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最恐オーガですが、他種族の女の子と仲良くしたいだけです  作者: あいだのも
最終決戦

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46話 「ウィンディVSキンジュ」


キンジュVSウィンディ


オーグン達も行ってしまった。


この場に残ったのは、私たち二人。


「あなた…

本当に、私と戦うつもりなのですか?」


「そうよ」


「その恰好…王女?かたき討ちですか」


「…そうよ」


「私、負けるなら、屈強な男に蹂躙されるて、負けたいのだけど。

あなたのような、全く鍛えても無い人に、

負ける気が、全くしないのだけど…」


「あなたの性癖に付き合えそうも無くて、残念ね」


「そう…じゃあさっさと、殺させてもらいますわ」


そういうと、キンジュは一歩一歩近づいてくる。



「…なんですの…それ…?」


キンジュに向けて、魔道具を構えた。

「ヒイヅル国で貰ってきた、魔道具よ」

そう言うと、キンジュの足が止まる。


「ヒイヅル国?」


「あなた達の故郷よ」


キンジュの顔に緊張が走る。

魔道具が本物だと感じたようだ。


「あなた達、行って来たのですね…」


オーグン達の話だと、

彼女はウィンザードの騎士「黄」の末裔。


ヒイヅル国の系統の人間。

やはり私たちの国より、正しい歴史が伝わっていた。


「その自信の答えね…

道具で勝とうとするなんて、煩わしいわね…

流石王家の血筋…

とも言っておきましょうか…」


明らかな挑発。

この魔道具の情報を得ようとするもの…


挑発に乗って、

威嚇にでも一回使ってくれれば、

とも考えているもの…


「あんた達も同じでしょ?

あんな生き物だか、兵器だか、分からない者を使って…

でもま、確かに私たちの一族は腐っていたのも、否定しない」


「…何故脅すだけで、使わないの?」


「これを使えば、あなただけでなく、

私もただじゃすまないから」


「心中しようっていうの?」


「場合によるわ」


「いつまでそうしているつもり?」


「皆の決着がつくまで」


「……かたき討ちじゃないの?」


「本当はもう、そこまで恨みはないわ」


「そう…私たちがにらみ合ったとして、

ウィルが勝てば、みんな死ぬ。

妖狐が勝てば、あなた達が死ぬのね。

オーグン達が勝てば?」


「オーグン達と会っているのでしょう?

あなたが鎧の兵士を仕向けたとしても、変わらないわ」


「そう…ウィルが勝った場合しか、私は殺されないのね。

そして、あなたはオーグンが勝つと信じているから、

この場に、私をとどめるために残ったのね。

今、覚悟のあるあなたを下手に刺激して、

心中されるのは、ごめんですわね…」


そう言って、キンジュは武器をすべて地面に落とし、

後退した。


そして、座り込んだ。


「これで良いわね」


「そうね…」


武器は隠し持っているかもしれない。


だから、私の緊張は解かない。

でも、これで終わり。




私がヒイヅル国で学んだこと。


御子の技ではない。

魔力や力で戦う事ではない。


店で店主がオーグンに向けた魔道具に、皆が怯んだこと。


あの魔道具がどのようなものか、分からない。

問題はそこじゃない。


生物は皆 得体の知れないものに、恐怖すること。

闘争本能より、生存本能のほうが、勝るのだという事。


それに付随して、店主の態度。


魔道具を使ってしまうと、

取り返しのつかないことになる、という不安と、

この場は乗り切れるという、

魔道具に対する信頼。



私が持っているのは魔道具ではない。

ただのレプリカ。


相手の戦うという選択肢を、

相手の思考から奪っていくこと。


勝つことは、相手の肉体を負かすこと、だけじゃないのだという事。



この勝負は私の勝ち。



「良かった」と思ってくださったら

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筆者が泣いて喜びます。




⚫︎囚われ姫は魔王に救われる

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恋愛に憧れるが運命を定められた姫を封印が解かれた暴君魔王が攫う物語です。

勇者が姫を救おうとするが、姫は運命か自由かの選択を迫られます。



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