第12話 少女のお家
「ねぇ、あなた薪が足りないから取ってきてくれる?」
「おう!陽翔一緒にいくぞ!!」
「は、はい」
「陽翔に変なこと吹き込まないでよね!!!」
「エレーナちゃん達は料理のお手伝いしてね〜」
陽翔はダリアと共に家から少しだけ離れた倉庫に薪を取りに行き雫達はアメリアと共に料理を作ることになった。
「陽翔、ありがとな!」
「え?」
「エレーナは勇者パーティーに入ってしばらくしてからあんな感じで少し冷たくなってな。それでも君達には少しでも心を開いていたから嬉しかったんだよ」
「でもまだ出会ったばかりですし心開いてくれてるんですかね。助けてもらう事も多いですし」
「あの子はあんなに喋ることもなかったしましてや今まで友達を家に連れてくることもなかったんだ。心はきっと開いているよ」
「それならいいんですが・・・」
「だから陽翔!!お前にはこれからもエレーナと仲良くして欲しい。見捨ててあげないで欲しい。いざとなったら守ってあげて欲しいんだ」
「もちろん!!これからも仲良くしますよ!見捨てたりなんてしませんよ!守ってあげますよ!!だって仲間なんですから!」
「それが聞けてよかったよ。よしついたぞ!ここが倉庫だ」
陽翔達は倉庫の軽い扉を開いた。
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「エリウちゃん!そこの野菜を洗ってきてくれる〜?」
「任せるでござる!!」
エリウはそう言って野菜を外にある水場に洗いに向かった。
「んじゃ雫ちゃんはこのお肉を切っといって〜」
「わかりました!」
「私は何してたらいい?」
「エレーナちゃんは自分の部屋に行って荷物整理してきて〜」
エレーナは少しだけ不満げな顔をして2階に上がっていった。
「あの子、勇者パーティー抜けた理由って仲間内のトラブルとかなんでしょ」
「そんな感じって言ってましたね」
「あの子がこの家に来てからずっと人とと中々絡まなくてね。心配していたんだけどそんな心配はもういらなさそうね。本当にあなたたちには感謝するわ。これからもあの子をよろしくね〜!」
「はい、もちろん!!エレーナと交わした約束をまだ果たしていませんし!!」
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「ただいま〜!薪取ってきたぞ!」
「ありがと〜!お風呂場の方に持って行っといて〜」
ダリアは陽翔の持っていた分の薪を持って風呂場に向かった。
「貴方、あの人に何か言われた?」
エレーナは陽翔を問い詰めるようせまりに話しかけた。
「い、いや何も言われてないよ。てか顔近いって」
「そう、それならいいわ」
「は〜いみんなご飯出来たよ〜!今日はちょっと豪華バージョン!」
アメリアは大きなお皿を持って言った。その後陽翔達は各々椅子に腰をかけた。
「美味しそうでござる!!!!」
「今日は明日の特訓のためにたくさん食べといてね〜!」
「「「「いただきまーーす!!!」」」」
「なんだこれは!!!とてつもなく美味しいでござる!!」
「あら、そう?良かったわぁ〜!」
「これは酒が進むな!!」
陽翔達は談話をしながらもくもくとご飯を食べた。
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「ごちそうさまでした〜!」
「お風呂の準備出来てるから入ってきていいよ〜」
「陽翔!一緒に入るでござる〜!!!」
「貴方何言ってるのよ!!」
「陽翔!!何するつもり!!!」
「なんで俺が怒られるんだ」
そんなことがあった陽翔達だったが陽翔は一人で入り雫、エリウ、エレーナのメンバーでお風呂に入ったのだった。
「2階に3部屋あるからみんなはそこを使ってくれ!!」
「わかりました!おやすみなさい!!」
「おやすみでござる!!」
陽翔達はダリアが用意してくれた部屋にそれぞれ向かった。
陽翔は部屋に入るなりベッドに寝っ転がった。
(なんだかんだダリアさんもアメリアさんもいい人だったな。手作りのご飯も久しぶりに食べたし。それより明日は魔法の特訓だ。きっと大変なんだろうけど頑張らないと。今日はもう明日に備えて寝るか)
陽翔はそう心の中で呟いて眠りについたのだった。
〚1日目 お風呂〛
「エレーナの家のお風呂ってめっちゃ広いじゃん!」
「アメリアがお風呂好きだから広いのよ」
「私もお風呂は凄く好きでござるよ〜!!」
三人はそんな会話をしながら湯船に浸かった。
「温かいでござる〜」
「ふぅ〜極楽極楽」
「!!? エリウって案外大きい!」
「や、やめるでござるよ〜!!!」
「なんで隠すのよ!!」
「恥ずかしいでござるよ〜!!」
「お風呂くらい静かに入りなさいよね」
「あ」
「あ、ってなによ」
「大丈夫だよ!エレーナ!!成長期はこれからだから!!気にしないで!!」
「これでも成長期は終わってるわよ・・・てか子供扱いするなぁ!!!!!」
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「次回は【魔法は特訓あるのみ】よ。成長期ってまだ来るのかな・・・・」