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第53話 日常

「はぁ、やっとついた!サフルテアからここまで地味に遠いから疲れるんだよな」


 陽翔達はサフルテア王国からカメリア・ウェンバーグ王国に無事に帰ってくる事ができた。


「本当に皆さん色々とありがとうございました!これでサフルテア王国は安泰です!」


 リクシアは嬉しそうに言う。


「わぁあ!!」


 雫がいきなり大きな声を出した。


「!? なんだよいきなり。疲れでおかしくなったか」


「それもある〜。早く家につかないかなって。もう疲れたーーー」


「私も疲れたでござるーー!!!!」


「そうね。私も早くご飯が食べたいわ」


 みんな馬車の中で「ぐてー」としていた。


「そういえば空き部屋ってまだあったっけ」


「ん〜、陽翔の部屋の向いに一室空いてたかも!」


「ほんとか!ならエイトさんはそこの部屋で」


「部屋を貸してくれるんですか?」


「もちろんですよ!仲間なんですから」


「ありがとうございます!あ!陽翔さんタメ口でいいですよ」


「わかった!これからよろしくエイト!」


「あぁ!よろしくな!陽翔!」


 二人は笑顔で握手をした。


「あ!!見てみて!!家が見えてきたよ!」


「陽翔・・・あれがお前の家か」


「そうだな!」


「デカすぎだろ!!!!」


「だよなぁ。国王がくれたんだけど・・・」


「国王から・・・!お前どんだけすごいんだよ」


「陽翔は優しいでござるからいろんな福が飛んでくるんでござるよ!」


 そんな会話をしているうちに馬車は家の門の前に到着した。


「久しぶりの家だー!!!」


 すると家の扉の方からソフィアとラーニが走ってきていた。その後ろにはロイスとデリクが歩いてこちらに来ていた。


「旦那様ーー!!!よくご無事でーー!!!!」


「そんな走ったらいつもみたいに・・・」


「うげっ」


 ソフィアは地面に転がっていた石に足が当たり勢いよくコケてしまった。


「言わんこっちゃないわね」


「大丈夫?」


「あ、はい!!もちろん大丈夫です!!それより心配したんですから!!」


「そうです!旦那様達があんなことになってて!」


 ラーニも会話に入ってきてそう言った。


「あれ、もう知ってるんですか!」


「勿論ですよ。陽翔様」


「あ、ロイスさん!お久しぶりです」


「まず皆様がご無事で何よりです。先程の会話の件ですがこちらを」


 ロイスは手に持っていた新聞を広げて見せた。


「こちらはサフルテア新聞社のですがこのように」


「めっちゃ目立ってる!」


 新聞には大きく陽翔達の戦闘時の写真など掲載されていた。


「あとこちらには・・・」


 ロイスは新聞の裏側にして陽翔達に見せた。


「私が載っているでござる!!」


「すごいわねこれ」


 新聞には大きな文字で【この地に新たな勇者現る】と書かれその下には陽翔達の表彰時の写真が貼ってあった。


「こんな大々的に・・・すごいな」


「私達有名人じゃん!!!」


「アハハハ!そうだな。君たちは今や世界で一番有名人だ!アハハハ」


「そんなに笑わないでくださいよ! 国王様」


「その呼び方はやめてくれ。全員私をデリクと呼んでいいぞ」


「そう言って極刑にしませんよね?」


「アハハ!そんなことはせんぞ! どうせこれから長い付き合いになるからな。呼び方は軽い方がいいだろ」


「わかりました。デリクさん!」


「デリク!よろしくでござる!!」


「おい、エリウ、【さん】くらいつけろよ」


 エイトは慌ててエリウにそう言う。


「別に構わんぞ!それでも」


「なんかすいません」


 エイトが謝ったあとデリクは少し暗い顔をし始めた。


「君達にひとつ忠告することがある。恐らくだが世界には君達を代理とは言え勇者という肩書をつけていることをよく思わない連中がいるかもしれない。街中では気をつけるようにな」


