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最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい【完結】  作者: あいだのも
人間の国 オルミナ王国
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28話 「初失恋相手」



狭い通路を歩いていくと、

古い一件の、山小屋のようなところに出た。


寝床のようなところに、テンを寝かせる。


テンも少し顔色が戻ってきた。

腕は治らないが、体力が戻れば、

命に別状はないだろう。


俺とメルサは外に出た。



ここは森中に隠れるように、ポツンと立つ、

低い平屋の山小屋。


周辺の高くなっている所に乗り、

辺りを見回すと、森間の遠くに、

さっきまでいた王宮が見える。


とりあえず、ここは安全だろうか。


「あっ!!?」

真後ろから声がした。


振り向くと、そこには兵士がいた。


「くそっ ここまで追ってきたのか…

テンは‥」


「ごめんなさい、オーグン…

私も体力の限界で、

周囲の警戒を、怠っていたわ…」


流石に、さっきの術は厳しかったのだろう。


こうなったのも、仕方がない…


俺がやるしかない。

でも…勝てるのか…?


あんな負けかたして…

皆を守れるのか…


自分の命も、仲間の命も、全て奪われるのでは。

俺のせいで…

大事な仲間が……


足が震える。


「悪魔とあのオーガが…殺してやる」

兵士は剣を抜いた。


足が震え、俺はその場に立てなくなり、

膝まずき、頭を下げる、しか出来なかった。


「み、見逃してください…!」

惨めだ…

情けない…


誰がこんなオーガ族族長を想像しただろうか…


でもそれで、皆が助かる可能性が少しでもあるのなら。


俺は何でもする。

仲間を失いたくはない!


「はぁ?

あんた何言ってるの、

自分が何したか分かっているの?

私たちをめちゃくちゃにして」


そうだ…俺のワガママの、つけが回ってきたんだ。


「自分が強いのか、なんだか知らないけど、

好き勝手暴れまわり」


そうだ、俺は強いと思ってた。


今なら分かる。

世の中を知った振りしてたけど、

根本は強さで、何でも出きると思ってたんだ。


強さが奪われたら、俺は結局何も出来ない。


「お兄様を誘惑した、

あんたは許せない」


??

お兄様? 誘惑?

兄って男の事だよな…?

俺は男を誘惑した覚えは、、一切ない。


俺はゆっくり顔を上げていく。


足を良く見ると、

兵士の鎧は、俺を殺そうとした奴の鎧より、

数段きらびやかだった。

そして細身で、美しい足をしている。


そして顔を上げると、

鍛え上げられた感じの身体ではない。


男の身体ですらない。


顔を見ると、美しい女性…?

ぱっちりした目、

水をすべて弾きそうな、モチモチの肌。


可愛い、


ウィンザードの面影?

彼女を少し幼くしたような顔。


見たことのある顔だ。


いや、覚えている。

忘れる訳もない。

俺が初めて、求婚した女性なのだから。


イルスのバカの、入れ知恵のせいで、

逃げられてしまったが、


「き、君は…?」


「ちっ‥

また会うとは、思わなかったわ‥

今回は逃げないわ…」


「こんな弱気のオーガなら、チャンスよ」

最後のは、ボソッと小声で聞こえた


彼女は俺の頭を踏み、

もう一度、頭を下げさせる。


「オーガよ、オルミナ王国王子が命ずる…

…ウィルお兄様を、我が国に返しなさい!」


!!????


ウィル…お兄様……?

そういえば、前に妹がいるとかいないとか、言ってたよな…

か、彼女が妹!?!?


下手したらウィルが、

俺のお兄様になっていたのか…?


あ、危ない、ウィルのお兄様の想像などしたくない…

何て仕打ちをさせられる事だろか…


まさか、彼女がウィルの妹だったのか。


今考えてみれば、高貴な鎧を着ていたのに、

一人で境界線あたりを歩いていたのは、不自然だ。


あの時は、放浪中のウィルを探しに来ていたのか。


でも、何故彼女がここに?

チンピラ兵士の話だと、行方不明のはずだが…


「あなた…人の下げた頭を、上から踏むなんて、

育ちが悪いようね」

メルサがゆっくりと妹に近づく。


「あ、悪魔!!

動くな、汚らわしい悪魔よ、

このオーガの命が惜しくないのか?」

妹は踏みつけた俺の首に、剣を突きつける。


「ええ、惜しいわ、

私を救ってくれた、大事な人ですもの」

メルサは歩みを止めず、進む。


メルサ…俺の事、そんな風に思ったくれてたのか。

心が弱っているからなのか、

涙が出そうなのを、なんとかこらえる。


「動くなと言っているだろう!」

妹は剣を、俺の首に振り下ろす。


ガン!


妹の剣は、俺の首に弾かれた。


「あっ… あっ」


なお、近づいてくるメルサに妹は恐れ、

しりもちをつき、後退りをする。


それでも、メルサは近づく。


妹は木にぶつかり、

後退りが空回りしてる。


本人は恐怖で、木にぶつかった事にすら気付かず、

離れようとしているのに、

近付いてくるメルサに、

冷や汗どころか、

鼻水


身体中から、危険信号を知らせる体液が溢れ出ている。


そしてモチモチの肌が、それらの水分をすべて弾く。


「め、メルサ!殺すな!」


俺の声は届いていないのだろうか、

メルサは反応しなかった。


顔中ぐちゃぐちゃの、妹の目の前にしゃがみ、

顔を覗き込むように、

「しっかり教育しなきゃね」


そう言うと、

妹は失禁しながら、失神してしまった



こ、この光景はどうしても反応してしまう、

俺には刺激が強すぎたようだ。


「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎囚われ姫は魔王に救われる

https://ncode.syosetu.com/n1925ii/


恋愛に憧れるが運命を定められた姫を封印が解かれた暴君魔王が攫う物語です。

勇者が姫を救おうとするが、姫は運命か自由かの選択を迫られます。



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