第30話 過去の出来事
陽翔達は王宮に着くと前回と同じ部屋に連れて行かれた。
「どうだ?家の方は」
「とても良い家です!ありがとうございます!」
「そうか。それはよかった」
「それで今日は・・・・?」
「実は君達にアレスに関する調査を行って欲しいんだ」
「勇者の調査ですか?」
「あぁ。ここ最近勇者の悪事が数を増している。こんなことは君にしか頼めない。時間に余裕があるときで構わない。どうだ?」
陽翔は少し悩んだ後に口を開いた。
「その前に一代目の勇者について教えてほしいんです」
「一代目の勇者か・・・・」
すると部屋の扉が勢いよく開き一人の女性が入ってきた。
「それは私が話そう」
「ヴァネッサさん!?なんでここに」
「その男がお前達を勇者の事に触れようとしていると聞いてな」
「すまないがヴァネッサ。君が代わりに話してくれ」
「仕方ないな。お前達がそんな事を聞いてくると言うことは私達の正体を知ったってことだな」
「えぇ。それと私達は貴方達の結末を知りたいのよ」
「結末から言うと一代目勇者マコトは戦いのあと殺された」
「殺されたってどういうことでござるか!?」
陽翔達はざわつく。
「理由はよくわからないけどマコトは殺されたんだ」
「だ、誰に?」
「それはわからない。今どこにいるかすらな」
「・・・・・」
「そしてその後魔王軍の活動が活発かしそれに伴う対策として新たな勇者パーティーが作られた。それがアレス達だ」
「でも彼らはどうやら勇者の器ではなかった。そこの魔法使いさんなら痛いほどわかるでしょ」
「そうね。あんなのは勇者なんかじゃないわ」
「今のが断片的だが過去にあった出来事だ。そこで君達はアレス及びその仲間について調査をして欲しいのだ。本当に勇者にふさわしいのかを」
国王が改めてお願いをする。
(どうすれば・・・・)
〘君には勇者の手助けをして欲しいんじゃよ〙
陽翔は神様のお願いされたことが頭をよぎる。
陽翔は深く悩む。
「陽翔、少しくらいならいいんじゃない?私達も手伝うし!」
「そうでござるよ!そのための仲間でござる!!」
「でもな・・・・」
「私はあいつを潰したいのよ。だから受けるのよ」
「物騒すぎんだろ・・・・わかったよ。やりますよ。その依頼」
「ありがとう。君達には感謝してもしきれないな!!」
「陽翔、何かあったら私を頼ってくれ」
「わかりました」
こうして陽翔はなぜか勇者アレス及びその仲間に関する調査を担うことになったのだった。
「あ!あと陽翔」
「はい?」
「君と話したい人がいるらしくてな。入ってきていいぞ」
扉が開く。
「アンゼさんとエマさん!?」
「あ、あの!陽翔さん」
「どうしました?」
「陽翔さんの・・・・」
エマがボソッと何かを呟いた。
「すいません、聞こえなかったんでもう一回お願いします」
「わ、私を仲間にしてください!!!!」
「え!??」
陽翔はとてつもなく驚いていた。
「新しい仲間でござるか!!?」
「さすが陽翔。新しい女を増やしたわね」
「変な言い方をするな」
エリウ達は喜んでいた。
「でも側近なんじゃ?」
「いいわよ。私はエマが決めたことに口は出さいないわ。親友の決断は私のこれからの決断でもあるからね。でもエマを危険な目に遭わせたら許さないから」
「そうですか・・・・ん〜〜」
「え?陽翔。エマを仲間に入れないの?」
「そんな目で見てくるなよ! エマさんは良いんですか?俺らの仲間になって?」
「はい!!」
「わかりました。これからよろしくお願いします!エマさん!
「っ!よ、よろしくお願いします!は、陽翔さん・・・。あ、あとエマでいいですよ・・・私も・・陽翔って呼んでいいですか・・?」
「え、あ、もちろん。それに敬語でなくてもいいですよ」
「わ、わかった!よろしく。陽翔」
「よろしく、エマ」
「何この二人いい感じになってるわけ!??」
「はぁ?!ただ下の名前で呼んだだけだろ!」
「じゃあなんでそんなに照れてるのよ!!!」
「いや、こんな清楚系に言われたら心は撃沈するに決まってんだろ!」
「うわ。出たわね。陽翔の気持ち悪い弁解」
「なっ!気持ち悪いだと!」
「まぁ、陽翔。勇者の事とエマの事よろしく頼んだぞ」
「わかりました・・・・・」
陽翔は幸先が不安そうな顔で返事をしたのだった。
「じ、次回は・・・・【第31話 守衛依頼】です。み、皆さんこれからよろしくお願いします!」