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第48話 魔神狂人

「あれもう気づいちゃった?つまんないなぁ。でもわかったところでの話だよね。だって一人しか戦えないんだからさ!!」


「たとえ直接戦えなくとも手助けをすることは出来る!!」


「それはどうかな!ほらあそこでもあっちでも人が襲われるよ!!!」


「!?」


 怪我をしている人達のところに魔物が何体も近づいていく。


「陽翔くん、他の全ての魔物は私に任せてくれ」


「す、全てですか!??」


「あぁ、そうだ」


「陽翔、こいつに任せとけ!レティシアはこれでも団長をやっているからな!」


「これでもとはなんですか」


「本当に大丈夫ですか・・・?」


「心配することはない。私は団長なんでな!」


「わかりました。気をつけてください」


 そしてレティシアはまず近くの人を襲おうとしている魔物を倒しに向かった。


「よし、俺らはこいつをやるか」


「そうでござるね!!」


 陽翔達はさらに気合を入れる。


「私達はどうすればいい?」


「今までと同様こっちに近づいてくる魔物を倒してくれ。でも気をつけろよ!!」


「それくらいわかってるわよ。あなたこそ気をつけなさいよ」


「あぁ。それとエマは危なかったらすぐ叫ぶんだ。いいな?」


「うん!」


「カイトさん、エリウ、行くぞ!!」


「あぁ!やってやるか!」


「共に倒すでござる!!」


@@@


 レティシアはとてつもなく早いスピードで移動をしていた。その道中に次々と魔物を殺していった。


「キャアアア!!!!」


 奥の方で女性の叫び声が聞こえてきた。


「今助けますよ」


「レティシア様!!!!」


 レティシアはそういい女性を襲おうとしていた魔物を剣一振りで首を落とし殺した。


「すぐにあっちに逃げてください」


「はい!!!」


 レティシアは女性を王城方面に逃げさせた。そしてレティシアは先回りするように王城までの道のりにいる魔物を次々に殺していく。


「多すぎて面倒です」


 するとレティシアはいきなりその場に止まり目を瞑り始めた。


「周囲にいる魔物は六十四体。いけますね」


 そういうとレティシアは剣を強く握り始めた。


「【雷剣・雷々雲撃(らいらいうんげき)】」


 そう言い剣を天高く掲げると上空に暗い大きな雲が現れ始める。その雲はたちまち国の上空を覆った。


「これでおしまいです」


 レティシアは強く握っていた剣を納刀する。


 その瞬間、国のいたるところに魔物めがけて無数の雷が落ちてきた。そして魔物は次々に倒れてゆく。


「あれ、まだ二体ほど少し強いのがエレーナさん達の方に・・・・」


 そしてレティシアはまた陽翔達の方に戻り始めた。


@@@


「!?」


「なんだ今の落雷は!!!!」


「とてつもない強力な魔力を感じたでござる!」


「これは多分レティシアだろーな」


「レティシアさんのですか!?」


「多分そうだな。あいつたまにやりすぎなんだよな」


「全く・・・恐ろしい人達だね!」


「何がだ!」


「まさかこの国中にばらまいといた魔物がほぼ全員が一瞬で倒されちゃったよ。傑作だったのになぁ」


「どういうことだ?」


「ハハハ!!!・・・ハハハハ!!!!」


「何がおかしいでござるか!」


「君達にはこいつらをプレゼントしてあげるよ!!」


 するとエリウ達の目の前に二体の大きな魔物が現れた。


「今までの魔物とは・・何か違うな」


「あれ?わかったぁ?そうだよそう!!!」


「陽翔!!早くその魔物を倒さないと!!!」


「わかった!!・・・エリウどうしたんだ」


「・・・・お母さん?お父さん?」


「!?」


「こいつらそうだったの?!だから力が強力なのか!!」


「どういうことだ・・・!」


「僕が連れてきてる魔物は全員元は人間なんだよ!!」


「は?・・・」


「これは狂人すぎるわね」


「でも完全に人間ってわけじゃないよ!正確には殺した人の血を使ってるんだよ。それでね!友情・愛とかそういうのが深い人の血ほど強力な魔物になるんだよ!凄いと思わないかい?」


「何がだよ・・!!!!」


「人の愛が己をここまで強くするんだからさ!!」


「お前・・・!!!!!」


「エリウあぶない!!!!」


 その時魔物の片方がエリウに攻撃をしてきていた。


「!?」


 間一髪でまたしても陽翔がエリウをかばったがそのままとばされてしまった。


「おい、エリウ!!お前は変わるんだろ!!」


「で・・でも自分の親を殺すなんてことは無理でござる」


「お前は本当にあれが親だと信じるのか!!!」


「私には見えたでござる・・・」


「エリウの親はあいつなんかじゃない。あそこにはいない!今はどこかでお前のことを見守っているんだよ!!」


「!?」


『エリウ、やりなさい。貴方は出来る子よ』


『そうだ。お前らは俺らの自慢の子供だからな』


(そうだ。そうだったでござる。私はもう立ち下がらないでござる。お母さんとお父さんが私に力を貸してくれているでござるから・・・・)


「・・・陽翔。少し動揺していただけでござるよ!!」


「大丈夫か!」


「無論!!私はしっかりけりをつけるでござる。兄さんの為にも」


「まだ立ち上がるのかい?二度も挫折をしてまで何を目指すんだよ!」


「本当の私を目指すためにでござるよ!!!!」



「次回は【第49話 兄妹】です。私にとって魔物はただの雑魚処理でしかありません」

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