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22話 「同志」



精霊の国?はなんとも平和だった。

国というよりは、大森林と泉。

そこらじゅうで、小さな妖精たちが交流している。

彼らが、どのようにコミュニケーションを取っているのか、分からないが。


神秘的という言葉が相応しい。


家は使わせてもらっている、木造の家が数件のみ。


言葉を扱えるのは、王と呼ばれていた彼だけだろう。

いや、彼も発音している感じではなかった。

直接頭に言葉が響いてきた。

そうゆう力もあるのだろう。


最近色々な奴と出会い過ぎて、

ちょっとやそっとじゃ驚かなくなっている。



さて、これからどうするか…

二人が目覚めない事には、動こうにも動けないが、

俺もこの部屋で寝てばかりいては、時間の無駄だ。


「やぁお馬鹿さん ご機嫌如何だにょん?」


妖精王はぶん、とまた目の前にいきなり現れた。

「なんだ?さっき別れたばっかりだろう、

精霊族?妖精?ってのは寂しがりやなのか?」


「ささ寂しがりや、なんかじゃないにょん」


「じゃあお前が隠してるもの、教えてくれるのか」


「な、なにも隠してなんかないにゃ…あ」


分かりやすすぎる…

一体何を隠しているのか知らないが、

どうせ大したことないのだろう。

俺のじいちゃんを、知っているくらいのことだろう。


「はぁ…何しに来たんだ」



「お前失礼だにょ、

お悩み沢山そうだったから、

賢い私が聞いてやろうとしたのだにょん」


俺は馬鹿なのは自覚しているが、


それでも俺の悩みを、こいつに話したところで、

何も解決になるとは思わない。


とはいっても、二人が目を覚ますまで、

時間を持て余す。


一人で考えても、たかが知れている。


何か打開策があるのなら、

棚から牡丹餅程度の期待で、聞いてみるか。


「悩みねぇ…

確かに悩み沢山だが…


…人間と悪魔の戦争を、止めてくれねぇか」


「無理だにょ。

精霊族はか弱いにょ」

まあ、想定はしていた。


「じゃあ多種族交流出来るように…」


「無理だにょ、

人の感情は操れないにょ」

分かってはいたけど、

流石に食い気味で断られると、むかつくな。


「なんだよ、 

やっぱりなんも出来ねぇじゃねぇか」


「お前はバカだにょ、 

お前ら自身の問題を、わしに押し付けるなにょ」

…確かに的を得ているが、

言い訳にしか聞こえないのは、なぜだろか…


「じゃあ人間の国へ今送ってくれ、

って言っても、無理って言うんだろ?」


「なんだそんなことお安い御用だにょ」


…は?

今何て言った?


精霊王は俺にしっぽをチョンとつけた。

「ま、待て!」

と、言って間も無く、


俺の感覚で、一番最初に異変を感じ取ったのは、

触覚だった。


俺は暖かい湯に浸かっていた。


続いて視覚。


周りを見渡すと女、女。。。

人間の女が裸!?


そして聴覚。


「きやぁぁあああああ」

可愛い人間の女の子達の悲鳴…

そそる声…


人間の女が、桶やせっけんやら、

そこらにあるもの、すべてを投げてきた。


俺は自分の身を庇った。


ものすごい殺気…


何とか目に焼き付けたいが、

目こそ身体の急所…

目を開くことは叶わなかった。


しばらくすると、身体が寒い。

湯冷めの感覚。

女からの攻撃がやんでいた。


俺は恐る恐る目をあけると、

目の前には、妖精のクソジジイが居た。

妖精の国に戻ってきていた。


「お前『待て』と言ったかにょ?」


「あ、ああ、ああ、ああ……言った!

他の二人を置いて行けるかぁ!

てか、あそこはなんだ?」


「あそこは人間の国の湯浴み場だにょおーん。

お前…

好きだろにょーん」


こいつ…

目が無くても分かる…

絶対いやらしい目をしている。


す、好きだ。

そりゃあ好きだ!


だが、こいつも俺と同じ感性なのか…?

メルサの服を脱がせたのも、そうゆう理由なのか…?

くそ! 妖精族は反応が身体に出ないのが、 

羨ましい…!


待てよ…

重要なことは、それではなかった気がする…


普通だった…!

人間は普通の状態だった。


ってことは、悪魔軍が侵攻していないのか。

もしくは、ウィルが間に合ったのか。


それを知れただけで、過剰に焦る必要はなくなった。

二人が目を覚ましてから、

このジジイの力で、送ってもらえれば、

遅れるなんてことはないはずだ。


安心したら、

先ほどの光景を、目に焼き付けれなかったこと、

死ぬほど悔やんだ。





「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎囚われ姫は魔王に救われる

https://ncode.syosetu.com/n1925ii/


恋愛に憧れるが運命を定められた姫を封印が解かれた暴君魔王が攫う物語です。

勇者が姫を救おうとするが、姫は運命か自由かの選択を迫られます。



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