫は最初は揺さぶって起こしていたがあまりにも陽翔が起きないのでついに頭をチョップした。


「痛った!叩くなよ!!」


「最初から起きないほうが悪いんでしょ!ほら行くよ」


 陽翔達は街につくと馬車を降りギルドに向かった。


「は、陽翔さんご無事ですか!!!」


「まぁ、なんとかなりました!」


「それはよかったです!エレーナさんもありがとうございました!!」


「エレーナさん・・・?」


 陽翔はぽかんとした顔でメリアに聞いた。


「そちらの方がエレーナさんです!実はあのあと陽翔さん達だけで行かせたことをギルドマスターに怒られまして、たまたまいらっしゃったエレーナさんに頼んだら快く了承してくださったんです!」


「えっ、この小さい少女を一人で行かせる方が怒られると思うんですけど・・・・」


「確かにでござる!陽翔より年上とはいえこのようなか弱い少女を行かせるのは・・・・」


「子供扱いをするなぁ!!!!!」


 エレーナは怒りで顔を赤くしながら陽翔をポコポコと殴った。


「エレーナってあのですか?」


「なんだベルト知ってるのか!」


「知ってるもなにも!有名な人だろ!!」


 ベルトは興奮したように言う。


「エレーナさんはあの勇者パーティーの最強の魔法使いエレーナだよ!まさかこんなところで・・・・」


「それは過去の話よ。これ以上は話が長くなるからまたいつかね。それよりご飯よご飯!!!お腹がすいたわ」


「あ!!すいません。報酬でしたね!報酬は銀硬貨28枚です!」


「銀硬貨28枚ってどれくらいの価値なんだ・・・」


 陽翔の疑問にエレーナがスラスラと答え始めた。


「そもそもこの世界の最高位硬貨は金剛石硬貨(ダイヤモンドコイン)で次が金硬貨(ゴールドコイン)で次が銀硬貨(シルバーコイン)でその次が銅硬貨(コッパーコイン)なのよ。金剛石硬貨(ダイヤモンドコイン)は滅多に製造されないからそもそも持つことはないだろうけど持ってたら一人が生涯食べ物に困ることはまずないわね。んで銀硬貨28枚はここに今いる7人が今日夜ご飯を食べれるくらいはあるわね。つまり行くのよ!今からご飯を食べに!!!!」


「話の展開おかしすぎだろ」


「いいと思いますよ!陽翔さん!初報酬でたくさん食べてきてください!!」


「お腹がすいたでござる!!!」


「陽翔、いいんじゃない?みんな頑張ったんだし」


「そうだな。よし行くか!!!」


「「「「「「おぉー!!!」」」」」」


 こうして陽翔達は初めて手に入れた報酬を片手に店を探し始めた。


「どんなのがいいかな」


「やっぱり結構動いたし肉だろ肉!!」


「あと酒よ!酒!!!」


 ベルトとエレーナがはしゃぐように言う。


「陽翔さん、何から何までほんとすいません。うちの兄はほんと馬鹿なんです」


「いえいえい別に何も迷惑してることなんてないですよ。それに同じ年齢くらいの男友達が出来て嬉しかったですし!」


「・・・陽翔さんって優しいですね」


「そんなことないですよ!」


 陽翔とラーニが会話していると・・・・


「ちょっと陽翔!!!何してるの!!ほらみんなあっちのお店に行っちゃったよ!」


「ごめんごめん。ラーニさんも先急ぎましょう」


 陽翔と雫とラーニはベルト達が向かった店へと小走りで追いかけた。



@@@



「肉をくれ!!!」


「あとお酒もよ!!!」


 どうやらベルトとエレーナは相当お腹が減っているようだ。



@@@



「お待たせしました。ごゆっくりお召し上がりください」


「おぉ!!なんてうまそうな肉なんだ!!」


「久しぶりのお酒だわ!!」


「みんなだいぶはしゃいでるわね」


「美味いでござる!!」


 みんな好きなように食事を始めた。


「陽翔さん、お酒入れましょうか?」


「ラーニさん!陽翔はお酒飲めないよ!!」


「ならこちらのお肉をどうぞ。ほらあーん」


「ラーニさん!陽翔は肉嫌いよ!」


「いや、好きなん・・・」


「嫌いよ!!」


 ラーニと雫はなにかわからないことで戦っているようだった。そんな会話を繰り広げている間にエレーナはなんと肉を既に5人前も食べていた。


「エレーナさん、さすがに食べ過ぎでは。お腹壊すよ」


「平気よ!私丈夫だから!」


「理由になってない・・・」


@@@


「エレーナさん、食事中にこんな事を聞くのはあれかもしれないんですが・・・・」


「何よ。言ってみなさい」


「さっきギルドで言ってた・・・」


「あ〜勇者パーティーから抜けたってやつね」


「どうして抜けっちゃったんですか。あなたみたいに強い人が!」


「いいわよ。教えてあげる。お酒もあることだし!私がなぜ勇者パーティーを抜けたのか」


 エレーナは持っていた酒を一気に飲み干すと過去について話し始めたのだった。




「貴方、私にあれをおごりなさいよ」


「いや自分で買えよ」


「ならあれをおごりなさいよ」


「だから自分で買えよ!」


「どうしてよ」


「わがまますぎだろ。子供か」


「なっ!!私は子供なんかじゃなーい!!」


「子供って単語に敏感すぎだろ」


「うるさい!うるさい!馬鹿!!!アホ!女ばっかみてニヤニヤしてる変態!!」


「なんが最後の方はひどくないか?」


@@@


「次回は【少女は勇者パーティー】よ!陽翔、お金頂戴!!」

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