第4話 仲間になりたいでござる!
「陽翔起きて!!いつまで寝てるの!!」
雫は陽翔の顔をペチペチと叩いて起こした。
「痛いって、起こすだけなのに叩くなよ!」
「起こしてあげてるんだから!!それより早くギルドに行こうよ!初報酬だよ!お金!!」
「わかったから待ってあと5分」
「いいから早く行くよ!!」
雫はまだ寝たそうにしている陽翔の腕を掴み引っ張りながら宿を出た。
「良いから来いよ!仲間になれって!」
「いやでござる!!私は信用した者としか仲間にならないでござる!」
男3人が女の子の腕を引っ張り揉めている様子だった。
「なんか騒がしいよ、陽翔!ってなんで立ちながら寝ようとするの!」
「眠いんだからしかたないだろ」
「仲間になれって!」
「やめるでござる!!!」
その瞬間男は怒りに身を任せて剣を抜き女の子に向かって振りかぶり始めた。
「!?」
その時陽翔は近くに落ちていた石を剣を持っている男の頭めがけて投げつけた。すると石は見事男の頭にあたり倒れた。しかし周りにいたもう2人の男が陽翔に剣を向けて近づいてきた。
「眠いんだから睡眠の邪魔すんなよ!!!」
すると陽翔はいとも簡単に男二人を地面に叩きつけた。
「さすが中学終わりまで柔道やってだけあるね!」
「まぁな!高校は飽きてやめたけど」
「続けてたら今頃は大会1位常連くらいになってたんだろうね!」
そんな会話をしていると先程の女の子が近づいてきた。
「あの!助けてくれてありがとうでござる!!」
「怪我とかはない?」
「無論!ないでござる!」
「良かった。じゃあ俺達用があるからまたな!」
陽翔達がそういってその場を去ろうとした時、
「待つでござる!あなたを好きになっ、あ、間違えた。あなた達は信用できる人たちなので仲間にして欲しいでござる!」
と女の子は大きな声で言った。
「え〜・・・・」
陽翔がどうすればいいか困っている間も女の子は陽翔の目を必死で見つめていた。
「私は雫!よろしくね!」
「いいのか?」
「いいんじゃない?こんなに真剣に言ってくれてるんだから」
「わかった。いいよ。俺は陽翔だ、よろしく」
「わぁ!!ありがとうでござる!!私はエリウ・エスヴァールでござる!」
「エリウ、よろしくな!俺達これからギルドに行くけど来るか?」
「無論!!」
こうして陽翔と雫は新たな仲間であるエリウ・エスヴァールを引き連れてギルドへと向かった。
「陽翔さん、雫さんと・・・・?」
「さっき助けて仲間になったエリウさんです!」
「エリウさんでしたか!」
「あれメリアさん知り合いだったんですか?」
「陽翔さん知らないんですか?エリウさんは女性にして聖騎士副団長に匹敵すると噂されてる人ですよ!」
メリアがそういうがエリウは全く反応しなかった。
「あ、それより陽翔さん雫さんおめでとうございます。先日のFランクにして上級魔物を倒したことが評価されてEランクに昇進です!!」
「おぉ!!ほんとですか!」
「そこで折り入って頼みたいことがあるんですが・・・・」
メリアは少し顔を曇らせて言った。
「6日前にDランク冒険者パーティーがルレ―イ迷宮に行ったんですがそれっきしでお帰りになられてないんですよ。そこで陽翔さん達に調査して欲しいんですが・・・・もちろんこれはギルドからの緊急依頼として報酬は高くつけときます!だから・・・・」
「わかりました。いいですよ」
「ほんとですか!?ありがとうございます!!」
その後陽翔達はメリアから迷宮の詳しい説明を聞きDランク冒険者パーティーが向かったルレ―イ迷宮に向かうことにした。
「勇者について街の人に聞き込みするのはいいの?」
「あぁ、それはこれが終わってからにしよう」
「陽翔!そっちじゃなくてこっちでござるよ!」
「あれ、本当だ。ごめんごめん」
「これって歩きで行ったらだいぶ時間かからない?」
「そうでござるね!2日はかかるでござるよ!」
「よし。あの馬車に乗ってくか」
陽翔達は早く迷宮に向かう為に近くに止まっていた馬車に乗せてもらい向かうことにした。
◆◇◆◇
〚ルレ―イ迷宮〛
「もう無理だよ〜!あんなの勝てないって!」
「いいから早く逃げるぞ!上に上がるんだ!!」
「土壁!! 今のうちに2人は行って!!」
「「逃げるなよ。小僧達」」