第14話 努力の成果 人の成果
「雫とエリウは今日どうだった?」
「まぁまぁだったよ!そう!聞いて。私炎属性だったよ!」
雫は嬉しそうにそう言う
「お〜!炎属性か。かっこいいな」
「私も師匠からたくさん教わったでござるよ!!陽翔は何の属性であったでござるか?」
「陽翔は闇属性よ。全く見た目に反した属性ね」
「闇!!?」
「あら、それは凄いわね〜!!」
エレーナの発言に皆が驚いていた。
「闇属性は属性魔法の中で一番難しい魔法だから陽翔くん頑張ってね!!」
「はい!!」
「じゃあ!明日もあるからご飯食べてお風呂入って寝ましょ〜!!」
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「貴方、寝ないで外で何してるのよ」
「ちょっと魔法の練習をしようかなって」
陽翔はご飯を食べ終わったあと各々自由な時間に暗い外で自主練習をしていた。
「明日もあるんだから休んだほうがいいわよ」
「でもやっぱ迷惑ばっかかけるのもあれだから少しくらいは出来るようにしときたいじゃんか」
「はぁ、仕方ないわね。こんな暗かったら何も出来ないわよ。【光陣】」
「おぉ!明るくなった!!ありがとう」
「どういたしまして。さっき本で闇魔法について調べたけどそこまでの情報はなかったわ。でも闇魔法は通常の属性魔法の発動の流れとは違って体を覆うってことを意識するといいらしいわよ」
「まじか!教えてくれてありがと!エレーナは先に寝てていいぞ」
「わかったわ。終わったら解除って言えば光が消えるから。それじゃ頑張ってね」
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「あの光は何かしら〜」
「どうしたんだ」
「あ!あれはエレーナちゃんと陽翔くんね〜!」
「エレーナもああやって自分から人に関わりに行くようになったのか。嬉しいな」
「そうね〜!よし私達ももう寝ましょ」
陽翔もその後しばらく練習した後戻り眠りについた。翌日になると陽翔達はすぐにご飯を食べさっそく練習をし始めた。
「よし今日からエリウに新しい課題を与えるぞ!」
「無論!!師匠!!」
「一回見とくんだぞ!」
そういうとダリアは刀を一振りすると目の前にあった立派な木は切断されていた。
「今のはなんでござるか!!」
「これはな波動って言うんだ。ある一定の威力を超えると空気を巻き込み見えない波動を生み出すんだ」
「お〜!!!どうやるでござるか!!」
「刀に魔力を込めることを意識するんじゃなくて刀から魔力を放つことを意識するんだ。よしやってみろ!」
そう言われるとエリウは刀から魔力を放つことを意識する。そして刀を振る。
「惜しいな。でも出来てはいるからこれを続けてれば出来るようになるぞ!!」
「わかったでござる!!」
エリウはそれから何時間を刀から魔力を放つことを意識して刀を振り続けた。刀を一振りまた一振りと振り落とす度に波動の力は少しずつ威力を増していった。
ダリアはエリウが練習に夢中になっている間に家に戻っていた。
「木に傷がつくようになったでござる!」
(修行をするのは久しぶりでござるな。あの頃を思い出すでござるよ・・・)
その後もエリウはもくもくと同じことを繰り返し行い続けた。
すると・・・
「き、切れたでござる!!師匠の切った木よりは細いでござるが!!!師匠〜〜!!!!」
ついに木を波動で切れたエリウはダリアの元に嬉しそうに走って戻っていった。
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「お!!!ほんとか!!やっぱ凄いなエリウ!」
「師匠のおかげでござるよ!!」
「お前の努力の成果だろ!人の成果にするなよ!!」
「師匠・・・・」
するとエリウは突然泣き始めた。
「お、おいどうしたんだ」
ダリアが慌てていると扉が開いた。
「あ!!エリウどうしたの!!」
「あなたが泣かせたの〜?」
アメリアはいつもの口調で話しているが明らかに怒っていた。
「ち、違うんだよ!!いきなり泣き出しちゃって」
「ごめんでござる!昔に同じことを言っていた人がいてそれを思い出しただけでござるよ!」
「そ、そうなの〜?」
「そうでござる!!」
「ならよかったわ〜!じゃあお昼ご飯にしましょうか〜!」
(お兄様・・・)とエリウは心の中で一言そう囁いたのだった。
「あいつ【解除】って言ったら消えるって言ったのに全然消えねぇじゃねぇか。どうしたらいいんだ。解除!!解除!!解除!! やっぱ無理か。なら・・・・」
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「あの〜失礼します〜。さすがにもう寝てるか。こいつ黙ってればこんなに可愛いのになぁ」
「あれ・・?陽翔何してるでござるか・・?」
「あ!いや、ちょっと用があって」
「ま、まさか寝てる間に襲う気だったでござるか!!!!」
「ちょ!声でかいって!!!あっ・・・・あの〜」
「貴方ってやっぱり女の子を見てニヤニヤする変態ね。略してニヤ変ね」
「なんだよそれ!てか略すな!!」
「貴方覚悟できてるわね?」
「え・・・?」
「【ライトアップ 超】」
「なぁああああ!!!!眩しいってぇええ!!!!」
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「次回は【それぞれの成長】よ〜!!私もうお腹がいっぱいになっちゃったぁ〜!!!」