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第16話 卒業試験

 特訓を始めてから二週間が経った。その二週間で陽翔達は様々なことを身につけることが出来た。


 エリウはダリアから新たな戦い方を学びより強さに磨きをかけることが出来た。また最初こそはダリアに追いつくことだけで精一杯だったが今では対等に渡り合えるほどまで成長することが出来たのだ。



 雫は誰よりも器用に練習をこなすことが出来ていた為、成長が他の人より早かった。炎魔法はアメリアほどの技術はまだないが近いほどの実力をつけることが出来たのだ。


 陽翔はエレーナと色々と模索をしながら練習をたくさん積み重ねるうちに少しずつ闇魔法を使えるようになっていた。また陽翔はエレーナととある約束を交わしていた。それは陽翔が闇魔法を教える代わりにエレーナは陽翔に闇魔法以外の魔法を教えるというものだ。その約束を交わしてから二人はみんなが休憩している間にも練習をするようになっていた。その結果陽翔はエレーナから教えてもらった光魔法の初歩的な部分を会得する事ができた。反対にエレーナは陽翔から教えてもらった闇魔法を練習していたが中々扱うことが出来なかった。その後陽翔は合間にダリアに剣術を教えてもらったりエリウから付与魔法のコツなども学んでいた。


 そして今日彼らはそんな過酷な特訓生活の卒業試験を受けることになった。


「じゃあ〜!卒業試験をするんだけど〜!!」


「どんなことをするんですか」


「それはね〜!ズバリ学園(アカデミー・)迷宮(ラビリンス)を攻略してもらいま〜す!!」


「あぁ!!懐かしいでござるな!」


学園(アカデミー・)迷宮(ラビリンス)って・・?」


 陽翔の疑問にダリアが答え始めた。


学園(アカデミー・)迷宮(ラビリンス)って言うのはな、魔術、剣術などを学ぶこの国の最高峰の学園にある卒業試験専用の迷宮があるんだよ」


「そうなんですね!」


「それで〜!理事長に話をしてみたら他に1パーティーいるけどそれでもいいなら大丈夫ってことになってね〜!でそれを受け入れて行かせてもらえることになったの〜!!!」


「そんな簡単に・・・。てかいつの間にそんなことをしていたんですか!」


「裏技かな〜!それでさっそく学園まで向かいます〜!!さぁみんな馬車に乗って出発するよ〜!!」


 気づくといつの間にか家の前に馬車が用意されていた。


 陽翔達は荷物を持って馬車の中に入り込んだ。


「それじゃあ!!出発〜!!」


「これっていつくらいにつくの?」


「大体5時間後とかかな〜?だからお昼過ぎくらいだね〜!」


「結構掛かるでござるな!」


「学園は王国の中心の方にあるからな。仕方ない」


 (何もすることがないのに5時間はしんど)と陽翔は思った。


 馬車で2時間ほど移動していると全員眠りについていた。そんなみんなの姿を見ていたダリアとアメリアは笑顔で肩を寄せ合っていた。


 それから2時間経った頃エリウは夢の中で何かあったのかいきなり大きな声をあげた。それに起こされた雫は少しだけ顔をあげたあとまたすぐに眠りについた。陽翔とエレーナはそんなことがあったのにも関わらず隣同士で爆睡していた。


 そこからさらに1時間が経過すると馬車は無事に王国の中心部に到着することが出来た。


「ほら〜!みんな着いたから〜起きて!!」


「ふわぁ〜!よく寝たでござる!!」


「てか学園デカすぎないか?!」


「この学園は貴族とかも通ってるでござるから資金巡りが良いんでござるよ!」


「貴族すげぇ〜」


 そんな会話をしていると門から一人の女性が出てきた。


「よく来てくれたね。さぁ、うちの生徒が待っているからおいで」


 門から出てきた女性はそう言った。


「あの〜アメリアさん、この人って・・・」


「あ〜この人が理事長よ〜!」


「こ、この人が!??」


「よろしくな!私はこの学園の理事長のヴァネッサだ」


「よ、よろしくお願いします!」


 互いに挨拶をしたあとに陽翔達は理事長に連れられて学園の生徒が待っている場所に連れて行かれた。


「お〜後輩でござる〜!!」


 そこには二人の女の子がいた。


「貴方達が今日御一緒する冒険者の方ですね。私の名前はアンゼです」


「あ、わ、私はエマです。よ、よろしくお願いします」


 その二人はアンゼとエマと名乗った。


「俺は陽翔だ。よろしく」


「私は雫!よろしくね!」


「エリウでござる〜!!」


「エレーナよ」


 四人も同様に自己紹介をした。


「貴方はあのエレーナさんですか?勇者パーティーの」


「一応そうでしたね」


「はいはい。時間がないからちゃっちゃとやるよ。これから学園(アカデミー・)迷宮(ラビリンス)に入ってもらうが全部で20階層あってその最終層に合言葉を書いておいた。それを私に伝えて合っていれば合格だ。制限時間は特になしだ。さぁ行け」


 ヴァネッサはそう言うと陽翔達は迷宮の中へと向かっていった。


「ほらエマ。行きますよ」


「わ、わかりました!」


 六人は迷宮の中へと入っていった。


「いいのか?アメリア」


「ん〜みんなの為だからね〜!きっと大丈夫だよ」


「そうだな!あんなに頑張ってたんだし」


「そうか。お前がそう言うなら間違えはないだろう」


 こうして陽翔達の魔法特訓卒業試験が始まったのだった。



「ついに卒業試験でござるな!!」


「あぁ!そうだな!やっぱ試験って緊張するよな」


「入学式を思い出すよね!!陽翔が自己紹介で緊張しすぎて名前言えてなかったの面白かった!」


「そんなことを掘り返してくるな!!そんなこと言ったらお前だって中学校の時、転校生が来るらしいよって話したら勘違いして俺が転校するって思って泣きまくってたじゃねぇか!」


「そ、それは関係ないでしょ!!!!あれは陽翔が悪いの!!!」


「貴方達相変わらずね。試験があるんだから・・・」


「「それは関係ない!!!!」」


「いや、関係あるでしょ」


@@@


「次回は【卒業試験 弐 〜チームワークは大切〜】だよ!!絶対に陽翔も泣かせてやる!!!!!」

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