第34話 サフルテア王国騎士団
「おぉ、よく来てくれたな!レティシア。こちらがカメリア王国の皆様だ」
「初めまして。わたしは騎士団長の【レティシア】です」
「よろしくお願いします」
「レティシア、君達騎士団は陽翔さんの指示に従って魔物に関する調査を行ってくれ」
「了解しました。陽翔様と皆様よろしくお願いします。我々サフルテア王国騎士団は全力で協力致します。それでは私は訓練があるので失礼します」
「訓練でござるか!??」
レティシアが部屋を出ようとした時エリウがそう言った。
「はい。魔法や剣術といったことを訓練しています。良ければ見学していきますか?」
「していいんでござるか!!」
「勿論です」
「陽翔!!」
「せっかくだしお言葉に甘えて見に行くか!!」
陽翔達はレティシアに連れられ訓練場に向かった。
少しだけ歩くと訓練場についた。
「へぇ〜結構凄いわね」
「さすが勇者の国って感じだな」
陽翔達がついた訓練場はドーム型の大きな建物だった。
「レティシアやっと戻ってきたか。おせぇぞ」
建物に入るとそう言いながら一人の男が近づいてきた。
「お?誰だ?」
「こちらはリクシア様直属の守衛冒険者様です。そして今回私達と共に魔物の一件について調査する仲間でもあります」
「あぁ、そうなのか。俺は騎士団副団長の【カイト・リー・カルバー】だ。よろしくな!」
「陽翔です!」
「雫です。よろしくお願いします」
「私はエリウでござる!!」
「エレーナよ」
「エ、エマです・・・」
それぞれが自己紹介をしていく。
「おぉ、まさかあの最近強いって噂のエリウに元勇者パーティーのエレーナ、そしてカメリア王国国王の娘を救った陽翔、国王の娘の側近のエマに一度に会えるなんてな」
「私だけ知られてない・・・・・」
「大丈夫だ!ちゃんと知ってるぞ!この凄いやつらの友達の雫だろ?」
「・・・まぁもうそれでいい!」
するとエリウが何かいい始めた。
「私を知っているでござるか!?」
「そりゃあ勿論だ!強いやつには興味があるからな!」
「なら一戦だけ戦って欲しいでござる!!!」
「エリウ、何いってんだよ」
「いいぞ!」
カイトは戦う気満々だった。
「カルバー、まだ訓練中です」
「団長は相変わらずお硬いなぁ」
「カルバーこそ副騎士団長だからしっかりしてください」
「でもこれだって実戦っていう訓練だぜ?」
「でも・・・・」
「ほら、何も反論出来ないだろ??」
カイトはおちょくるように言う。
「うるさい!やるなら早くやって!!!」
レティシアは少し怒って言った。
「よしじゃあやるか!!!」
「ルールは一本先取で勝利。付与魔法ありの自身の剣対象の魔法以外は禁止です」
「エリウ頑張れ〜!!」
「よしお前らちょっと離れとけよ」
カイトとエリウは互いに剣を構える。周りは「あのエリウと副団長が戦う」という話題でざわざわしていた。
「それでは始め!!!」
戦いが始まると真っ先にエリウが仕掛ける。
「【氷剣・乱】!!!」
エリウが剣を振ると氷の塊が次々にカイトに向かって飛んでいく。
「遠距離も対応できる付与魔法とか厄介だな」
カイトはそう言いながら氷を斬っていく。
「さすがあのエリウさんですね。しっかりと自分の型を持っている」
「型ですか?」
「言い方を変えたら戦い方のスタンスを持ってるみたいなものです。どの攻撃にも迷いがないです」
レティシアが話している間にもエリウはひたすら攻撃をし、カイトはそれを防いでいた。
「エリウが押してるよ!!!いけぇ!!!」
「でも彼女には自分にとって大きな弱点があると思うんです」
「自分にとっての弱点?」
「今だってエリウさんはわざと攻撃の威力を落とされています」
「でも今までは魔物を・・・・」
「それは魔物の話です。対人になった時エリウさんはその弱点が露骨に現れる。なにかあるのかもしれませんね。でもあってもなくてもカルバーが勝つ未来は変わらないですけど」
「何言ってんだ!エリウは勝つ!!!」
「彼の本気はこれからですよ!!」
陽翔とレティシアはなぜか張り合い、雫は大きな声で応援し、エレーナは陽翔達の会話を聞き悩んだ顔をし、エマは迫力のある戦いに目を輝かせていた。
「やっぱ強いやつと戦うと面白いな!だがエリウそれじゃ勝てないぞ!!」
「まだ結果は決まっていないでござるよ!!」
「ならなぜ攻撃の威力を弱めるんだ」
「それは・・・・」
「その弱点ひとつがお前の戦いの結果を既に決めてるんだよ!!!」
カイトはそう言い剣を思いっきり振った。
「!?」
するとエリウは吹き飛んでしまい壁に激突した。
「・・・さすが副団長でござるね」
エリウは少しフラっとしながら立ち上がりそう言った。
「次回は【第35話 カイトVSエリウ】です。結末は毎回同じカルバーの勝利一択です」