第5話 初迷宮へ 〜魔物って気持ち悪いでござるよ!〜
「陽翔!起きて!なんでいつも知らない間に寝てるの!!」
「なんだよ、そんなに慌てて」
「陽翔、周りを見るでござる!」
陽翔達は街で馬車に乗ってから全ては順調に進んでいた。しかしルレ―イ迷宮近辺のルレ―イの死林を通りかかった時に馬車の周りには多くのゴブリンがいたのだ。
「おいおい!まじかよ」
「お客さん、冒険者なんだろ?ど、どうにかしてくれよ!」
「そう言われましても・・・・」
「そうでござるね。あの魔物気持ち悪いでござるよ!」
エリウが言うように陽翔達の周りを囲っている魔物はなぜか頭がなかったりえぐれていたりなど魔物だからと言って生きているとは思えない姿だった。
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
「でも俺と雫は魔法がちょっとあれだしな」
「二人は魔法が苦手なんでござるか?」
「苦手というか全てを破壊しつくしてしまいそう」
「ちょっと!冒険者さんまずいっすよ!もうそこまで来てますって!!」
陽翔達がどうするか悩んでいる間にも大勢の魔物がゆっくりと馬車に近づいてきている。
「エリウ、剣で馬車の前の魔物達蹴散らしたり出来る?」
「任せるでござる!!」
そういうとエリウは馬車から降り魔物に向かって走り始めた。
「気持ちの悪い魔物達よ!!滅びるでござる!!【氷剣】!!!!」
エリウの剣はたちまち白い冷気が纏わりつきそれを魔物に一振りすると拡散するかのようにどんどん魔物が凍っていく。
「今です!前に走ってください!」
「お、おう!!」
「エリウ、馬車に乗ってくれ」
「了解でござる!!」
陽翔達はエリウの魔物を凍結させたことにより馬車を前に走らせることができ逃げ切ることに見事成功した。
それから少し馬車で進んでいくとそこには大きな穴があった。
「ここは?」
「ここがルレーイ迷宮です!」
ルレーイ迷宮は迷宮とは思えないほど静かでただの洞窟のようだった。
「不気味でござるよ!」
「陽翔、早く行こ」
「あぁ!」
陽翔達は謎多きルレーイ迷宮へと入っていくのだった。
◆◇◆◇
〚ルレ―イ迷宮〛
「カロル、大丈夫か?」
「うん、でももう魔力が・・・・」
彼らDランク冒険者は謎の男の襲撃により迷宮から出ることができなくなっていた。そして現在彼らはルレーイ迷宮第22階層まで帰ってきているがその道中でまたしても謎の男が現れ先に進むことができなくなってしまった。
「ラーニ、回復液まだ余ってる?」
「一本だけならあるよ」
ラーニはカロルに残りの一本を渡した。
「早く外に出ないとまずいな」
「そうね。でもこの調子じゃそう早く出れなさそう」
「でも進まないとどうにもならないからな。よし、そろそろ進むか」
そういうと3人は立ち上がり脱出を目指しまた進み始めた。
「そういえば30階層から一切魔物が出なくなったな」
「あの男がなにかしてるんじゃない」
「もともと来る時に倒したから魔物がわかなくなったんだよ。きっと」
彼らはその違和感に気づく事ができてもそれを確信することはできなかった。
◇◆◇◆
〚ルレ―イ迷宮内 陽翔一行〛
「ねぇ、陽翔見てよ。さっきの魔物に似たやつがたくさんいるよ!」
「雫は下がっててくれ。エリウ行けるか?」
「無論!蹴散らすでござるよ!」
「よし行くぞ!!」
魔物もこちらに気がつき襲いかかってくる。しかし陽翔はそんな魔物をいとも簡単に殴り飛ばしていく。
「なんか力強くなってる気がする!」
続けてエリウも魔物を一掃していく。
「邪魔でござる!! 【氷剣】!!!!」
エリウの技でほぼ全ての魔物が割れ崩れた。
「ふぅ〜。案外魔物って弱いかもな」
陽翔達は完全に魔物を一掃したと思われたが・・・・
「陽翔!!!!後ろ!!」
「ッ!??」
後ろを振り向くと大きな魔物が斧を振りかぶり攻撃しようとしていた。それまで余裕そうだった陽翔だが死を目の前に動けなくなっていた。雫も同様に動こうにも動けなかった。
「陽翔ーーー!!!!」
「ウォォォオ!」
するとその時魔物の攻撃は陽翔の目の前で止まった。
そして陽翔と雫の周りに白い眩しい光が現れ二人はどこかへ消えたのだった。
『おまけ』
「陽翔!魔物って気持ち悪いでござるよ!!」
「z z z z・・・・」
「って陽翔!!いつの間に寝てるでござるか!!!!」
「エリウ、陽翔はそう簡単に起きないよ。だからこうするの!!」
「痛っっった!!!!おい雫毎回言ってんだろ。起こすためだけに叩くなって!」
「私じゃないよ。エリウがやってたよ」
「エリウ、お前・・・・・」
「ち、違うでござるよ!!」
「エリウーーーー!!!!!」
「ぬわぁあ!!!!やめるでござるーーーー!!」
@@@@
「次回は【ルレ―イ迷宮 〜神様ってもしかして馬鹿?〜】でござる!!」