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最恐オーガですが、他種族の女の子と仲良くしたいだけです  作者: あいだのも
妖精の国

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23話 「こいがたき」



妖精王は、一通りはしゃいだ後、

疲れて眠くなったのだろう、

突然帰っていった。


久々に一人になった気がする。

多少の安心材料もあった。


ゆっくり休もう。


と思ったら、バサッと外で音がした。


居留守を使っても良かったが、

俺も居候させてもらっている身。


外に出ていくと、


火の鳥が明後日の方向を見て、佇んでいた。


別に怒りや恨み、みたいな表情ではない。

むしろ、構ってほしそうな雰囲気を醸し出している。


俺は空気を読み、火の鳥が佇む近く、

同じ方向を見て座った。


「………」

火の鳥はしばらく黙っている。


ここのやつらは『皆』寂しがりやなのか…?


「オーガよ…我は…」


そう思っていたら、口を開きだす。


「我は調停者など、大層なものではない…

ここより遠く北に住む、

普通の不死鳥族だ…」


俺は黙って聞く。

それが客としての、振舞いなのだと思った。


「驚くでないぞ…

王は口を閉ざしていたが、

我らはオーガの事を、多少知っている」


「俺のじいちゃん…オーガスタの事だろう」


「ななななんと! 

そなたの祖父であったか!

それは驚いた! 驚いた! はっはは

っと驚かすつもりが、

逆に驚かせられてしまったな」


初対面の時とは違う。

調停者として、振舞っていたのだろう。

こっちの方が気が楽だが。


「イルスとウィンザードから、聞いていたからな」


「なんとまぁ…」


話を噛みしめ黙った。

最近会う奴、会う奴、知り合い同士だな。


そこまで懐かしむのなら、


じいちゃんと違い、お互い生きている。


大して距離も無いのだから、

会いに行ったら良いのに。


鳥は再び黙りこくり、

話が途切れた。


郷愁に深けているのだろう。


気を使ったわけではなく、

俺からも、別に話すことはなかった。


無言、、、


気まずくはないが、奇妙な時間が流れる。



「……我らは恋敵だった…」

突然、ありえない角度からの言葉に、

俺のほほに当てていた手が、ズルっと落ちる。


「はぁ?」


「突如、魔族側に単身乗り込んできた、

凛々しく、美しく、か弱いながらも、強い信念を持つ、

ウィンザードに我らは惚れたんだ。


そしてウィンザードが選んだのが、精霊王。

他の魔族は、大人しく引き下がった。


我はウィンザードが忘れられず、人間と子を作った。

ウィンザードを皮切りに、他種族婚が流行った。


が生まれる子、生まれる子が、奇形児だった。


奇形…そりゃあ、見た目が違う者同士が交わるのだ、

見た目が我らと違うのは、当たり前だろう。


だが、我らは奇形児に恐れを抱いた。

自分の子にだ…」


俺は鳥の顔が見れなかった…


後悔…いや、

それ以上の感情が、鳥の声から伝わってくる。


「そうしてそこら中に、奇形児の捨て子があふれ返った。

捨て子は生きる術も、力も無く、大多数が死に絶えた。


魔族達は、それが当然だと思っていた。

生きる力、生きるべきものが生き、

死ぬべきものは、死ぬ、そうゆう考えだからだ。


しかしウィンザードは違った。


白い目で見られている奇形児を集め、保護した。

自分の責任なんだ、と思い詰めるようになった。


我らを遠ざけ、

夫を遠ざけ、

歴史を知るごとに、

人間を滅ぼす決意を、固めていった。


我らが出来たのは、

せめてこれ以上奇形児を増やさぬよう、

不干渉の契りを作ることと、

調停者として、お互いの世界を住み分かつ事。

だが今となっては、、、、、

オーグン… 

お主等の行く末を、見届けさせてもらう」




「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎囚われ姫は魔王に救われる

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恋愛に憧れるが運命を定められた姫を封印が解かれた暴君魔王が攫う物語です。

勇者が姫を救おうとするが、姫は運命か自由かの選択を迫られます。



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