第39話 森の中の被害者
「こっちに足跡があるぞ」
「ほんとね。行ってみましょう」
そう言って陽翔達は足跡が続く方に歩いていった。
そして少し歩くと・・・・
「ギャアアアア!!」
と大きな悲鳴が聞こえた。
「行こう!」
陽翔達は急いで声が聞こえた方に向かう。
「血がここにも点々とあるわね」
悲鳴が聞こえた方に近づくほど血の量が増していった。
「!!?」
いきなり陽翔がその場で止まった。
「どうしたのよ」
「見ろよ。あれ・・・・」
そこには魔人が女性の腹を切り裂き、殺していた。
「な、何なのよ・・・・」
エレーナが少し足を後ろに下げた時地面に落ちていた枝を踏んでしまい音がなってしまった。
「!?」
「ん?誰かいるの〜?隠れてないで出てきなよ!」
「陽翔・・・いい?合図を出したら全速で戻るのよ」
「あぁ」
その魔人は隠れている陽翔達を探していた。
「お〜い。いるんでしょ?」
その時魔人は陽翔達がいる方とは反対の方を向いた。
「今よ!!」
陽翔達は走り出す。しかし魔人もそれに気づく。
「みーけった。どこへ逃げるの?」
魔人が陽翔達の方に来ようとした瞬間にエレーナが魔法を放つ。
「【光陣・強】!!!!!」
「ま、眩しいよ」
魔人は光で先が見えなくなりその場に止まっていた。
その後もしばらく陽翔達は走り続けた。しかし魔人もまた歩いて陽翔達に近づいてきていた。
「もう少しで門よ!!もっと速く!」
「もうしんどいって」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
「!?」
エレーナは走ってる途中でコケてしまった。
「大丈夫か?!!ほら」
陽翔はそう言いエレーナに手を差し出した。そして二人は立ち上がり走り出そうとしたが・・・・
「陽翔!!!避けて!!!!」
「行かせないよ!!」
魔人は攻撃しようとしてきていた。
「まずい・・避けれ・・・」
魔人が放った黒い波動は陽翔に当たりその勢いで門の壁に激突した。
「陽翔!!!!」
「友達同士で助け合う仲か。心が苦しいよ。痛いよ。だから死ね」
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「勇者の調査か〜。何聞けば良いんだろうね〜」
「勇者の評判を聞くでござるか?」
「そ、それなら一代目と二代目を含めた勇者の・・・歴史とか聞いてみる・・とか?」
「エマー!それだぁ!」
「この班のリーダーはエマでござる〜!!」
「え、えぇ・・・そ、そんなぁ・・」
雫達はエマに提案されたことを国民に聞くために人が多そうな場所に向かう。
「ここ出店が多いから人が多いね!」
「そうでござるなぁ!早速あそこの人に聞いてみるでござるよ!」
雫たちは出店をしている男性に声をかけることにした。
「すいませーん」
「お!どうしたんだ!嬢ちゃん達」
「勇者の歴史について聞きたいんですけど・・・」
「勇者か?マコト様のことか?」
「はい!あとアレス?さんも」
「あぁ、あいつか。あの二代目の勇者はな酷いもんだよ。ウィルフリッドを一代目が倒してしばらくした頃大人しかった魔王軍がいきなり人類に攻撃し始めたんだよ。そこで急遽二代目としてアレスが選ばれたんだがなあいつら一向に魔王軍を倒そうとしないんだよ」
「アレスってやつは悪いやつなの?」
「実力は本物らしいがあまり良い噂は聞かないな」
「そうなんですね!ありがとうございます!」
「おう!!」
そして雫達はその場を離れた。
「二代目ってエレーナが言ってた通りクズみたいでござるな」
「そうみたいだね〜。ほかの人にも聞いてみよ!」
雫たちはその後色々な人に話を聞き回った
「そうね〜。噂だけど二代目は隠れ家に奴隷がいるって話を聞いたことがあるわよ。騎士団も調査はしてるみたいだけど見つからないらしいわ」
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「少し前勇者に依頼をしたんだが報酬が少ないって言われて突き返されたよ」
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「二代目は勇者ではない!国は何を考えているのだろうか!!世界は新しいまともな勇者を求めているんだ!!あんな自欲ばかりなやつが勇者なんて!!!!」
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「一代目は素晴らしいお方でしたよ。どんな人でも平等に救いの手を差し伸べて・・・・殺されてしまったのは残念でしたが」
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「一代目を殺したやつには子供が二人いて、今でもその子供はどっかで暮らしてるって聞いたことがあるぜ。批判過激派のやつらはその子供を見つけ出して殺そうとしてるとか・・・」
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「一代目は神に近づくほどの力を誇っていたとかいないとか・・・・」
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「結構いろんな情報が手に入ったね!」
「そうでござるな!まとめると一代目は最強・聖人で二代目はちょい強・クズでござる!!!」
「それはいえてる!」
雫達が話をまとめていると・・・・・
「!?何の音」
大きな音が聞こえてきた。
「あっちで音がしたでござるよ!!」
「あ、あっちは門の方・・です!」
「とりあえず門の方に向かってみよう!!!!!」
そう言い雫たちは遠い門に向かって走り出した。
「次回は【第40話 魔人】だよ!二代目ってほんと人として終わってる!!まだ陽翔の方が向いてるよ!!」