表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最恐オーガですが、他種族の女の子と仲良くしたいだけです  作者: あいだのも
最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/54

47話 「テンVSソラ」


この姿になったおいらの手…

手がある…


オーグンの時も出来たけど、

おいらの変身に身体は関係ない。

おいらが思った姿になれる。


「テン…立派になったわね…」


「!?驚いた…

身体の元にされているのは、分かっていたけど…

意識があったのかい?

ソラ?」


「ええ…身体は思い通りに動かせないけど」


鎧の兵士が切りかかってくるのを、躱していく


「あの泣いてばかりいて、

一人じゃ、何もできなかった君が、

こんなになるなんて」


「ソラ…あれから、おいらも色々あったんだ、

何度も死のうと思ったけど、

死ぬ勇気すら無くて、

でも、おいらも友達に出会えたんだ」


鎧の兵士の動きが、鋭さを増していく。


「そうなのね…

私も…死んだと思ったのに死ねず…

結局、こんな姿になっても、

戦わせられている…

憎くはないけど、、

あなたが羨ましいわ」


「憎くないのかい…?」


「ええ、だって、私たちもいっぱいやって来たでしょう?

生きるため人間を欺き 殺し 食べ 利用した…同じよ」


「……おいらはもう人間を食べてないよ」


「何を食べようと同じよ、 

皆そうゆうものなのよ…」


「ソラおいらどうしたらいい?」


「私を殺しなさい」


「出来ないよ…

おいら、ソラに勝てたことなんてないんだから…

…そうだ!

ソラを操っている、キンジュを倒せば!」


「無理よ…

私に埋め込まれている魔法は、

キンジュの先祖たちが、

死ぬ間際に、代々埋め込む魔法陣。

積み重なった彼女の先祖の意思には、反せないわ」


「な、なんてひどい事…」


「テン私を殺しなさい。

妖狐は心が死なない限り、死なないのよ。

魔法で操られている、私は死ねないの。

でもあなたなら…」


「おいらを買いかぶりすぎだよ…」


「…あなた覚えていないのね…

私が『ソラ』と名乗るようになったのは、

あなたが『天狐』と名付けられていたからよ」


「…」


「私たちが出会うまで、

言葉すら知らないはずだったのに、

あなたには名があった。

妖狐という特別な生物のなかの、特別だったのよ」


「…そんなこと言われても分からないよ」


「あなたなら出来る!

まず、私の鎧を壊すのよ。

意識を私の鎧の、

どこでも良いから、一点に集めるの」


「こ、こう…?」


「そうよ…

その一点に、魔力を注ぎなさい」


ソラのいう通りにすると、

ソラの鎧が一点から、ひび割れ崩れ落ちた。


たったこれだけ…


「そう…あなたは、やれば出来るのよ

私が教えてあげられるのは、ここまで…

後は任せたわ…

テン…生きろ…」


ソラの意識は消失し、

巨大な魔力の塊の姿になった。


面影…

かろうじて狐の姿を保った、魔力の塊に。


と、同時においらの足に魔力が集まり、

おいらの足が吹き飛んだ。


逃げたい…

でも逃げちゃいけない。


ソラが暴走している…


おいらが逃げたら、

ソラは無差別に殺していくだろう。

おいらの大切な仲間たちを…


逃げない!


おいらは、すぐに足を元に戻し、

ソラに教わった通り、

ソラの心臓があるはずのところに、

意識を集め、魔力を注いだ。


ドォオンンと爆発が起こるも、

魔力の塊と化した、ソラに効かなかった。


「効かない…

そ、ソラ…おいらどうしたらいい…?」


おいらの右腕に魔力が集まり、

腕が吹き飛ぶ。


がほぼ無意識に、おいらは腕を修復していた。


「教えてよ…ソラ」

一歩一歩ソラに歩み寄る。


その一歩ごとに、おいらの身体が吹き飛ばされる。


自然に身体を修復できるようになっていた。


ソラの身体に触れた。

その瞬間に、内部から粉々に吹き飛ばされた。


修復する度、

その瞬間に、吹き飛ばされる。


「ソ…ラ…」

どうすればよいのか…


ソラを止めないと…

約束したんだ…


ソラにもう意識は無い。


幾度、吹き飛ばされたであろうか…



ふと、

ソラはおいらを殺そうとしているのではなく、

おいらに教えてくれよう、としているのかと思った。


ソラはおいらの身体の中から、

魔力を爆発させて吹き飛ばしている。


おいらは持てるすべての魔力を、

おいらの身体一点に集め、


それをソラの内部に動かしていった。


これをするとおいらも死ぬかもしれない。

でも、これしか方法は無い…


後悔は…

…止めよう

おいらにしか出来ないことなんだから…


おいらはソラの内部の一点に、

持てるすべての魔力を注いだ。


辺りが真っ白な景色に包まれる。


薄れゆく意識の中、

「テン…ありがとう…」

そう聞こえた気がした。


そして意識は消失した。




「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎囚われ姫は魔王に救われる

https://ncode.syosetu.com/n1925ii/


恋愛に憧れるが運命を定められた姫を封印が解かれた暴君魔王が攫う物語です。

勇者が姫を救おうとするが、姫は運命か自由かの選択を迫られます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