「・・・はい?」


「てか君は確か!」


 国王はいきなりエイトに指を向けた。


「あ、俺は新しく仲間になったエリウの兄のエイトです」


「知っているぞ。よろしく頼むな! それじゃあ私はまだ仕事があるから王城に戻る! じゃあな」


 そう言ってデリクは王城に帰っていった。


「それでは私も失礼します! 皆さん本当に今回はありがとうございます!」


 リクシアも同様に王城に帰っていった。


「凄い元気な国王だな」


「この間まではあんなんじゃなかったけどな」


「そんなことより早くご飯を食べましょ。もう死にそうよ」


「そんなになのかよ!」


「お食事でしたら既に手配済みですよ」


「本当でござるか!!!」


「ロイスさん・・・優秀すぎる・・」


「ほら早く行こー」


 陽翔達は歩いて食場まで向かうことにした。


「陽翔。お腹がはちきれそうよ」


「ちょっとくらい待てよ!」


@@@


 各々椅子に座る。


「わぁ! 今日はお肉でござる!!!」


「ジュリア、お酒ってないのかしら?」


「もちろんありますよ」


「あ、俺もお願いします!!」


 料理長のジュリアはエレーナとエイトのコップにお酒を注いだ。


「ありがとう」


「どうぞお召し上がりください」


 そう言われみんなは早速ご飯を食べ始めた。


「いただきます。まずはこのお肉から・・・・。ん!! これ美味しすぎないか!!」


「ほんと〜?」


 陽翔が絶賛したお肉を雫も口に運んだ。


「ん〜〜!!! なにこれ美味しすぎない!!! エマも食べてみなよ!!」


「え、あ、はい!」


 エマもお肉を「はむっ」と食べた。


「ん! お、おいひいです!」


「だよねー! これ無限に食べれちゃうよね!!」


 その後エマと雫は次々とお肉を口に運んでいた。


「やっぱりお酒は最高だなー!」


「そうね。これ以上の飲み物は存在しないでしょうね」


「それよりエレーナ、全然ご飯食べていないでござるよ!」


「そ、それはまだ食べる気分じゃないからよ」


 すると陽翔がエレーナに近づき・・・・


「お前、野菜嫌いなだけじゃないか?」


 と言った。


「別にそんなことないわよ。ただ私の口が野菜の侵入を拒んでるだけよ」


「それを嫌いって言うんだよ。野菜が嫌いとかお前は子供か」


「子供じゃないし!!!!野菜嫌いだからって子供になるわけじゃないし!!!!」


「仕方ないな。俺が食っとくから」


「ふんっ。そんなに食べたいならあげるわよ。野菜を」


「なんだこいつ」


@@@


 それから三十分ほど食事を楽しんだあと陽翔とエリウとエイト以外は各自部屋に戻っていった。


「ちょっと兄さん!起きるでござるよ!!」


「大丈夫・・・」


「何がでござるか!!」

 

 エイトはお酒を飲みすぎて酔ってしまいほぼ寝ていた。


「俺が連れて行こうか?」


「そうしてくれると助かるでござる!」


 そう言い陽翔はエイトを担いで部屋まで連れて行った。


「ちょっとエリウ、ここの扉開けてくれないか」


「任せるでござる」


 エリウが部屋の扉を開けると陽翔は部屋の中に入りエイトをベッドに寝かせた。


「エイトって案外お酒に弱いんだな」


「あれはエレーナが強すぎるんでござるよ」


「確かに・・エイト以上に飲んでたのにいつも通りだったからな」


 陽翔とエリウは会話をしながらエイトの部屋の扉を閉めた。


「んじゃ、俺も寝るわ。また明日な」


 陽翔がそう言い自分の部屋の扉を開けようとした。その時エリウは陽翔の服を軽く引っ張った。


「どうしたんだ?」


「・・・ありがとうでござる」


「何がだ?」


「あの時陽翔が私を暗闇から救ってくれなかったら私は今頃こうしていることもできなかったでござる。こんないい仲間にも出会えて私は幸せ者でござるよ!!」


「俺も昔は暗闇にいたんだよ。でもそこに俺を助ける光がやってきた。それを真似しただけだよ」


「それでも・・それでも嬉しかったでござる!! 私も・・・・」


「なんだ? もう一回言ってくれ」


 エリウはらしくない小さな声で喋ったので陽翔は後半に何を言ったか聞き取ることができなかった。


「だから・・・私も愛してるでござる!!!」


「あ!?? 愛してる?!!」


「そ、そういうことじゃないでござる・・! みんなが!!!」


 エリウは顔を赤らめながら発言を訂正したあと自分の部屋に走っていった。


「びっくりした。みんなのことがか」


 陽翔も少し顔を赤くして部屋に入っていった。


「はぁー疲れたー」


 ジャンプしてベッドの上で横になった。


「懐かしいな・・・・」


 陽翔は目を瞑りながら昔のことを思い出し眠りについた。



「じ、次回は【第54話 お金稼ぎ】でござる! な、なんであんなこと言ってしまったんでござるか・・・。恥ずかしすぎるでござるよ!!!!!!」


 面白い・・・。面白そう・・!と思った方は良ければ評価などなど・・・ 連載のモチベーションがめちゃんこ上がります 四章も頑張っていきますのでよろしくお願いします!!

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